王様は言いました。
「では、前に、病の者を診るのは、
顔色を見て、目を見て、話を聞いてから、
脈を診ると言っていたが、(王様と邪のある所8)
医者は、脈を診る前に、すでに脈を予想していて、
実際に脈を触る時には、
現れている脈との違いによって、
病が治りやすいのか、治りにくいのか、
見分けることが出来るのだな。」
岐伯はこたえて言いました。
「さすが、王様、そのとおりです。
はい、医者は、
どんな病の時に、どんな脈が現れるかを
全て覚えていますので、
脈を予想してから、実際に脈を診れば、
違いから、病の重さが分かります。
頭が痛い時には、脈は短で、
足の脛が痛い時は、脈は長です。
肩から背中の痛みの時は、車軸が上にコツコツ当たるような脈です。
おなかがパンパンな時には、脈は盛緊で、
お腹に冷えのかたまりがあって痛い時は、脈は急です。
下腹に冷たいかたまりがあって痛い時は、脈は沈弱で、
わきの下に動かないかたまりがあって、お腹じゅうに広がる痛みがある時は、
脈は沈で、横(一定のリズムが無い)です。
短い息づかいで寒さと熱が繰り返す時には、脈は沈で、
痺れがある時は、脈は渋で、
熱が中にある時は、脈は緩滑です。
本人が気が付いていなくても、少陰の脈が盛ならば、
おなかに赤ちゃんがいる時の脈なので、
妊娠しているのだと分かったりします。」
前にも、脈で、おなかに赤ちゃんがいるのが
分かる話がありましたね。(王様と脈8)