怒涛の更新劇を繰り広げております、ぺんたんです。

 

読む本の広げ方として、ある本の中に出てきた本を読み、

の作家さんについて調べる、というものがありますよね。

 

先日書かせていただいた「向日葵の咲かない夏」の記事で

「儚い羊たちの祝宴」

という米澤穂信さんの本について書きました。

 

この作品は5つの話からなる短編集です。

 

今回詳しくは紹介しませんが、その中の

「玉野五十鈴の誉れ」というお話は、私が読んだどんなミステリーよりもすごかったです。

「最後のページでひっくり返す」と帯には紹介されていましたが、言葉通りの作品でした。

短編集である強みを存分に生かした作品だと思います。

 

「はじめちょろちょろなかぱっぱ。赤子泣いても蓋取るな。」

 

ご飯を炊く様子を風刺した童謡ですが、この話を読んだ後、この歌が怖くてしょうがなくなります。

 

...さて、本題に戻り、

「儚い羊たちの晩餐」という短編が最後にあるのですが、

この短編に

「アミルスタンの羊」

という言葉が出てきます。

 

羊よりおいしい羊、と呼ばれる幻の食材なのだそうですが、この正体はいったい...?

 

正体は実際に読んで確かめて頂きたいのですが、作中で

アミルスタン羊の味について言及した小説がある、と記されています。

これがこの短編の元ネタとなった、

 

「特別料理 (スタンリィ・エリン)」

 

という小説です。

 

あるレストランが「究極の逸品」を出すという噂があるのですが、

その食材とはいったい何なのか。

 

食材の味自体にはっきりとした言及はされていません。

されていないというか、できないのでしょう。恐らく作者も食べたことは無いでしょうから。

 

「自分の魂を覗き込むようだ」とのみ書かれています。

 

「儚い羊たちの晩餐」では

「舌ではなく頭で味わうもの」

と表現されています。

 

この食材はいったい何なのか?

読み進めるうちにだんだんわかってくる不気味さが癖になる小説です。

 

根強いファンのいる作家さんだそうですが、

あいにくと書店ではこの作品しか手に入りませんでした。

いつかもっとたくさんこの人の作品を読みたい、そう思える魅力がありますので、

 

是非皆さんも読んでみてください。

 

それではまた!