古代日本の歴史を謎解き

日本の古代史の謎に挑戦します。

速報 群(こおり)・倍賀(へか)遺跡調査説明会

2017-01-29 18:13:39 | 歴史
大阪府茨木市松下町
旧パナソニック工場跡地(ダイワハウス、ヤマト運輸基地 予定地)を遺跡調査
今回調査地面積 約16,500平方メートル(遺跡は、更に数倍の地域と思われる)
2016年6月から調査して、2107年1月29日13時より説明会がありました。
今回の公開は、パナソニック跡地の南四分の一程

北側(国道171号線沿い)の半分は既に調査完了、建物が建てられています。
残り南側半分の更に半分が調査完了、既に埋め戻されていました。
南側の四分の一が掘り下げられた状態で、公開されました。

特徴
1、現在の表面から2m程、掘り下げた部分で平安時代の建物跡地が見つかる。
  更に、1~20cmほど下に弥生時代中期~後期(紀元前200年~西暦100年)の遺跡が発見
  平安時代に、弥生時代の墳丘部分など高い部分を削り、平らにして、建物や墓地を新しく作っている
  二重構造でした。
  西側に図書館があります。既に調査後建築されたもので、同様の遺跡があったと云われています。
  東側は大きな物流倉庫の建物、更に東に茨木川と安威川が流れ合流しています。
  今回の調査地域では多くの墓地が発見されており、東側の建物と川の間に更に大きな建物があったのではないかと
  説明されています。
  南側には、農地が広がっていて、川から水をひいていたのでしょうか。
  かなり広域に広がる遺跡であることは間違いないようです。
2、140基の「方形周溝墓」は近畿では、滋賀の服部遺跡についで二番目、更に広い調査が行われれば
  近畿最大級の墓群の可能性がある。
3、高さ6cmほどの人型土偶が弥生時代中期の方形周溝墓から発見されました。
  両方の耳の穴が貫通しています。
4、墓壙内から3個の碧玉製の管玉が発見、近畿では埴輪を埋葬する文化圏であり珍しい。大阪府域で二例目
5、140基の「方形周溝墓」と溝で囲まれた集落跡が発見される。
  溝の中に多数の土器が発見されており、それらは使用された後が無い新品であり溝内に並べた理由が不明
6、「方形周溝墓」98より木棺の底部分が見つかり、人骨の下あごと歯が発掘、周囲は朱が見られた。
  弥生式土器類の他に、薄い石に二か所の穴をあけて紐を通して使っただろう石器もあります。
  生活に使った土器の内側では、食べ物がこすった跡、外側に火をかけた跡があります。
吉野ケ里の様な環濠集落でもないようですし、祈祷文化もなかったようです。
鉄器などの武器類もなく生活用品が出土しています。九州圏とは異なり、もめ事が少なかった地域ではないでしょうか。

7、弥生時代遺跡より上側に、平安時代中期~後期(1000~1200年程)の堀立柱建物や井戸、お墓など
  ムラの跡があります。井戸の中からは下駄も見つかります。
  屋敷近くの墓より白磁碗、短刀が見つかり、他にも緑塗りの器も発見されています。
  ここでも、3世紀ほどから9世紀までの歴史が消えているようです。
周囲の遺跡群
安威川の反対側(東側)に茶臼山古墳(450年頃) 今城塚古墳(530年頃)の大きな古墳が
茶臼山古墳が宮内庁指定に継体天皇陵、今城塚古墳がどうも継体天皇陵ではないかと新説がある古墳です。
埴輪工場跡で、これらの古墳で使われた埴輪が作られたと云われています。

どうも、この安威川流域が弥生時代(300年間)ムラの時代、古墳時代(5~6世紀)に古墳地域
平安時代に、再度、居住地域になったようです。
北側に北摂山系が兵庫、大阪から京都まで伸びており、反対側が亀岡市
皆に側に淀川が流れていて、反対側が枚方市です。
既に、高速道路、国道が通り、大きな工場やマンション、流通倉庫群で、今回、パナソニックが工場を閉鎖したので
大規模な調査が出来ましたが、今後、同じような調査が行われる期待は少ないです。

写真の奥(東側)の倉庫側に、本格的は住居の建物があったのではないかと説明をうけました。


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