アパレル会社にいた頃、
店長や副店長の仕事の代表が「クレーム対応」でした。
もちろん他の仕事もあるんですけど、
店にいる時の役割としては、
「クレーム対応のため」だったように思います。
毎日クレームが入るわけではないですけど、
休憩中に呼び戻されることなんてしょっちゅうでしたし、
あと休みの日の店からの電話とか、ホントに嫌でした。
クレームの内容は様々で、その中でも電話でのクレームが結構ややこしいです。
人って、顔が見えないと、
キツイことも平気で言えたりするようで、ガンガン言われます。
でも、商品の交換のために家に伺って直接会うと、
「さっきまでの勢いはなんやったんや?」
っていうくらい大人しい人だったり、
「わざわざありがとう」とお礼まで言ってくれたりします。
電話を切ったあと、私が向かっている間の時間で、
向こうがクールダウンしてるのか、直接面と向かっては言いにくいのか・・・
そんな中、一番印象に残ってるのは、
「買ったTシャツを洗濯したら歪んだ」というものです。
てっきり、購入してすぐ歪んでしまったのだと思って、丁重に謝って、
その後、その商品を見せてもらったとき、
思わず、「えっ?こちらですか?」と言ってしまいました。
と言うのも、かなり着古した感じになっていて、
何度も洗濯された感じだったんです。
そして、よく見てみると、ほんの少し歪んでいました。
私の個人的感覚だと、Tシャツなんてそういうもんだと思っていたので、
当たり前の範囲でした。
(時々びっくりするくらい歪むのもありますけど・・・)
しかも、そのTシャツは、大量生産されていたもので、
店で取り扱っている商品の中では、一番安価なものだったため、
ますます余計に「これくらいは仕方ないんじゃないか?」
と思ってしまいました。
かと言って、「これくらいは当たり前なんじゃないですか?」
なんてことは口が裂けても言えません 。(←そりゃそう)
その値段を安いと思うか高いと思うか、
その使用頻度でのその歪みを、
大きいと思うか小さいと思うかの価値観は、人それぞれですし、
私の価値観がズレてるのかもしれません。
その後、本社に確認したところ、その商品を検査に出すことになりました。
その結果、その歪み具合は、使用頻度や洗濯方法による劣化で、
製品不良ではありませんでした。
(まぁ、決して品質も良くなかったとは思いますけど・・・)
その方に、その検査結果を説明したら、一応納得してくれたものの、
価値観は人それぞれだなとつくづく思いました。
あの頃は、ホントに色々大変だったんですけど、
そういうのを乗り越えたことで得られた経験値は、高かったように思います。
っていうかそう思いたいです。
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