空と 海と 君と 34 | Blue in Blue fu-minのブログ〈☆嵐&大宮小説☆〉

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嵐、特に大野さんに溺れています。
「空へ、望む未来へ」は5人に演じて欲しいなと思って作った絆がテーマのストーリーです。
他に、BL、妄想、ファンタジー、色々あります(大宮メイン♡)
よろしかったらお寄りください☆

 

 

《 satoshi long interview vol.3 》

 

 

初めてかず見た時、なんか不思議な気がしたの。

 

 

何が?って聞かれても困るんだけど、

なんかね、見た途端、カラダがブルブルッってなった。

 

分かり易く?

 

えと、ほら、あれだよ。

心の中にある糸を弾かれたみたいな感じ?

 

そうそう『琴線に触れる』、それを言いたかったの。

 

んふ、ここだけの話、実は、おれの下半身、反応したんだよ。

 

あ、引かないでよ。

舞子さん大人でしょ?

 

だからぁ、そんな冷たい目で見ないでよー。

 

おれだって、びっくりしたよ。

んなこと、生まれて初めてだったし。

 

別にサカってるワケでもなかったし、ゲイでもないし。

 

おれってね、性別とかよりも、中身? その個体を好きになるんだ。

 

翔ほどじゃないけど、若い頃とかどっちかというとモテてたと思うよ。

適当に付き合ったりもしてたから。

 

そう、いいなって思った個体とね。

 

 

でもね、かずはなんか違った。

 

その、琴線ってやつが、もう、ブルンブルン弾けちゃって止まらなくなっちゃって、勝手に足が動き出しそうになった。

でも、かずにはもう決まった相手がいるって翔がゆってさ、それが、隣にいた男、中学の同級生の松本だって。

 

もう、がっかり。

 

松本って、昔、翔と人気を二分するくらいのヤツだったの。おまけに今は医者だっていうし。

 

 

ああ、勝ち目無いなって思った。

その上、近々アメリカに二人して引っ越しちゃう予定だって。

 

あちゃーってなって、目の前、真っ暗。

一瞬で恋をして、一瞬で失恋した。

 

 

でもさ、遠目で横顔見ただけなんだよ?

 

そんな強い想い、…不思議だね。

 

 

その頃って、個展に向けて作品描いてた時期だったんだけど、一気に気力が萎えちゃった。

自分でもびっくりするくらい。

 

ははは、どんだけ~ってなるよね。

 

…どんだけ、かずに堕ちたんだよって。

 

かずは、おれから感情とか情熱とかそういうの全部持ってったんだ。

 

あれ? 激しく同意してるね。

そっか、その辺、舞子さんも知ってるもんね。

 

うん、酷かったよね。

心配したでしょ。

 

ふふ。

 

ちょっとして、さすがにこんなダメ人間のままじゃあなー、って思ってたころに、舞子さんにアトリエから引っ張り出されて『Sakura』に連れてかれて。

 

やるべきことをやってください!って怒鳴られて絵の前に座らされた。

 

そ、運命の日。

 

平日の午後、『Sakura』には誰もいなくて、舞子さん、どっか行って一人にされて。

 

椅子に座って、頭空っぽにしてボーッと自分の絵、見てた。

 

そしたらパタパタ足音がして誰か来たんだ。

別に気にすることなくそんままでいたら、おれと絵の間にその足音の主が入ってきた。

 

瞬間、全身硬直。

 

かずだよ。

かずが現れたの。

それもおれの目の前、2mの距離も無いくらいの近くに。

 

もうワケわかんなくて、呼吸が止まった気がした。

 

かず、絵に夢中でさ、後ろで息殺してるおれのことなんて気づきもしないの。

 

 

おれだってパニックだよ。

あれれー、外国、行ったんじゃ無かったっけー?

なんでここにいるんだー?

 

って。

 

少しして、ようやく呼吸戻って、かずの後姿見ながら、どうしよ、なんて声かける?

とかドキドキしながら考えてたら、かず、なんかヨロヨロしちゃって後ずさって、そのまま椅子にペタンって座ったんだ。

 

今度は手を伸ばせば届くとこに、かずがいんだよ?

もー、琴線、全部ちぎれて吹っ飛んだ。

 

かずがまだ気付いてないのをいいことに、おれ、ガン見!

 

相変わらずキレイな横顔で、ピンク色した頬に、ウルウルの上目遣いでおれの絵見つめてさ、唇なんか半分開いちゃって、はあはあ、ゆってんだよ。

 

可愛いやら、色っぽいやらでわわわーってなって、おまけに、前ン時には気付かなかったけど、顎の先にチョコンてホクロがあるの。

 

 

その衝撃!

