単位自然数学派 線形代数実1次元数ベクトルとビッグバン宇宙の菅数論
ピタゴラスの時代にピタゴラスの定理を元にした数秘術を使うピタゴラス学派と言うのが、あったそうだが、もっと論理的に自然数の問題を考えて見ると、数学と宇宙をつなぐ架け橋として、ピタゴラスの定理を超えたところに自然数の真理が見えて来た。
 その時代から見れば近年、数値計算の世界は、その座をすっかりコンピュータに奪われ、今では、計算尺で関数計算をする人間は、絶滅危惧種になってしまった。そろばんと言うのは、何故か日本にはかろうじて残っているが、これは、日本の数学者、関孝和の名前を借りたそろばん教育の結果だろう。
 ところで、コンピュータによる数値計算の世界では、円周率は、5兆桁超、昨年暮れには、50番目のメルセンヌ素数が発見されたと話題になったが、これは、ほとんど、コンピュータの性能争いと言う次元の問題で、最初の素数で、唯一の偶素数を語れないメルセンヌ素数に、数学的な意義はないだろう。素数が無限に存在している事が証明されている以上、唯一の偶然である2を除けば、残りは奇数の中にあると言うのは自明である。もっと具体的に、素数は、必ず 6n ± 1 の数であり、その両方が素数なのが、双子素数であると言った方が、余程、数学的な素数の性質の説明になるだろう。したがって、最大のメルセンヌ素数が見つかったとしたら、次は、2倍2倍と飛ばさなくても、その数の直ぐ上に,素数はいくらでも見つける事ができる。
6n±1については,2015年に上梓した素数と魔方陣で発表した。
 数値計算の世界を席巻してしまったコンピュータだが、その中で使っているものは、電圧レベル、all or notの世界である。あえて数字に直せば、0と1の2進数の世界だ。勿論、その2進数の中に10進数に変換すれば、数学上の定義に従った、偶数、奇数、素数も存在しているわけだが、2進数の中では、メルセンヌ数の様に下一桁で、偶数、奇数の振り分けはあっても、素数は存在していない、素数は、数学上の定義によって分類された10進数の中だけの物で、偶数奇数と同様に、階差1の自然数の繰り返しと重ね合わせの中に、数学上の定義によって現れる数である事が分かる。従って、自然数の中に現れる素数を見える化したければ、コンピュータによる数値計算では不可能であると言える。何故なら、コンピュータの2進数の世界では、メルセンヌ素数を探す事ができても、肝心な最初の偶素数2について語れないからである。
 では、なぜ、0と1の二つの数字だけで、全ての数値計算が出来るのかと言うと、数学的証明は、すでに線形代数という数学で証明されているが、10進数を2進数に変換するだけで、方程式が解けるわけではない。人間が方程式を解く計算過程から発見された行列式の演算によって、コンピュータで方程式を解く事が出来ているのである。その元になる数学が、線形代数学である。
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  私も、高校で教えていた頃に、行列式を使ってプログラムを組んで、キルヒホッフ自由自在と言うポケコンソフトを作って、計算が苦手な生徒にはたいそう喜ばれたが、私自身も、方程式の計算がコンピュータで出来るという事実を、直接自分の手で感じた事で得たものが大きかったと思う。
 それは、行列式では、数値計算の筈なのに使う数字や計算過程には全く無関係に、方程式の解が数値の配置のみによって決まっていると言う数学的な事実である。このポケコンソフトでも、電圧と抵抗を決めれば、電流の値が一通りに決まっている。計算を繰り返して漸近的に近似値を求めていく微分・積分の数学とは全く異なり、数値には全く無関係に、数字の配置のみで、宇宙の真理として、解が予め決定していると言う数学に感動し、同時に数値計算とは何かと言う疑問を抱いたのも、この頃だったと思う。
20年以上前の話だ。

  実1次元数ベクトルと基底
 さて、これから本題の単位自然数学派の話だが、この0,1だけのコンピュータで、数値計算を可能にした線形代数を見て見ると、これまでの数学の定義にはなかった、おかしな、と言うか不思議な言葉の定義が出てくる。勿論定義なので人間が勝手に決めた物で、宇宙の真理の裏付けがあるかどうかは後の話だが、コンピュータ時代の数値計算の可能性を数学的に証明した線形代数の実績から考えて見れば、この辺りが、数学と宇宙をつなぐ架け橋と考える事が出来るだろう。それは、実1次元数ベクトルと言う定義である。高校までで習う数学では、ベクトルと言う概念は、大きさと方向と言う2つの情報を持った2次元の数で、1次元の数である自然数はスカラー量なので、1次元数ベクトルと言うのはおかしい。よく調べて見ると、数学的には、1次元の数直線上に並ぶ、実数をそう呼んだようだ。とすれば、数直線に並ぶ自然数1の単位ベクトルは、実1次元数スカラーと言うことになるかどうかは、定かではない。これからそう定義しても良いかもしれない。
  コンピュータ演算を数学的に証明した線形代数から言えることは、実数は2次元のベクトル量であり、実1次元数ベクトルと言う言葉の根拠となるのが、ベクトル空間の基底という言葉であると言うことだ。1次元の自然数の概念が、ここで、大きく変化しているのだ。数直線上の線形代数では、線形、つまり1次元の数直線上の自然数の扱いが、実1次元数ベクトルという名前で2次元のベクトル量として扱われていることになる。
 線形代数では、基底と言う言葉で言い訳していたが、自然数は、このベクトル空間の基底によって、フラクタルな性質を持って2次元の数としてベクトル化しているが、整数論では、何の断りもなく1次元の自然数を2次元の複素平面上に、持ち込んでいる。
 1の定義がない自然数は、この線形代数の基底のように、基底次第で、フラクタルな性質を持ったベクトルとして表す事が出来る。整数論で言えば単位にあたるものである。
 自然数自体は、1次元のスカラー量である事に間違いはないが、そこに、単位が加われば、単位自然数となって、その振る舞いは2次元のベクトル量を表すことになる。これが、単位自然数による整数論である。

