ナゴヤドームで行われた巨人との13回戦は1-5で巨人の勝利。


今日の試合はまずなぜ小笠原を先発させたのかというところから考えなければならないのかもしれません。

週の頭の先発には長いイニングを投げられるピッチャーを持ってくるのがセオリーです。
オールスターで投げたバルデス、登録を抹消されている大野の次に今の中日投手陣でイニングを投げられる先発ピッチャーは恐らく柳。なので、私は今日の先発を柳だと予想していましたが、実際に投げたのは小笠原でした。

小笠原を投げさせた理由はいくつか考えられますが、炎上を繰り返している彼に前回完封しかけた巨人戦をきっかけに立ち直ってもらいたいという期待もあったのかなぁと私は思っています。

その期待に小笠原は応えてくれませんでした。

今日の小笠原は初回からストレートは140キロそこそこで高めに集まり、変化球では相変わらずストライクが取れず。
炎上した試合でもストレートの球速は145キロ前後は出ていたので、ここ最近の登板の中でもっとも調子が悪かったのではないでしょうか。

それでも、雅人にアクシデントがあったようで急遽バッテリーを組んだ武山がカーブを続けて投げさせるなど苦心のリードをした甲斐があったのか、3回からは立ち直りの気配を見せてくれましたが、結局100球を越えた6回に三者連続フォアボールからピッチャーにタイムリーを打たれるという最悪の形でKO。

そもそも100球で限界が来てしまう小笠原を5回裏に回ってきた打席で代打を出さずに6回表のマウンドに向かわせたことに賛否両論あるでしょう。
個人的には立ち直りの気配を見せた感覚を大事にするならこのタイミングでの降板もありだったと思います。
しかし、あの崩れ方は小笠原の責任が大きいのかなと。
「5回で100球を越えます」「100球を越えたらストライクが取れなくなります」では一軍で先発をさせるわけにはいきません。

少し前にラジオで「後半戦はまず大野、鈴木、柳、吉見、バルデス、ジョーダンでローテを回し、小笠原には1イニング全力で投げる感覚を磨く為に中継ぎに回ってもらう。ゆくゆくは楽天の松井祐樹みたいなピッチャーになってもらいたい」というようなことを首脳陣が考えているという放送がされました。

このプランを知った時は「変化球でストライクが取れない小笠原にリリーフが務まるのかは不安。それでも彼に先発としての適性以上にリリーフとしての適性があるのであればそれでもいいんだろうけど、まだその決断を下すのは早いんじゃないかな」と思っていましたが、今の小笠原を一軍で先発させるよりはマシな判断だろうとも思います。

リリーフを経験することで変化球で空振りが取れるようになれば万々歳ですしね。

しかし、大野やヤクルトの小川を見ているといきなりリリーフに回ってうまくいくとも思えません。

今日先発したの理由が「ジョーダンが怪我をしたからその穴埋めの為」という行き当たりばったりのものであればまったくもって意味が分からないのでそんなことは無いのでしょうが、一軍に合流したという小熊だったりジョーダンの代わりになる先発は小笠原以外にもいます。
先発を続けるにせよリリーフに回るにせよ一度二軍でしっかりと調整しなおした方がいいと個人的には感じますが果たしてどうなるのか……


小笠原の後を受けた伊藤はピンチで最高の火消しをしてくれましたが、回跨ぎでつかまり1失点。

ピンチでギアを全開にした後の回跨ぎは難しいというのは分かります。
しかし、7回裏にピッチャーの打順が回ってくることと3点ビハインドがあること、そして伊藤の立場を考えればこの回跨ぎの意味は理解できますし、踏ん張ってもらいたかったですね。

驚いたのは8回に登板した柳。
さすがに先発からリリーフに転向ということはないでしょうし、おそらく調整登板かと。

気になるのはどこを目標にした調整登板なのか。
日曜日のマツダに向けた調整登板であれば中5日、マツダでは小熊や今日二軍で先発した八木を投げさせて火曜日の神宮に向けた調整登板であれば中7日になります。

調整登板が必要か否かというところは柳自身にしか分からないでしょうし、批判する気はありませんが、正攻法と言えるような調整でもないように感じます。


打線の方はビシエドが早速復帰。
打席での様子を見るとブランクが気になる程の状態ではありませんでしたが、チャンスでゲッツーが出るなど結果は出ませんでした。

藤井以下の打順も相変わらずで、結局5番以降で出たヒットは藤井のエラー気味の内野安打と代打荒木のライト前のみ。
チャンスでゲレーロに1本出ることだけを頼りにした今の打線で今日のマイコラスを相手にすれば1点が精いっぱいでしょう。

また、福田が1つもらっただけで基本的にフォアボールが選べない打線では厳しいですね。

なぜフォアボールが少ないのかを私なりに考えてみましたが、京田や亀澤、もっと言えば大島や藤井もでしょうか、「ヒットが出てもシングル止まりだろう」というバッターに対してわざわざボールを先行させるピッチャーはいません。
打球が前に飛んだら相手の打ち損じや仲間のファインプレーでアウトを取れる可能性もありますしね。
このような打線を組まざるを得ないのが大きな原因になってしまっているような感じがします。

外国人打者はフォアボールが取れるのであればわざわざ日本に来ることはないので、日本で成長してくれるのであれば別ですが、基本的には敬遠以外のフォアボールに期待するべきではないでしょう。

もちろん選球眼の無さやファールで逃げるバッティングが全体的にできていないということもありますが、長打の怖さが無い打線でフォアボールを増やすのは難しそうですね。
去年の後半の福田は相手が怖がる様子も感じたので、そういうバッターが1人でも増えてくれればいいのですが……


試合に直接は関係ないのですが、初回の亀澤の三遊間に飛んだショートゴロを難なくさばいた坂本の守備には改めて感心しました。
恐らく次のボールが外角低めのストレートというサインを見て「亀澤があのコースのボールを当てたら三遊間方向に打球が飛んでくる可能性が高い」と読んでいたのだと思います。
そのコースにきっちり投げ込むマイコラス、そして読みをきっちりと当てる坂本。
巨人のレベルの高さを感じました。

京田にはまだそこまでの読みは難しいでしょう。
判定はアウトにしてもらいまいたが、三遊間方向の緩い打球を正面に入って送球という判断のミスもありました。
経験を積んであれくらいの守備ができるようになるといいですね。


後半戦の初戦。
連敗が続いていたこともあり快勝したかったのですが、起爆剤として期待した小笠原もビシエドも爆発すること無く、結果は完敗。「荒木デー」で荒木がヒットを打ってくれたことと京田とゲレーロの新応援歌がお披露目になったことくらいしか救いがない試合になってしまいました。
どうにも投打が悪い方向にかみ合ってしまっています。

明日の先発は吉見。
二軍での結果を見ると上げられるような成績ではありませんが、あれだけの実績を残してきたピッチャーが何かをつかんで上げて欲しいと直訴してきたのであれば上げてもいいと私は思います。
しかし、この登板は間違いなく吉見のわがままで、今シーズンのこれまでの成績を含めて、ここで結果を出せないのであれば次の登板機会を与えるのは筋が違うとも思います。

若いピッチャーが多くなってきたチームなので、吉見には彼らの見本になるようなピッチングを見せてもらいたいですね。


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