◇ 与党の造反を抑え切れず = アメリカの有力経済紙ウォールストリート・ジャーナルは22日「トランプ氏が『偽大統領』になる日」と題する社説を掲載した。その書き出しは「北朝鮮のICBMがハワイの近海に着弾したと、トランプ大統領が発表しても誰も信じないだろう」と、きわめて強烈だ。財界を代表する新聞だけに、ウォール街のいまの心境を代弁したのかもしれない。
そして“その日”は、2日後にやってきた。トランプ大統領が、選挙中から最大の公約としてきたオバマ・ケア代替法案の議会提出を断念したのである。民主党だけではなく共和党の一部が反対に回り、議会に提出しても成立の見込みがなくなったからだ。これによって大統領の統率力には大きな疑問符が。減税やインフラ投資などの実現性が危ぶまれ、株価は急落した。ウォール街には、裏切られたという感触が流れている。
オバマ・ケアはオバマ前大統領が実現した、国民健康保険の普及制度。10年に法案が成立し、これまで2000万人が新たに健康保険に加入している。ただ政府の補助金が巨額にのぼるためトランプ氏は大反対、内容を修正した代替法案を準備してきた。ところが共和党の一部がこれに賛同せず、トランプ大統領やライアン下院議長の説得にも最後まで応じなかった。
共和党のなかには、財政支出の増額を極端に嫌う超保守派の議員が少なくない。全く逆に、健康保険の加入が抑制されることを心配する議員もいた。トランプ大統領は結局、その双方を満足させるような代替案を見い出せなかったことになる。このため大統領の議会に対する工作力、特に与党議員に対する統率力の欠如が際立ってしまった。
(続きは明日)
≪27日の日経平均 = 下げ -276.94円≫
≪28日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
そして“その日”は、2日後にやってきた。トランプ大統領が、選挙中から最大の公約としてきたオバマ・ケア代替法案の議会提出を断念したのである。民主党だけではなく共和党の一部が反対に回り、議会に提出しても成立の見込みがなくなったからだ。これによって大統領の統率力には大きな疑問符が。減税やインフラ投資などの実現性が危ぶまれ、株価は急落した。ウォール街には、裏切られたという感触が流れている。
オバマ・ケアはオバマ前大統領が実現した、国民健康保険の普及制度。10年に法案が成立し、これまで2000万人が新たに健康保険に加入している。ただ政府の補助金が巨額にのぼるためトランプ氏は大反対、内容を修正した代替法案を準備してきた。ところが共和党の一部がこれに賛同せず、トランプ大統領やライアン下院議長の説得にも最後まで応じなかった。
共和党のなかには、財政支出の増額を極端に嫌う超保守派の議員が少なくない。全く逆に、健康保険の加入が抑制されることを心配する議員もいた。トランプ大統領は結局、その双方を満足させるような代替案を見い出せなかったことになる。このため大統領の議会に対する工作力、特に与党議員に対する統率力の欠如が際立ってしまった。
(続きは明日)
≪27日の日経平均 = 下げ -276.94円≫
≪28日の日経平均は? 予想 = 上げ≫