彼女は毎日、護符に語りそして護符を愛した。

何故なら彼女には今はそれしか拠り所がなかった。

時々押しつぶされそうな不安や、欣一に対する愛情を確かめたくなる気持ちが働き、電話で彼の声を聞いたりメールで意思の疎通を諮りたいと思うときが押し寄せて、誘惑にかられてしまいそうになったが、そんなときには護符を握りしめたり護符に話しかけたりして耐えた。

不思議なことに、護符はそんな時に最大の力を貸してくれたのだ。

「もう少しだから頑張れ!」

護符が、そう語りかけてくれてるようなそんな気持ちになったのだ。

そんなこんなで半年経ったある日、公衆電話から電話が入り、それは彼からだった。

「無事に離婚成立したよ。彼女はただただ、子どもが欲しくてお付き合いしていた男性との子どもができたから別れてくれと言われたよ。驚いたけれど僕も人のことは言えない身だし、でも彼女の方が先の不倫で救われた気持ちになった。」

風子は彼の声を聞きながら、護符を胸に当てて泣いていた。

こうして風子の恋は護符の力で実ることとなった。

護符は、願いが叶ったらお焚き上げをお願いし、そして恋の悩みに苦しんでる人に伝えてあげることで、護符に対して恩返しができる。

そんなことが書いてあるのをどこかで見た。

私の護符の物語はこれで終わりだけど、恋の悩みで苦しんでる方に、護符が知れ渡ることを祈ってます。
 
 

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