王様は、瘧の邪気は

発作が起こる、三十五日も前から、体の中に入り込み、

体の深くで、横に広がっているのを想像して、

まるで、蜘蛛が巣をはるようだ、と思いました。

 

王様は、岐伯に聞きました。

 

「深くまで進んで、広がっているとは、厄介だな。

入り込んだ邪気は、それから、どうなるのだ?」

 

岐伯はこたえて言いました。

 

「この邪気と、衛気がばったり会って、合わさると、瘧の病になります。

 

邪気を見つけた衛気は、邪気を攻めて、追い出そうとします。

衛気に攻められた邪気は、陰の気にくっついて逃げようとし、

それを追いかけて、体じゅうの気が集まります。

すると、体の内、陰が実となります。

 

反対に、邪気とたたかう気が集まると

体の外では、気はいなくなるので、陽は虚となります。

 

陽明が虚する時は、寒くて震えて、顎がカタカタ鳴ります。

巨陽は虚する時は、腰と脊と頭とうなじが痛みます。

三陽がともに虚する時は、陰に気が集まりすぎて、陰のひとり舞台です。

陰のひとり舞台になると、骨が寒く痛みます。(寒がりの王様3

こうして、内から寒が生じるので、

瘧の発作のはじめは、中も外も寒くなるのです。」