野口のタネ・野口種苗研究所代表 野口勲さん
 
全国の在来種・固定種の野菜のタネを取り扱う種苗店を親子3代にわたり、
埼玉県飯能市にて経営。
伝統野菜消滅の危機を感じ、固定種のインターネット通販を行うとともに、
全国各地で講演を行う。
著書に 「 いのちの種を未来に 」 「 タネが危ない」
共著に「固定種野菜の種と育て方」等。
家業を継ぐ前には、漫画家・手塚治虫氏の 「 火の鳥 」 初代担当編集者を
つとめた経歴を持つ。

 

 

種を未来に残す為に

 

雄性不稔のタネと同様に安全性に疑問を持たれていたのが、遺伝子組み

換えのタネですが、こちらはあまりにも、消費者から評判が悪くなってしま

って、ヨーロッパの方ではもう遺伝子組み換えのタネを受け入れている国

はスペインだけになってしまいました。

 

それでモンサントのような巨大タネメーカーも、遺伝子組み換えからは手

引き始めています。

アフリカの貧困国援助?のためだけに、タネを作っていても仕様がないと

いうことで、最近モンサントが新たにはじめたことが、日経サイエンスでは

組み替えなしで高速育種 」 、WIREDでは 「 完全野菜 」

というタイトルで紹介されています。

 

これからはこれだと、モンサントが一生懸命進めようとしているのですが、

交配技術で作るということは、雄性不稔で作っているのではないかと。

 

ミトコンドリア異常で、子孫をつくれない野菜を交配して作ったF1の野菜

完全野菜と称して、世界中にばらまこうとしているのではないかと懸念して

いるんです。

 

( モンサントの遺伝子組換え野菜に反対するデモ )

 

タネが採れないということは、タネを盗まれないということ。

自社の技術を独占できるということなんです、こんなに簡単なことはない。

 

遺伝子組み換えというのは花粉にまで遺伝子が含まれていますから技術

を独占できない。

誰かがタネを採ろうと思ったら取れてしまう。

だからいまは特許で縛っています。

 

雄性不稔にすれば、花粉そのものがなくなるから、タネが盗まれる心配は

ない。

タネさえ持っていれば独占できる、大もうけできるわけです。

昔は、世界で何億人もの農家たちが、みんなタネ採りをやっていたから、

タネを支配しようなんてことはできなかった。

 

しかしタネは買うものになったら、種苗会社を吸収してどんどん大きくして

モンサントみたいな巨大企業になって、タネを独占すれば世界の食糧を、

支配できる、つまり世界を支配できるんです。

 

私もよくタネ屋なのになぜ自家採種をお客さんに勧めるんですか、と聞か

るんです。

タネを売って儲けるだけなら、こんな商売はしていません。

 

自家採種して一軒だけでも自分の家族は健康に育てたいとタネを採って

くれていれば、もし世界中のタネがモンサントに独占されたり、そのタネの

せいで、人類が滅亡するとなったときに、日本中の家庭菜園のどこかに、

固定種のタネが残っていれば、その健康なタネを元にして、また増やす事

ができる。

 

もう一度人類を復活させることができる。

のために固定種と在来種のタネの販売を続けているんです。

 

 

タネを残す 「 ノアの方舟 」 は機能するか?

 

いまビル・ゲイツなどがノルウェー国家と一緒になって

「 最後の審判の日のための種子 」 と称して、もしも人類が滅亡するような

時があったら、そのタネで生き抜こう、という目的のためにタネの保管庫

作りました。

それは、零下18度から20度で冷凍保存されたタネは1000年でも2000年で

生き続けるという学術論文に基づいて行われていて、その論文を書いた

日本の農水省のジーンバンクです。

 

ジーンバンクでは1980年代に、このまま雄性不稔のF1が増えていったら

日本のあちこちにある在来種が消えてしまうと危惧して、それで日本中の

種子屋が協力して種を集めて保存しているんです。

そこでは、ただタネを保存しているだけじゃなくて、各県の園芸試験場や、

育種団体、種苗会社などに新しいタネをつくる素材として譲ることもして

います。

 

保存庫からタネを出すとき、零下18度からいっぺんに外に出すと体内の

水分が膨張して、タネの細胞を殺してしまうので、ゆっくり常温に戻して、

それを数グラム5000円で分けてくれる。

しかし、ある種苗会社から聞いたのは、筑波のジーンバンクからF1品種

の菜っ葉をつくろうとして十何品種手に入れたけど、芽が出たのは一つ

だけだったよと。

 

