晴れたり曇ったり

夫のステージⅣ 切除不能進行食道癌の闘病記録と旅立ちからの日々

狂った10年

2017年06月19日 | 旦那の旅立ちからの日々
ここ数日、風は強いけど洗濯日和の良いお天気の札幌です。

明後日は、旦那の四十九日です。
早いものでと言いたいところだけど私にとっては毎日がとてもゆっくりと進んでいるので
四十九日までとても長く感じていました。

納骨もしないし、身内と言っても近くに居なかったりなので
人を呼んで法要する予定もありません。

新聞のお悔やみ欄を見てなのか営業DMが毎日のように送られてきています。
親族の多いところなら法要を行わないわけにもいかず費用をかけてするのでしょうね。

インコのピッピは、元気に育っています。
旦那に線香をあげるときは合わせた手の指に乗ってジーッと静かにして遺影を見ているので
何となくわかるのかな?と不思議な気持ちになります。

まだ言葉は覚えてませんが私の姿が見えなくなると啼くので
とってもとっても愛おしく思えます。

旦那の同級生のHさんから「どうしてますか?落ち着きましたか?」と数日前に電話がきました。
義父からも数回、心配の電話がきています。
隣に住むおばちゃんは、窓を開けていると声をかけてくれます。

こんな時、ほんとうの人間性というのがわかるものですね。

自分は・・?と考えると
今までなんと薄情なことばかりしてきてしまったか申し訳なく思うばかり。

お義母さんが亡くなったあと隣に義父が住んでて仏壇があったせいもあるが
お花やお供えもせずロクに供養もしなかった。

ベランダに出て空を見るのが好きだった旦那は
「母さん、今日は満月だよ」「母さん、今雷が光ったぞ!」なんて言って
PCの前から離れない私に声を掛けてくれてたのに私はそれを無視していた。

引篭りになってから買出しもゴミ出しも全て旦那がやってくれていた。
私は朝まで起きてるのが当たり前のような生活で昼間は、ほぼ寝てた。
どうかすれば仕事から帰って来た旦那に起こされる日もあった。

毎日「今日は何時に起きた?」旦那に聞かれ
「3時ごろかなぁ」「今日は早く起きたよ。お昼に!」なんて言ってる始末。

着の身着のままソファーで寝ることも普通にあった。
着替えることもお風呂に入ることも面倒だった。

当然、化粧することもないし、おしゃれもしない。
葬儀の時、化粧品がみな10年以上使ってないものしか無くて
アイシャドウのパフは劣化して使うとポロポロと崩れてしまった。
見かねた友人のFが試供品の化粧品を持ってきてくれて代用した。

私がすることと言えば最低限の掃除洗濯と夕食の支度だけ。
朝昼は、各自で食べていた。

家庭の中で妻や母が役目を放棄しちゃったら崩壊するよね。
いつ何もかも壊れていいと思っていた。
いつ死んでもいいと思っていた。

私の中の何かが狂ってしまった10年だった。

だから今はもう同じ繰り返しは出来ない。
毎日、散歩したり自転車に乗って出かけて足腰を動かして
頑張って10年分の運動をしないといけない。

今日もこれから腰のリハビリに行って来ます。


9 コメント

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Unknown (一華)
2017-06-19 22:17:02
こうして拝読していると、ご主人様は優しい方だったのですね。会いたかったな、と思います。
籠っていた10年も、夫に寄り添いいた1年も、全て意味のある事なのかも知れませんね。
こうして気づかせてくれた、そして気づき受けとめた。
星にも風にも、雲にも陽の光りにも、この世の全てに存在意義がある。
私は人に大切な物は心、と思っていて、こんな言葉を送ります。
心は行動になり、行動は習慣を作り、習慣は品格を作り、品格は運命を決す。
私は心の美しい人になりたいの。
その人となりは姿勢に表れると思っています。
そして、そよ風の様な人になるのが、私の最終目標、って言うと知人が、ヤバイ人と思われるよ、なんて言われて。(笑)

自転車を漕いだり、散歩したり、ご自分を充分労ってあげてくださいm(__)m
頑張ってるよ、私!!って。
あーそうだね、頑張ってるね、母さん!! ってきっと言ってるから。
聞こえなくても、きっとそう言ってると思うの。

明後日、私も手を合わせるね。
Unknown (yuu.sho2049)
2017-06-20 08:32:21
蘭さま

ご主人さま、四十九日むかえられるのですね。
ご主人さまは、法要よりも蘭さまと過ごし、誰よりも御冥福を祈られる心と共にを望んでいらっしゃると思います。

私も、やはり時は流れてもゆっくりと感じています。
あっという間、なんて感覚はありません。
なんか、辛いこの1年半の事ばかり考えているからかな?と思ったりしてます。

蘭さまの10年。支えてくださったのは、優しいご主人さまだったのですね。
いつもいつも、蘭さまの事思い、以前のブログの中でご主人さまが、年金事務所に大変な中
行かれた事とか思いだしました。

北海道はたぶんこれから、素晴らしい季節ですよね。
私もまた北海道に行きたいです。
北海道大好きです。

さわやかな季節、ご主人さまのためにも元気に、活動的に過ごさないとね。
私も自分を奮い立たせないと、頑張れるか?
不安ですが。
一華さんへ (蘭)
2017-06-20 10:25:29
一華さんに会わせたかったですよ~。
私がすることに怒る事がない人でした。
せいぜいお酒を飲んだ時、私が「飲みすぎじゃないの?」と注意すると
一番言われたくない言葉だったようで怒ることがあったくらいですね。

