雪がふる | 呑気じじいのひとり言

呑気じじいのひとり言

不思議な時代になっちゃった!

山陰も雪国だった。

 
大阪から、此処、母の田舎へ住んで、
吹雪の夜はどこから入るのか、
寝ている顔に粉雪が。
 
思わず布団にもぐる。
 
こたつは、炭火に灰をかぶせて、
木枠の函にいれたもので、
蹴飛ばすと大変。
 
 
雪だるま
 
 
もうあちこちで雪の便り。
・・・思い出すなぁ。
 
農家は冬の間は仕事が出来ない。
 
”となりのせがれは、よう働くなあ”
と母が言う。
 
 
わら
 
トン   トン   と藁を打つ音が聞こえる。
 
積雪の静寂のなかに。
 
”お前も藁打てや”
 
土間におりて、仕方なくボクも。
 
囲炉裏の火が赤い。
母が灰をかき出してその中に、
さつま芋をいれて。
 
2 、 3束打ったら焼けるからな。
 
 
どこの家もこの石がある。
 
一束の藁を
玄武石の上におき左手でまわしながら打つ。
 
打つ槌(つち)は円筒形の木製で、
普通のトイレットペーパーの1.5倍ぐらいの太さに、  
真中に柄がついている。
ちよっと重い。
 
固い藁が柔らかくなるまで。
結構きつい仕事。
 
これで、草履・藁ぞうりを作る、なん足も。
 
雪のない春から、
このぞうりが普段のはきものになる。
 
 
そうだ猫もいた。
まるくなって、母の横に。
 
名前も、ミ-だった。
 
 
となりの藁打ちが終る。
 
ボクの打つ音だけ。
 
2束打ってやめた。
くたびれた。
都会育ちは弱い。
 
 
あつあつの焼き芋がうまい。
 
吉幾三の歌じゃないが、
その時代、テレビはねえ  電話もねえ。
 
あるのは‥音の悪いラジオだけ。
 
それもない家があり、
「浪花節があるよ、落語があるよ」で、
ない家の人が聞きに来る。
 
囲炉裏を囲んで、茶をのみながら。
 
これが冬の日の娯楽のひととき。
 
いつの話 ?
どこの国の話ですな、今では。
 
7~80年前の山陰の寒村の話でした。
 
 
<画 teruji>

 

 

 

 

 

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