社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

「高齢者デイサービスにおける相談援助業務の特徴-既存臨床情報の質的分析を通して-」口村淳(2013)

2016-12-12 10:40:35 | 社会福祉学
『ソーシャルワーク研究』Vol.39 No.3

デイサービスにおける生活相談員の業務の特徴について、臨床情報を分析、整理し、検討をしている。

引用
・(本事例において分析対象とした)臨床情報一覧…①ケース記録②業務日誌③申し送りノート④フェースシート⑤通所介護計画⑥個別機能訓練計画⑦月例会議議事録
・デイサービスにおける生活相談員業務の特徴として、①利用者に関する情報の「中継役」になっている点、②在宅と施設の「橋渡し役」を担っている点、③安心・安全に過ごせる環境作りに関与している点、を見出すことができた。


 現場でうやむやになっている事柄について、その事柄を整理し、みんなに知ってもらいたいという姿勢で研究をされているんだろうな、と個人的に勝手な解釈をしている。この「現場第一」視点が個人的には好きで、この論文も一気に読みきった。
 介護職との兼任が多いとされるデイサービスの現場では、生活相談員は「新規依頼の窓口」「問い合わせの窓口」という業務に手一杯で、それのみが業務だと認識されがちであろう。しかしもう一歩踏む込んで考えていくと、それは施設と本人や家族、施設と在宅の大切なパイプ役であり、そのことによって、ニーズに合ったケアの維持、さらに向上がはかられることもある。
 認識されにくい立場にある相談援助職は他の領域にもあるだろう。頭の整理、気持ちの整理に一役買いそうな論文だと思った。


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