『心は行動になり、行動は習慣を作り、習慣は品格を作り、品格は運命を決す。』

まったくその通りだと思っています。
私の行動が旦那の病気を作り今私が一人ぽっちになったのもそれによって運命が決められた。
実際、そう思えて自分を責める日々でした。
それでも旦那は何も言わず最後まで私のことを見守っていてくれた。

今更、気付いてどんなに恩返ししたくても旦那はもう
いない。
残された私ができることは、あの10年間に戻らないように。
ともすればまた引篭りになりそうな自分を奮い立たせて
毎日元気に生きて旦那を供養していくことだけ。

きっと頑張ってるなって言ってくれていると信じて頑張ってみます。

一華さんはもう私からすると「そよ風のような人」ですよ。
yuu.sho2049さんへ (蘭)
2017-06-20 10:51:51
泣き叫んでも虚無感で放心していても引篭りになっても旦那が喜ぶはずがない。
今はそう思えるんです。
そう思ってても泣いてしまいますけどね(笑)

でもまた同じ繰り返しをすれば旦那が悲しむだろうから
少しでも前を向いて頑張ってる姿を見せていようと思います。

今北海道は日本中で一番いい気候なのじゃないかと思います。
厳しい冬が終わり、ひとときの安らぎを与えてくれる季節です。
ぜひぜひ遊びにいらして下さい。
心地よい風と大地の温もりは凍りついた心も癒してくれることと思います。

yuu.shoさんも自分を奮い立たせて頑張ってみましょうよ。
泣きたくなったらいつでも大きな声を出してたくさん涙を流して
泣き終えたらまた一歩前を向いて進む。
その繰り返しのような気がします。
蘭さんご無沙汰しています。 (saori)
2017-06-21 15:31:33
蘭さん、こんにちは。
ブログはチェックさせていただいていたんですが、なかなかコメントすることができませんでした。。。

先日、父の追悼旅行に沖縄へ行ってきました。
四十九日を終えたころからだいぶ心が落ち着いてきたように思っていたのですが、沖縄から戻ってきたら、またしても涙があふれる毎日になってしまいました。
一人でいるときは泣いて泣いて、泣きまくって…
そうして心を鎮めようとしていました。

蘭さんも旦那様を亡くされて、すごく寂しくて、すごく恋しい思いをしているんだと痛感しました。
当たり前ですよね、最愛の旦那様をあれだけ手厚く看病できた蘭さんですもの。

私には蘭さんに助言なんてできませんが、蘭さんがこのブログで吐き出してくれた言葉に、私と同じように共感したり、救われたりする人も多いと思います。
素敵なコメントを寄せておられる方もたくさんいらっしゃいますし、そのコメントにも救われている方もいらっしゃると思います。
蘭さん、どうかどうか、悲しみでつぶされてしまわぬよう、お身体には気を付けてくださいね。

今後もブログ読ませていただきます!!
saoriさんへ (蘭)
2017-06-21 20:18:35
お久しぶりですね。
沖縄旅行ですか~暖かいところは北海道人の憧れですよ。
旅行から戻って改めていつもいるはずのお父様が居ないので恋しさが増してしまったのでしょうか。

私も何でもないようなことで旦那がここにいたのに・・とか
旦那ならきっと「お金で済むんだ。命まで取られることはない」って言っただろうな・・とか
そして自分は命取られちゃったくせに・・と
つい・・思い出しては涙がこぼれてしまいます。

でもそうして思い出してあげることが供養と思います。
涙を流せるって生きてる証拠。
闘病中最後の入院の時の旦那は泣く気力も無かったの。
だから旦那の分まで泣いてあげようと最近は思っています。
泣くのを我慢しないことにしました。

saoriさんも忙しい日々を過ぎてほっと一息ついたあたりで体調を崩されないようご自愛ください。

Unknown (かば)
2017-06-30 12:23:09
蘭さん、なんとかやっておられますか。
ピッピちゃんは言葉を言えるようになりましたか。
振り返って自分を見つめ直した時間、人の優しさ、旦那様の残してくれたもの、後戻りしないと決めた蘭さん。
最近、なぜか、私は逆戻りしてしまい、辛くてしかたがありません。

踏ん張りたいと願って、このブログを読み返しています。でも、迷路に迷いこんだみたいです。

こんなコメントでごめんなさい。
Unknown (かば)
2017-06-30 12:23:09
蘭さん、なんとかやっておられますか。
ピッピちゃんは言葉を言えるようになりましたか。
振り返って自分を見つめ直した時間、人の優しさ、旦那様の残してくれたもの、後戻りしないと決めた蘭さん。
最近、なぜか、私は逆戻りしてしまい、辛くてしかたがありません。

踏ん張りたいと願って、このブログを読み返しています。でも、迷路に迷いこんだみたいです。

こんなコメントでごめんなさい。
かばさんへ (蘭)
2017-06-30 13:51:27
お久しぶりです。
ピッピは元気にしていますが雌なので言葉はあまり覚えないようです。
窓を開けると外の鳥の鳴き声に反応するのかよく鳴きます。

私も自分を奮い立たせようと派遣会社に登録したり、面接したりと
毎日忙しくしていますが街に出ると見慣れた景色に旦那を思い出し
思わず涙ぐんでは一人に見られないようティッシュで抑えたりの日々です。

札幌に住み始めてからほとんど旦那が一緒だったので
この街には旦那との思い出がありすぎて一人暮らすには辛すぎると最近感じてます。
なので田舎に戻る事を考えていました。
田舎と言っても実家があるわけじゃないので部屋を借りて一人暮らすのは同じなんですけどね。

なかなか心穏やかにとはいかないものです。
天気が悪いとつい、引き篭もりに戻りそうになる自分と戦ってます。
どうか、かばさんも負けないよう強くなれるよう祈っています。

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