 単位自然数の新概念
 スカラー量である自然数は、概念だけで実態は見えない。自然数が宇宙に現れ、私たちの前に見える化するには、必ず、単位と言うもう一つのスカラーをまとった、単位自然数と言うベクトル量として表された時である。自然数の新概念として、単位自然数と言うベクトル量を考えて、例えば、自然数n×時間t を単位自然数と定義すれば、全ての自然数nの振る舞いは、時間軸と言うスカラーの上に、自然数スカラーがその姿を表す事になる。これが、自然数の新概念・単位自然数学である。ビッグバン宇宙の菅数論も、この線形代数の実1次元数ベクトル同様、自然数スカラーの単位設定によるフラクタルな性質を考える事によって自然数について考えてみよう試みる、自然数の新概念であると言えるだろう。
   複素平面と複素1次元直線
2次元の複素平面上に持ち込まれた自然数について考えて見よう。
数直線上の線形代数と違う点は、2次元の複素平面では、線形代数の基底に相当する自然数1の単位が、暗黙のうちに座標軸に刻まれている事である。そのまま、xーy座標形式で、どちらかの座標軸上に自然数スカラーを持ち込めば、各自然数ベクトルは原点を支点としてその数の点を先端座標とするベクトル量として見える化する。この場合は、線形代数の基底と同様に他方の軸を幾つに固定するかで、フラクタルな自然数ガロア群は無限に存在している事が分かる。極座標形式では、動径か偏角のどちらかを固定して他方に自然数を代入すると言う形で持ち込む事が出来るが、複素平面上は自然数1が定義されているので、動径に持ち込む場合は、偏角θを0と固定すれば全ての自然数は、複素平面上の実軸+側に揃い、基底同様θの設定いかんによってフラクタルな偏角θの角度線になる。
動径を1に固定して、自然数を偏角θに持ち込めば、単位円円周上のガロア群になるが、自然数1と傾角θの基底を幾つにするかで、単位円円周上の自然数ガロア群はフラクタルに無限に存在している。さらに、1に固定した単位円の半径rを基底と考えると、単位円と同心円の円周上にも自然数ガロア群は無限に存在している。この、複素平面上に、1次元の自然数スカラーが揃う直線や円は、無限に存在し、複素1次元直線と呼ばれている。

単位円と自然数
この中で単位円円周上に持ち込まれた自然数について考えて見ると、複素平面は単位となるベクトルの動径、自然数1が暗黙のうちに定義されているので、単位円と円周上には、すでに自然数スカラーが見える化していそうだが、単位自然数ベクトルとして見える化した自然数は、単位ベクトルだけである。もう1次元分の自然数を単位円円周上に単位自然数として見える化するためには、偏角θの自然数1に対する割合を幾つにして持ち込むかを上手く設定すれば、単位円円周上のフラクタルな自然数ガロア群の中に、1次元の自然数(素数)の振る舞いが見えるのではないかと考えてみた。

自然数1=π rad
角度を表す基底(単位)はいくつかあるが、その中の弧度法に着目して、自然数1=π radと換算して単位ベクトルの偏角θに代入して、自然数と複素数が1:1に対応した自然数(π)ガロア群を求めて見ると、全ての自然数のうち、奇数はー1.偶数は1の二つの複素数に変換される。最早、数学者を悩ませた虚数は消え失せた。しかし、複素数である。無限の循環で∞の壁が消えて、自然数1=πの基底の設定により超越数πの壁も消えた。そして、全ての自然数nは、自然数1で割り切れる事が数学的に証明出来た。まさに、魔法の変換だが、これによって全ての自然数の振る舞いは、回転ベクトルの半周を1(秒)とした時間軸上に見える化する事が出来るようになる。
全ての自然数が±1の2値に変換された複素数ガロア群の実在は、正しくall or notで全ての計算をこなすコンピュータの原理そのものである。

それが、2014年 Seek10 365問 と素数と魔方陣で発表した、ビッグバン宇宙の菅数論である。

ビッグバン宇宙の菅数論 - 発想力教育研究所 素数誕生のメカニズム http://blog.livedoor.jp/art32sosuu/archives/18927757.html