経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

サタデー自習室 -- 水の 経済学 ⑯

2017-07-22 07:38:00 | 
◇ バラバラな日本の水道ビジネス = 東京都水道局、大阪市水道局・・・。日本の水道ビジネスは、そのほとんどが地方自治体によって運営されている。上水道、下水道、工業用水道を管理・運営するノウハウは、自治体に集中していると言ってもいい。だが競争がないから、その仕事はどうしても高コスト・非効率になりがちだ。全国の自治体は、水道事業で合計40兆円を超える債務を抱えているといわれる。

個々の民間企業は、逆浸透膜や各種のポンプ、導管の埋設工事など、世界に誇る技術を持っている。しかし全体のシステムを管理・運営するノウハウは保有していない。逆に地方自治体は、重要な部品や工事の手法に関する技術を持っていない。つまり世界最高水準の技術とノウハウが、分離したまま今日を迎えてしまった。

世界の水ビジネスは、プラント建設から水道管の設置、その管理・運営を一括して発注する方向に進んでいる。そんなときに建設工事と管理・運営がバラバラでは、うまく受注できるはずもない。世界の水ビジネスで、日本が0.4%の参入率にとどまっている原因はここにある。

その欠点を是正しようと、最近は商社が自治体と企業を結び付けるプロジェクトを立ち上げたりしている。だが新興国向けのビジネスには、ODA(政府開発援助)も有効に働く。そこで政府もオール・ジャパンの体制を作ろうと、協議会を発足させた。しかし、ここでは上水道=厚生労働省、下水道=国土交通省、産業用水道=経済産業省のタテ割り行政が邪魔して、議論がいっこうに進まないという。

                               (続きは来週サタデー)

      ≪21日の日経平均 = 下げ -44.84円≫

      【今週の日経平均予想 = 3勝1敗】   


               
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