親父と息子の口喧嘩(空き家 16年後に2160万戸 住宅の約3割に) | 親父と息子の口喧嘩

親父と息子の口喧嘩

ある親父とある息子が、社会の色々な事柄について論じます。
こんなことを考えている親子もいるのかと、ぜひぜひ少し覗いてくださいな。

親父「人口減少を背景に全国的に増えている空き家について、今後、活用や解体が進まなければ、その数は16年後に2160万戸に達し、住宅のおよそ3割が空き家になるという予測を民間の研究所がまとめたそうだ(NHK NEWS WEB 6月25日 16時37分)。

持ち家はもはや、子孫に残す財産ではなくなったんだね。

今のうちにもっと国民的議論を広げて、中古住宅の活用を考えていかないと、そのうち一大社会問題化するぞ。」

 

 

親父「全国の空き家の数は、総務省の直近の調査では4年前の2013年に820万戸に上り、住宅に占める空き家の割合は13.5%となっていたそうだ(同上)。

こうした調査を基に「野村総合研究所」が行った予測によ.ると、今後、空き家の活用や解体が進まなければ、空き家の数は16年後の2033年には2166万戸と2倍以上に増加し、住宅に占める空き家の割合もおよそ3割に達するとしているそうだ。

3割とは恐ろしい数字だな。」

 

 

息子 「解体しないといけないような空き家もあるが、もちろんまだまだ人が住める空き家もある。

 

だけども残念ながら、GDPを意識した資本主義の下では、それでも新しい家を建て続けなければいけない。

 

その辺りもちょっと考え直さなければいけないのかもねぇ。」

 

親父「そうだな。

新築住宅の建設を抑える仕組みが必要になるな。

空き家が増える理由は、今後、人口減少に伴って世帯数も減少することに尽きる。

それにも拘らず、金融機関は民間アパ-トの建設資金をせっせと貸し出している。

相続税対策などと煽り立ててだ。

こんなことを続けていては、『鬼城(グイチェン)』が乱立する何処やらの国を笑えなくなるな。」

 

親父「空き家の増加は防災や防犯の面での大きな問題を生じさせる。

だから、この研究所では、空き家の解体や住宅以外への転用を促す仕組みや、新築の住宅の建設を抑制する仕組みの導入が必要だと指摘しているそうだ。

当然の指摘だな。

先ず廃墟に近い荒れ果てた空き家の解体を急ぐ必要がある。」

 

親父「人口減や世帯数が減少して居住家屋が不用化しても、同時に家が解体されるとは限らない。

だから、空き家は増えていくのだ。

親世代が高齢化しても、子供と同居する世帯は少ない。

親は子供に負担を掛けまいとして、自活できなくなったら、自ら介護施設に入る途を選ぶことになる。

したがって、実家が空き家化する可能性は増えるばかりだ。」

 

親父「これは日本独自の風潮なのか、とりわけ新築物件対するニーズが高い。

売買においても賃貸においても築年数の浅い物件の方が好まれる風潮が顕著だ。

 古くなった空き家ほど需要が小さくなり、それだけ活用が限られてしまう傾向がある。

そのため中古物件が市場取引から取り残されてしまいがちだ。」

 

 

息子 「外国でしばらく住んでいて、やはり日本人と違うなぁと思うのは、車や家を長く使う(住む)ことだ。日本人は良いのか悪いのか、比較的早めに乗り換える傾向があるな。

凹んだ車に乗っている人も、日本ではあまり見かけない。

 

まぁ最近は少し変わってきたかもしれないがね。」

 

親父「近世日本の大都会、例えば江戸などでは、木造の家屋が密集していたため火災には極端に弱かった。

だから、家屋は消耗品だという観念が植え付けられてしまったんじゃないかな。

石造家屋に何百年も住み続けるという西欧とは異なった家屋観が養われたんだろうね。」

 

親父「ところで、空き家には、『売却用』、『賃貸用』、『二次的住宅(別荘等)』、『その他』の4つの類型があるとされている。

 このうち特に問題となっているのが、空き家になったにも関わらず、買い手や借り手を募集せず、放置されている状態の『その他』の空き家だ。

このケ-スの空き家の大半は木造戸建てだ。

もちろん、居住しなくても適切な維持管理を行っていれば問題はない。

しかし、放置期間が長期化すると、倒壊の危険も増すし、不審者侵入や放火、不法投棄の危険性も大きくなる。

空き家全体に占める『その他』の空き家の割合は、2013年には39%に達しているそうだ。」

 

 

息子 「へぇ。まぁどういう経緯か分からないが、住んでいなければ適切な維持管理も難しいだろう。

 

まぁ税金のシステム変更が必要かもしれないな。空き家をつぶして更地にすると、固定資産税が一挙に6倍になるそうだ。

 

6倍だよ、6倍。逆に言えば、この変更さえすれば、空き家問題は一気に減るだろうなぁ。」