<地裁福山支部>過酷研修で障害 サニックスに賠償命令

2018年02月22日 | 事件
<地裁福山支部>過酷研修で障害 サニックスに賠償命令
2/22(木) 20:20配信 毎日新聞
 ◇「研修内容に無理」 1592万円の支払い命令

 20キロ以上歩くなど過酷な社員研修で足に障害が残ったとして、太陽光発電設備などを手掛ける「サニックス」(福岡市)に元社員の男性(52)=広島県福山市=が約2200万円の損害賠償を求めた訴訟で、広島地裁福山支部は22日、サニックスに1592万円の支払いを命じた。金光秀明裁判官は「年齢や運動経験を全く配慮せず、研修内容に無理がある」と述べた。

 判決によると、男性は2013年に入社し、福岡県宗像市の同社施設で13日間の研修に参加した。当時48歳で体重が101キロあったが、10人の班で繰り返し歩かされ、終盤には「サニックススピリッツ」と称して24キロを5時間以内で歩く訓練を課された。

 会社側には「一人でも離脱したら班全体が失格」「正社員になれない」などと言われ、男性は鎮痛薬を飲んで完歩。しかし、右足の膝が動きにくくなる障害などが残り、男性は14年に退社して労災認定も受けた。

 同社は「症状の原因は痛風」などと主張したが、金光裁判官は無理な歩行が原因と判断。その上で「研修参加者の外出を禁じ、病院を受診する機会を奪っている。『スピリッツ』は個人差や運動経験の有無に全く配慮していない無理があるプログラム」などとし、後遺症による逸失利益や慰謝料などを支払うよう同社に命じた。

 同社は取材に対し「安全配慮をしていたという認識に変わりはない」と述べた。【松井勇人】
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