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JAF

2018年06月24日 12時03分07秒 | ハチパパのひとり言

JAF(日本自動車連盟)に加入して32年になる。現在では任意の自動車保険に加入すれば、JAFと同様のサービスが受けられるが、JAFの特徴はいつどこでも誰でも、自分の自動車バイクでなくても、加入者証を持っていればサービスが受けられることである。観光宿泊施設、観劇、飲食など多岐にわたっての割引もあるからいい。

過去にパンク、バッテリー上がりなどで4回世話になったことがあるが、迅速で丁寧な対応には満足している。年間4千円の会費で今までに128千円を払っていることになるが、保険と同じで安心を買っているようなもので今後も継続したい。

さて、JAFからは毎月「JAFMate」なる会員誌が送られてくる。安全運転レッスンとかドライブ情報など、車好きには大いにためになる小冊子であるが、7月号の冒頭ページ「幸せって何だろう」に、『恩師の言葉』と題して岸恵子さんのエッセイが載っていた。内容は概ね次のとおり。

「しあわせ」って、そのさなかにいる時にはに感じないという特徴を持っている、と私は思う。中学2年の時、大好きな担任の先生宅に呼びつけられて、古びて黄色く色変わりした畳の上にちょこんと畏まって座っていた。・・・「君は傲慢なんだ。アタマはすこぶるいい。どの科目も申し分ない。だから苦手な数学なんてやらなくていいと思っていないか? こんな問題君に出来ないはずがない。やろうとしない君はたかをくくっていないか。三角形の底辺を君は計算もせず、定規で測って答えを出した。立派な根性だ」と叱られた。・・・憤っているはずなのに、じゅんじゅんと諭すような声に私の唇は泣きべそ色に曲がっていたに違いない。・・・先生の母親がお茶とお菓子を出してくれて、私は声をだせず、お茶を飲むことも出来なかった。すごすごと帰る私を玄関の外まで見送ってくれた先生が苦し気に咳込んだ。・・・「根性を通せ。君には沢山の才能がある。好きなことをやれ。人生は短いんだ。苦手なものはやらなくていい」                                                     「えっ」この日、私が出した初めての声だった。先生は微笑んだまま斜めになった夕陽を背負って立っていた。女優になった私が先生にお礼を言いたいと思った時、先生はもうこの世にいなかった。・・・ 

JAFに加入していて思うのは、ロードサービスもいいけれど、会員誌を捲るたびにいろんな人のいい話が読める。岸恵子さんは私と誕生日が同じでも一回り上で今年86歳にもなる。吉永小百合さんとともに私の大好きな女優としていつまでも輝いている。

                                     





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