何事も初めは初心者・・。

学生さんの研修というのは、初々しいものであり、お互いに恐る恐る汗・・な面もあり。

パパの「がーくせーいさーんガクガクびっくりまーく」という、本気の叫びが、ちょっと笑ってしまった1場面でした(^▽^)

その後、ベテラン指導係さんが「今日のリハビリは何点ですかね?」と聞くと、パパは「30点ですよぉアセアセ」と、辛口判定。

まず、見慣れない人に麻痺側を触られるのを、すごく怖がりますしね。

昨日も、月1の診察だったんですが、看護師さんに「血圧はかりましょう」と言われて、「右はだめですよっ!」と、予防線はってました汗

 

~11月の読書日記~

「年末の一日・浅草公園(他17篇)」(芥川竜之介/岩波文庫)

今まで芥川竜之介は、羅生門とか蜘蛛の糸とか、メジャーなものを少し読んだぐらいでしたが、今回はそれに比べると知名度の低い短編集を選びました。

何となく全体的に、侘びしい荒涼感や、俯瞰で眺めるような心持ちが感じられる気がしました。

「年末の一日」は、特に・・。これは実体験なのでしょうか、既に故人となっていた漱石のお墓を、知人と共に訪れるという話です。

年末で、世間は賑わしいのに、筆者は寂しい夢から覚めて、原稿の出来にも不満足で、何とも覇気の無い様子です。

知人に、墓を案内すると請け負ったにもかかわらず、雑司ヶ谷霊園にて迷ってしまって、慌てるやら気恥ずかしいやら、それが苛立ちに変わる様子も迫真です。

「毎年十二月九日には、新年号の仕事に追われる為、滅多に先生のお墓参りをしなかった」・・・この一文で、漱石の命日が12月9日であることと、墓参に来られなかった後悔も汲めるかと。

ラストには、北風に立ち向かうような、力を振り絞る一節も見えます。先生の面影を追い求めて、たどり着けない孤独感から、一筋の光に手を伸ばす奮起・・・と捉えるのは、考えすぎでしょうか。

後々、芥川は死の直前に一人で、漱石の墓を訪れているようです。また、その頃の彼は、芸術家岡本太郎の幼少期時代に遭遇していて「お化けガクガク」と言われてしまいます汗そのくらい憔悴していたということでしょうか。

「保吉の手帳から」という連作においては、横須賀海軍機関学校で英語を教えていた体験が、描かれているようです。語学に堪能だったという芥川先生ですので、余裕で教えているのかと思いきや、海上用語の専門的な単語はさすがに下調べをしないと大変な旨が書かれています。

「一夕話」という作品は、結構好きです。6人の中年男性が酔いながら話す内容から、ある女性の人生が浮かび上がってくる。

人生を回転木馬に例えて「我々は皆同じように実生活の木馬の乗せられているから・・・もし「幸福」を摑まえる気ならば、一思いに木馬を飛び下りるが好い」・・この台詞は2回出てきます。

「仙人」は、不思議な味わいのある作品でした。とても短い話ですが、冒頭からラストまでに20年の月日が経っているのです。仙人になりたいという、突拍子も無い純粋さを、狡猾に利用した・・と思ったら本当に仙人になっちゃった?という・・。山奥で自然と一体になるような修行ではなく、市井の中で愚直に働きながら仙人になれたというのが、ユニークでした。何度も庭の松の木が、象徴的に出てくるので、何か深読みしたいところですが、よく分かりません。

 

「道草」 (夏目漱石/新潮文庫)

小説ですが、漱石の実体験も多分に織り込まれている、半自伝的な作品でした。

主人公は健三という名。

養父母との関係について、克明に描いていて・・「夫婦は健三を可愛がっていた。けれどもその愛情にうちには変な報酬が予期されていた」とあるように、歪んだ愛情が終生、彼に暗い影を落としたような気がしてなりません。そもそも怜悧なたちに生まれついたせいか、後に離縁した養父母たちにも、ぎょっとするほど冷めた視線を向けています。「十にも足りないわが養い子から、愛想をつかされても・・」と書かれています。

それでも、完全に冷たくなりきれない、優しい面は所々に表れています。

エリート街道まっしぐらな主人公に対し、近親者が次々とお金を無心しにくるのですが・・・。

持病を抱えている姉には、「月々の小遣いをもう少し値上げしてもらえないか」と遠回しに頼まれるし、没落した養父には「育てた恩を忘れるな」とばかりに、お金を要求される。妻の父親は、かつての地位を失い、明日の衣食さえままならないような窮状。

それらに、いちいち腹を立てたり、冷ややかな意見を言ってみたりするものの、どこかに過去の恩義がくすぶっていて、冷たくなりきれないのです。

優れた頭脳を持っていることは、誰もが認めるのに、極端に自己肯定感が低いのは、幼少期の複雑な生い立ちや、お金をめぐるトラブルに常に巻き込まれがちだからなのかなぁと、想像してしまいます。

・・また、奥さんのことも随分、書いています。妊娠で不安定な精神状態を心配する一面があるかと思えば、子どもを連れて実家に戻っても全然寂しくなくて、むしろすっきり~ハロウィン♪と、冷たいんじゃないの?と思わせる面もあったり。

どうも、この作品では、かなり自分と周囲との関わりを掘り下げて、自分の、綺麗ごとだけではない心情とも向き合っているみたいです。

そして、私的に非常にツボだったのが、中盤での見事な自分ツッコミ!・・作品中の奥さんは、学問こそ無いものの、おおらかで豊かな家庭に育ったせいか、「何で夫という肩書きだけで尊敬しなくちゃいけないの?尊敬されたければ、尊敬されるだけの人物となって出てくればいいじゃないむっ」・・と主張する、いわば旧時代を脱した、もの言う女性なわけなんですね。

一方、健三は先進的な学問を学んだにもかかわらず「女の癖に!生意気な怒り」という考えから抜け出せないのです。

「女だからって、馬鹿にして・・」と言われれば「女だから馬鹿にするのではない、馬鹿だから馬鹿にするのだ。尊敬されたければ尊敬されるだけの人格を拵えるがいい。」

→→・・って、ここで、「いつのまにか細君のロジックと同じものになってる・・」と、自分ツッコミするんですよね(笑)

・・そこそこ長い小説ですが、漱石が自分のカッコ悪い所も、薄情な所もさらけ出し、「崇高なことばかりじゃないさ」と教えてくれるような、面白い1冊でした。

 

10、11月と、集中して本を読む時間が無くて、こま切れにしか読めないのが残念でした汗

眼精疲労も甚だしい、今日この頃ですが、先日、友人経由でいただいたハンドメイド・アイピローがすごく効きまして・・キラキラ

小豆が入っていて、レンジで加熱するんです。何と、温めるたびに仄かにラベンダーの香りがして、最高に気持ちがいいおぉ!

今まで使い捨ての、香りつきアイマスクを愛用していましたが、小豆入りだから絶妙に程よく重みがあって、良いのです。

 

12月16日、東急田園都市線・鷺沼駅近くで、素敵なイベントがありますよ~爆  笑詳細はこちら矢印まちかどマルシェ

 
読んでくださってありがとうございますハートハートハート