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日本国民は、今、アメリカで何が起こっているか明確に知らなければならない、と筆者は思う。。

下院諜報員会議長のデヴィン ヌーンズ氏が作成したFBIが不当に前回の大統領選挙でトランプ陣営を監視していたと指摘する秘密文書が公開された。筆者もこの文書を新聞で読んでみたが、明らかに証拠不十分であると思う。

これでは、諜報委員会のメンバーの賛同を得られなかったはずである。ヌーンズ氏は、この文書を単独行動でホワイトハウスに持参し、トランプ大統領に見せたのであった。

ロシアゲート事件で、追い詰められているトランプ氏にとっては、棚から牡丹餅の話である。FBIがクリントン陣営に味方し、トランプ陣営に不当な監視をして捜査していたことを表しているこの文書の公開は、トランプ氏も共和党も大賛成したのである。

世論、民主党、そしてモラー特別捜査官の追及で劣勢に立たされていた共和党とトランプ氏にとっては、この怪文書は、反撃の良い材料となると判断されたのである。毒には、毒を持って制すると言うのであろうか。

さて、ここで考えられるのが共和党の支持を受け、トランプ大統領が力を得て、強硬なことをやるのではないかと憶測が飛んでいる。それは、モラー特別捜査官を任命したローゼンタイン副司法長官、そして、モラー特別捜査官自身をも首にすることである。これが行われたら、究極のロシア疑惑隠しであろう。

これを警戒する民主党は、一早くこの可能性をつき、シューマー少数派上院議員代表が警告を発した。

更に、ワシントンポストやニューヨークタイムズ、CNNなどのリベラルメディアが警戒し、猛烈な反対報道を行っている。

これらのメディは、元FBIの指導的立場にあった人たち、専門家の強い反対意見を報道し、一斉に警戒を行っている。

さて、ここに民主党、リベラルメディア、リベラル選挙民にとっては、気になることが生じてきた。それは、つい23週間前までは、世論調査で圧倒的にリードしていた民主党の支持率が落ち、共和党がじりじりと迫ってきているのである。それは、共和党が大減税案を議会で成立させたこと、経済が良好などの影響が大きいと思うのであるが、来る11月の中間選挙で、民主党が一気に多数派を取り返すなどと言われていたが、どうやら、赤信号が点いたたと言えるのではなかろうか。

さて、この怪文書の公表がどのような影響をアメリカ国民に与えるのか興味深い。とにかく、言えることは、共和党と民主党が、これだけの不透明な政治状況でありながら、このような両党の政治的駆け引きに明け暮れているのである。

外国が大統領選挙に介入したのではないかと言う世にも稀な問題を抱え、それを党利党略で十分な捜査もしない大国アメリカなのである。

ワシントンは、そこまで腐敗しているのである。

北朝鮮が本当に暴れだし、日本にミサイルを撃ち込んだら果たして、アメリカは、本当に日本を守ってくれるのであろうか。日本国民は、こんなアメリカをしっかりと見なければならない。

 

佐藤則男

ニューヨーク



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