経済なんでも研究会

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サタデー自習室 -- 水の 経済学 ⑰

2017-07-29 08:00:27 | 
◇ 寡占終わり群雄割拠の時代に = 世界の水ビジネス市場に長いこと君臨してきたのは、フランスのヴェオリア社とスエズ社。20世紀までは、この2社による寡占状態が続いていた。01年の占有率は両社ともに22%だったが、09年はヴェオリア社が11%、スエズ社が15%に落ちている。スペイン、イギリス、ドイツ、アメリカなどの民間企業が参入してきたためで、いまや世界の水ビジネス市場は群雄割拠の時代を迎えようとしている。

それでもフランス2社の規模は、まだ突出している。給水人口でみると、ヴェオリア社は1億3900万人、スエズ社は1億2000万人。世界第3位のスペイン・アクアス社は、まだ3000万人に達していない。いまだに世界水ビジネスの巨人と言っていいが、それにはそれなりの古い歴史がある。

まずヴェオリア社は、ナポレオン3世が1853年に設立。パリとリオンの水道事業をやらせたことが発端。20世紀中に90か国に進出、1998年には中国で初めてとなる浄水場の受注に成功した。また02年には上海市と50年契約を結んだが、その間の全収入は1兆6500億円になるという。スエズ社も1880年の創設。カンヌの水道事業が始まりで、スエズ運河の建設でその名を轟かせた。

21世紀に入ると、欧米諸国のほかシンガポールや韓国も参入。需要が急速に拡大するなかで、競争も激化してきた。そうしたなかにあって、日本は出遅れ気味。先発した海外の企業と組んで合弁事業の一角に取り付いたり、独自の計画を売り込もうと努力し始めたところ。だが残念ながら、世界市場での認知度は低い。

                                (続きは来週サタデー)

      ≪28日の日経平均 = 下げ -119.80円≫

      【今週の日経平均予想 = 2勝3敗】   

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