株の窓口THE相場勘 ~世界の動きと今晩の注目内容~

昨晩の米国市場は、中国・人民銀行の今年下半期の明るい経済成長見通しを受けて続伸。1987年10月16日・NYダウが22.6%下落したブラックマンデーから節目の30年目と言うこともあり、慎重に見る投資家もいたのか、一時マイナスに転じたこともありました。ですが、今晩決算発表を予定しているモルガン・スタンレーやゴールドマンサックスに決算期待による買いが膨らみ、決算期待が市場を支える形となりました。

先に発表のあったシティグループ、バンク・オブ・アメリカの決算では、全体的には市場予想を上回る決算内容ではありましたが、トレーディング収入が減少したことを嫌気してか、もしくは出尽くし感からか、結果的には売られました。今のところ、ゴールドマン、モルガンのトレーディング収入見通しも厳しいものと見られていますが、両者とも先に発表したシティやBofAのように、別分野で埋め合わせが出来ているのかに注目しています。または、良い結果であっても、出尽くし感から利益確定に押されることがあれば、今回の決算発表を期に米国は一旦は調整局面入りする可能性もあるかもしれません。

今現在の懸念材料と言えば、英国のEU離脱問題で、英国がEUに支払う資金で折り合いがつかない状態であることに加え、スペインではカタルーニャの独立問題も出てきています。昨日伝えられたところによると、スペイン政府がカタルーニャ州首相に対し、『19日までに独立の主張を取り下げなければ自治停止措置を進める方針』を示しており、一連の流れに結果が出るまでは、決算期待で買いはあるものの、様子見ムードが強まる可能性もありそうです。

その他、中国では、9月生産者物価指数が前年比プラス6.9%と良好さを確認する経済指標が出たにも関わらず、大手ハイテク企業が弱い利益見通しを示したことから、IT関連企業の網宿科技がストップ安するなど、ハイテク株に失望売りが広がりました。

世界経済が全般的に上昇基調であるとの見方が大半ではありますが、世界全体の株価が上昇する中、全面高と言うよりは、やはり個別中心物色が今後も続きそうです。

日本でも今月末から本格的な決算発表が始まりますが、これまで期待先行での
上昇が続いており、アナリスト予想が高かったり、期待感が強い銘柄に対しては
注意が必要かもしれません。