足の気穴に点を付けてもらった王様は
川の流れを想像しながら
岐伯に言いました。
「体の中の川は
右足に六本、左足に六本あるのだな。
しかし、川幅が広ければ、
陰陽ひとつずつで、二本で足りるのではないか?」
岐伯は答えて言いました。
「いいえ、王様。
三陰経はそれぞ違う役割を担っております。
太陰経は、水門を開けて陰の気を放ちます。
厥陰経は、水門を閉める扉を持っています。
少陰経は、水門が動く心棒で微妙な調整をします。
三陽経もまた、働きの場所が違っています。
太陽経は、水門を開けて陽の気を外に出して守ります。
陽明経は、水門を閉める扉を持っています。
少陽経は、水門が動く心棒で微妙な調整をします。」
王様は体の中の川にある水門が
流れの量を調整しているのを想像しました。
岐伯は言いました。
「しかし、三陰は役割が違っても
陰としてはひとつであり、
どれか一つだけが途絶えたり
深く沈んで他の二つと離れたりしてせず、
まとまっていなければいけません。
三陽も、陽としてひとつであり、
どれか一つだけが無くなったり
浮いてしまって他の二つと連絡が切れることのないように、
まとまっていなければいけません。」