安全運転サポート車(サポカー)とは?

2017/12/28

持論・暴論 車の安全

最近になって、自動車のカタログやwebサイト上に"安全運転サポート車"とか"サポカー"といった文字を見かけるようになった。これは今年の4月に経済産業省から発表された、自動ブレーキ搭載車の新しい基準を示すものである。
サポカーは大きく2つに分けられ、全てのドライバーに推奨される"サポカー"と、特に高齢ドライバーに推奨される"サポカーS"(Sはシニア、シルバー、セーフティの頭文字)が存在する。その違いは踏み間違え時加速抑制装置が装備されているかどうか、によって判断されており、さらに"サポカーS"は追加機能のレベルによって3段階に区分されている。詳細は公式のサイトで確認してみて欲しい。

サポカー・サポカーS(安全運転サポート車)のWEBサイト

さて、ここで頭の良い人は気付いているかもしれない。
「なんで経済産業省なんや?こういうのは国土交通省の仕事やろ?」
その通りなのだが、実はこれには理由がある。実に簡単なことだ。

経産省は自動ブレーキや自動運転を早急に普及させたいが、国交省はそんなものどうでもいいと思っているから

と、言うだけのことなのだ。国交省の立場になって考えてみよう。自動車がどんどん賢くなって、都会の住宅街だろうが、田舎の農道だろうが、自律的に走ってもらっては困るのである。雪道すら恐れないマクレーAIなんて論外である。それでは省益の拡大ができないのだ。国交省の理想としては、信号機、ETC、VICSに続く第4のシステムで以て、遠隔操作で交通をコントロールするのが望ましい。そうすればアンテナも、情報センターも、よくわからない啓発団体も建て放題だ。これほど美味しいことはない。
一方で、経産省の立場で考えてみよう。まず、国内で率先して自動運転技術を普及させることができれば、それだけメーカーの開発競争が進み、日本車の国際競争力をつけることに繋がる。さらに重要なのは、高齢者に安全で確実な交通手段を与える、ということである。シニア層を労働の第一線に留めようというのが国策となっている今、しょうもない事故で免許取り消しになってもらっては困るのである。
そんなわけで、今回は経産省が関係各省庁の尻を叩く形でサポカー認定制度の採用となった。これは経産省に大拍手である。