親父と息子の口喧嘩(非常に強い「長周期地震動」 過去21年間に6地震で観測) | 親父と息子の口喧嘩

親父と息子の口喧嘩

ある親父とある息子が、社会の色々な事柄について論じます。
こんなことを考えている親子もいるのかと、ぜひぜひ少し覗いてくださいな。

親父「超高層ビルなどを大きく揺らす『長周期地震動』のうち、建物の構造に被害を及ぼすおそれのある非常に強い揺れが、過去20年余りの間に6つの地震で観測されていたことが、専門家の分析でわかったそうだ(NHK NEWS WEB 9月1日 5時37分)。

彼はリスクを認識し、対策を検討する必要があると指摘しているそうだ。」

「あべのハルカス」の画像検索結果

 

親父「『長周期地震動』は、高い建物などを大きく揺らす周期の長い揺れで、6年前の東日本大震災では、震源から遠く離れた東京や大阪などの超高層ビルが10分以上揺れ続けたそうだ(同上)。」

 

親父「このときは、ビルの柱などの構造に被害は出なかったが、筑波大学の境有紀教授が去年5月までの21年間に震度6弱以上の揺れを記録した全国の512の地震計のデータを分析したところ、全体の4%にあたる21の地点で、ビルの構造に被害を及ぼすおそれのある非常に強い『長周期地震動』が観測されていたことがわかったそうだ(同上)。」

 

親父「ところで、気象庁のHPには次のような記載があるな。

・・長周期地震動って何?

地震が起きると様々な周期を持つ揺れ(地震動)が発生します。 ここでいう「周期」とは、揺れが1往復するのにかかる時間のことです。

 南海トラフ地震のような規模の大きい地震が発生すると、周期の長い ゆっくりとした大きな揺れ(地震動)が生じます。このような地震動のことを長周期地震動といいます。・・」

 

「ビルの耐震補強」の画像検索結果

 

 親父「建物には固有周期がある。

つまり、どの建物も固有の揺れやすい周期を持っているのだ。

 『地震波の周期と建物の固有周期が一致すると共振して、建物が大きく揺れます。

高層ビルの固有周期は低い建物の周期に比べると長いため、長周期の波と「共振」しやすく、 共振すると高層ビルは長時間にわたり大きく揺れます。 また、高層階の方がより大きく揺れる傾向があります(気象庁HP)。」

 

親父「元へ戻るが、この非常に強い『長周期地震動』が観測されたのは、地震の数でいえば、は合わせて6つで、平成15年の十勝沖地震など沖合のプレート境界で起きる『海溝型地震』に加え、去年4月の熊本地震や平成16年の新潟県中越地震などの『直下型地震』も含まれているそうだ(NHK NEWS WEB)。」

 

親父「境教授によると、非常に強い『長周期地震動』が高さ120メートルの鉄骨造の超高層ビルを襲った場合、柱が変形するなど、構造に深刻な被害が出るおそれがあるということだ(同上)。」

 

親父「ではこれまで大きな被害が報告されていないのは何故かという疑問が浮かぶが、境教授は『これまでは非常に強い長周期地震動が観測された場所に、たまたま超高層ビルがなかったため深刻な被害が出なかったと考えられる』と述べ、今後はリスクを認識し、対策を検討する必要があると指摘しているそうだ(同上)。」

 

  親父「2012年3月、内閣府は『あらゆる可能性を考慮した最大クラスの巨大地震を検討すべき』という考え方に基づき、近い将来起こるとみられる地震の規模や災害範囲などを公開したな。

ここで、想定されたのは、駿河湾から四国南部に伸びる「南海トラフ」に沿った地帯で起こる巨大地震だ。」

 

南海トラフに沿った巨大地震の震源域(2012年3月内閣府発表による)

 

親父「南海トラフ巨大地震による地面の揺れは長時間続くはずだ。

そして、揺れは遠方へと拡散していく。

東京、名古屋、大阪などの大都市部は震源から遠く離れているが、平野部に立地している関係で、地下の堆積層が揺れを増幅してしまう。

だから、地面はゆっくりと大きく、それも長時間揺れ続ける。」

 

親父「南海トラフ巨大地震が発生しても、今のところ、一般的な超高層ビルは倒壊することはないとされている。

もっとも、建物の内部の損傷を最小限に防ぐためには、ビルの揺れを抑える必要がある。」

 

親父「制振ダンパーを設置すると、超高層ビルの揺れはかなり抑えることができる。

制振ダンパーは、柱や梁の間などに取り付け、地震時に伸びたり縮んだりすることで建物の揺れのエネルギーを吸収する仕組みになっている。」