【相談】修学旅行の班編制について | 中学理科教師のつぶやき

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中学校理科教師として25年。ひとつの意見として、ここに私の日々考えたことを記録していきます。同業の方、現役生徒、現役親御さんとのネットでの交流もできるといいですね。

 

中3男子を持つ母さん から修学旅行の班編制に関する質問がありましたので回答します。

 

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息子のクラスにも指導に従わない生徒Yくんがいて、その子の母親は担任の指導に非協力的です。再来週にある修学旅行で同じ班になり、トラブルがあって困っています。

 

問題行動を起こすYくんは、授業参観でもマイペース振りを発揮し、あぁ~早く授業終わらないかな。先生、何時に終わるの?と勝手に発言して、教室を出ていくことも多々あります。担任はたしなめる程度の注意で怒ったりしません。保護者が問題のある人(反社会的なお仕事だという噂)で、どの教科の先生もYくんが問題行動をしても注意をしないそうです。(子供が話していると保護者からの情報)

 

先週も、担任の授業中にYくんが問題を起こし、注意を受けたYくんは携帯で母親を呼び出し、担任はクレーム対応のため授業を中断し、自習となりました。そこでYくんの母親が修学旅行には行かせないと決めたようです。

 

女子4人男子2人の班でしたが、息子はYくんから修学旅行を欠席するからと言われ、女子4人+息子で班行動になります。

 

班のメンバーは担任と班長たちで決め、Yくんを上手にコントロールできる女子が班長となり、女子が比較的話しやすい男子として息子が選ばれたようです。しかし、息子はYくんとは仲がいいわけでもなく、女子と気軽に話すような性格でもありません。女子4人の後ろをとぼとぼと下向いて歩く息子を想像できます。Yくんは女子4人の中に1人でいてもコミュニケーションが取れる子ですが、息子は苦痛なタイプです。

 

息子へ、他の班へ移動したいと言えば?と促したら、もういろんなことを決めていて変更できない時期だから言っても無駄。もし、他の班に移動できてもあいつだけズルいと思われるのも嫌だ。我慢する…と、息子が自分の意見を言わず、我慢する性格を見越しての配置だと思います。

 

担任の生徒指導を失敗したために、Yくんは修学旅行を欠席する事になり、そのトラブルに巻き込まれ、女子4人の中に男子1人で班行動しなくてはならない息子が不憫です。せめて、もう1人男子を配置するか別の班へ移動させて欲しいです。

 

Yくんが修学旅行に来れば、旅行中の行動が心配です。せめて、他の班と合同で班行動したりするのはわがままなのでしょうか?

 

息子が男子1人で班行動しなくてもすむように事前に何か良い対策はないでしょうか?

 

また、くすまる先生ならどのようなアプローチをしますか?

 

**相談ここまで*************

 

>中3男子を持つ母さん
コメント相談ありがとうございます。返信が遅くなり申し訳ありません。
 
まず、お母さんのいう「わがままでしょうか」ということに関しては、わがままではないと思いますし、子どものことを考える親なら当然出てくる考え方だろうと思います。合同班行動も、合理的な一案であろうかとも思われます。
 
しかしながら、修学旅行でどのようなグループを組織し行動するかを決めるのは、先生と生徒。息子さんが「もういいや」と言っているのであれば、それが最終的な結論であり正解答であろうかと思います。
 
親心として、子どもの心配をし、何かサポートできないかと考えるのは当然ですが、学校は息子さんのテリトリーであり、その中の行事であれば息子さんに任せるのが賢明です。
 
まわりから見ると、息子さんが不憫に感じるかもしれませんが、息子さん自身はどのようにこの状況を捉えているかわかりませんよ。大変な班の一員として選ばれたときから「彼ならトラブルがなかろう」という先生、班長の期待や信頼があったわけですし、修学旅行の計画準備が進んでいる中、息子さんもそれに応えようとそこにいたはずです。
 
息子さん自身が、先生に抗議し、学級に訴えを起こしたり、不登校に陥る、登校拒否するなどの具体的な行動を起こして、それに誰も耳を貸してくれないとか言うなら親さんの「どうなってんだ?」という抗議もありでしょうが、そこまでいっていないなら、親さんの口出しは慎重にいきましょう。
 
息子さんは、自分の希望、利益(気の合う友達と行動できるなど)と、学級や班の利益(面倒が起きない)、自分の希望を表明するリスク(ずるいとか言われそう)を天秤にかけて、今の状況を選択しているはずです。
 
親さんとしては、家庭の中でいろいろアイデアや意見を息子さんに言うのは良いと思いますが、息子さんを飛び越えて学校へ意見すると、息子さんの目論見や計算がくるってしまうこともありますから、やはり、最終的な結論は息子さんにゆだねるのがよろしいでしょう。
 
息子さんの愚痴が出るなら、それを聞いてあげて、現状を打開するための行動を勧めてみたり、行動を起こす気が無いようなら、息子さんの我慢や妥協が、平和で有意義な修学旅行を支えていることを伝えてあげましょう。みんなの都合や利益のために犠牲になっている被害者にだけはならないように、息子さんの存在価値を再評価してあげると良いですね。
 
私が担任であっても、Yくんがそのような特殊な事情にあるなら、同じような経過をたどると思います。もちろん、班長さんや男子の合方とはよく話し合いますけどね。どう考えているのか、男子一人で問題はないか。その上で、最終的な結論を出すと思います。
 
正直、修学旅行は「思い出に残る」とはいうものの、気のあった家族や友達との旅行ではありませんので、どっちに転ぶかわからないものです。修学旅行が良い時間だったのか、苦痛の時間だったのかは、そのときばかりでなく、時間がたって大人になってからも変わりますので、今のところは、息子さんに任せる、それを応援する。で、よろしいかと思います。
 
参考になりますでしょうか。
 
追加の情報や状況が変わったときは、またご相談ください。