 

もう、ダメ。

完全にヤられた。

 

んふ、おれ、思わず前屈み。

 

だからぁ、引かないでよぉ。

 

想像してよ。

恋い焦がれた相手がすぐ横で、ナニの最中のような工口い顔してんだよ?

反応しないのがおかしいってー。

 

いや、おれだってそう思ったよ。

このままじゃ、ただのヘンタイ親父じゃんって。

 

だから、頑張って声掛けたよ。

 

 

「…どうかしたの?」

 

 

 

…もっと気の利いたこと?

思いつくワケないじゃん、そんないきなり。

 

おれだって一杯いっぱいだったんだから。

そしたらかず、そこで初めておれに気づいたんだろうね。

 

 

「ひっ!」

 

 

とかカラダが跳ねてヘンな声だしちゃって。

 
「すっ、すみません。人がいるって気付かなくて、ヘンな声、出しちゃって…」
「ふふふっ、びっくりさせたね。こっちこそごめん」

 

もーその反応がとことん可愛くて、萌え~、ってヤツ?
んでね、また、声がいいんだ。
 
耳擽ってくような甘い声でさ。
おれ、ますます前屈み。
 
「何か、顔赤いけど…、平気?」
 
ニヤけそうな顔を必死で抑えて、でももっと声聞きたくてつまんない質問繰り返して。

 

「はい、大丈夫です」

「そっか…」

「………?」

 
そのあとも無言で穴開くかってほど見つめちゃって。
かず、ビビってキョドって、それも小動物みたいで可愛くて…
 
分かったって。先に進むよ。
 
ようやくおれのナニも落ち着いて、カラダを起こせる状態になった。
そしたら今度は、なんでおれの絵、あんなに見てたのか気になっちゃって。
 
「ねぇ、この絵、好き?」
 
それ、実はあまりいい出来じゃないと思ってたやつだったから、なおさら。
 
「おれ、何か気に入らないんだよね。なんであの百合、あんなに白いの?」
「色?」
 

って、不思議そうに小首を傾げる仕草がまた…

 

…冷たい目で見ないでってばー。

あれ? もしかして、舞子さん、欲求不…

 

っ痛てーーー!

 

そうだよ、お仕事でしょ?

おれのインタビュー必要でしょ?

文化芸術部部長としての大事な業務でしょ?

 

ふふ、んじゃ我慢して聞くしかないよねー。

 

 

答え、聞きたくて、声、聞きたくて、顔、見たくて、不躾かなって思いつつ、顔、覗きこんだ。

 

「ねぇ、どう思う?」

「ど、どうって、僕は好きです。この画家さんが、好きなので…」

 
好き…ってゆったの。
 
一瞬舞い上がったけど、あ、でも、おれじゃなくて、絵を好きってことかってなって、なんかおもしろくなくて、

 

「ふーん…」

 

ちょっと意地悪したくなった。

 

「どこが?」

 

かず、円柱際に座ってたから、グイグイ追い詰めて逃げ場失くして、

 

「どこが好きなの?」

 

 

思い切り甘い声でゆってやったの。

 
…………
 

かず、益々パニックになっちゃって、口パクパクさせてさ、

 

「ね、どこ?」

 
もっと近くに行きたくて、匂い感じたくて、肩先触れるまでくっ付いた。
 
 
だからぁ、ヘンタイじゃないって。
もう終わるから黙って聞いといてよ?
 
 
かずね、
 
「!!…なっ、なんか、すごく、工口くて、かっ、体のどっかが疼くよう、な、あっ…」

 

アワアワした口調で一気にそうゆった。
 
「…………///!!」
 
 
「…………ぶぶっ!
 

 

もうおれ、嬉しいやら、照れるやら、おかしいやらで吹き出しちゃって。

体、丸まってヒーヒー笑った。

 

そのあと、舞子さん来てくれて助かったよ。

かず、真っ赤になり過ぎて溶けちゃいそうだったもん。

 

 

おれ、急浮上。

だって、好きな相手がおれの絵を大好きって、それも、エロいって。そんな褒め言葉、言われたこと無かったし。

 

そっから一カ月と半くらいかな、アトリエに籠って一気に絵を描き上げた。

うん、最高の出来だったよ

 

かずが好きっていってくれたんだんだから、ちゃんとしたの描かなきゃって頑張った

 

そして思った。

 

 

おれ、かずとずっと一緒にいたいって。決まったパートナーがいるって知ってる。

 

 

それでもいい、声だけでも、気配だけでも感じられればって。

 

 

生まれて初めてだったな。あんな想い。

 
 
 
でも、その後、まさかの展開。
 
 
 
なんと、翔と付き合ってたなんてね。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

続く。

 

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