理論上は1000年でも2000年も生きてるはずですが、たかだか30年くらいで

タネが死んてしまう。

要するにタネの持っている生命力、代謝を止められた生命というのはそんな

に長く生きるもんじゃないということです。

その理論に基づいてノルウェーでやってるんだから、あれはおそらく壮大な

無駄遣いになるでしょう。

ホームページによると大根だけでも500種類位、だいたい1種類500粒くらい、

うちで売ってる一袋の分量しか保存されていない。

 

筑波のジーンバンクでも最初の理想としては、ただ一カ所に保存するんじゃ

なくて、10年か20年たったら、筑波の畑に蒔いて、もう一度タネを更新して、

また保存するという決まりでした。

 

いまは委託先の団体が、タネの更新をしているみたいですが、それがノル

ウェーになると氷河の下に穴を掘って保存しているタネ。

たかだか一種類500粒くらいのタネを更新しようとしても外は氷の世界だし、

ただただムダに保存しているだけだと思いますね。

 
 

タネを残すために、私たちにできること

 

一時期のEUでは、EU内各国で農作物の、共通の価格を維持するために、

国に承認されたタネしか売買や流通ができなくなり、各国の政府の審査と

認可が必要になりました。

 

イギリスだと1品種あたり70万円の認可料で、特にフランスでは勝手にタネ

を採って流通させたら罰せられるという状況になった。

 

自家採種したタネを交換した罪で、多くの農家が投獄されましたが、最近

緩和されたようです。

その理由が、認可された新しいタネの野菜より、昔の野菜の方が美味か

った、流通する品種が減ることは生物多様性の上で問題であると。

 

フランスでは4000〜5000人規模の 「 ココペリ 」 というタネを交換する団体

があり、タネを自由に売買できないので、会員制の組織を作って年会費を

払って、カタログに載っているタネを会員が無料でもらえる仕組みができ

ました。

育てた野菜は流通させずに自家消費して、採ったタネをまた会に送り返す

そのようなやり方で多様性が維持されています。

 

植物というものは本来変化していくべきものなんです。

生命にとって 「 変化 」 は重大なテーマで、環境が変わったら自分も変わら

なければ生き続けられない。

植物というのは自分で歩けないので、根が生えた世界を生きるしかない。

 

人間にとって、神経や脳にあたるような思考する器官、自分の育っている

環境を判断する能力は根の表面にあって、根を張ったその土地に合った

子供をってそれが花を咲かせて、また同じ土地に落ちてまた育っていく。

その土地の環境にあった体に変わっていくんです。

 

自家受粉性の植物でも土地が変化すると、土地に合わせてどんどん変わ

っていきます。

だから人間が品種を変えるまでもなく、植物自身が変わっていく力を持って

いるんです。

 

私はタネ屋を継ぐ前、手塚治虫の漫画編集の仕事をしていました。

彼のテーマ、作品の根幹は生命。

命をつなぐこと、地球の環境と生命を持続させることでした。

このタネ屋のテーマも同じです。

 

このままだと、世界はお金持ちや、大企業の思う方向に進むだけであって、

その中で私たち個人が生き延びるためには、自分でタネをまいて野菜を育

てて、それを食べて、自分でタネを採って、それを自分の子供に、繋ぐし

ないと思っています。

 

それをやるかやらないか、それはあなたがたの問題です。

うちはタネを提供するだけです。

 

そして一度買ったタネは二度とうちから買わないでほしい。

タネをちゃんと採って欲しい。

あなたの土地に合ったタネを育てて欲しい。

 

それが野口のタネの営業方針です。

 

 

 

モンサントと言えば有名なのが、除草剤のラウンドアップだが、欧米諸国

では販売禁止の国が多いと聞いたが、日本はテレビで堂々とCMを流して

堂々と売っている。

 

雑草を邪魔だというだけで根絶やしする薬剤が、人体に何の影響も無

筈が無い。

殺虫剤もそうだが、虫を殺したり、草木を根絶やしするものが人間にだけ

無害だと思う人間の傲慢な無知。

 

 

>ビル・ゲイツなどがノルウェー国家と一緒になって

「 最後の審判の日のための種子 」 と称して、もしも人類が滅亡するような

時があったら、そのタネで生き抜こう、という目的のためにタネの保管庫を

作りました。

と、あったがビル・ゲイツは

「 ビル・ゲイツのワクチンに堕胎薬が発見される 」

( ビル・ゲイツは代表的人口削減推進家として有名  )
「 インドがビル・ゲイツの不法な癌ワクチン・テストの結果、彼との絆を絶つ 」

などのきな臭い話が多く、人類生き残りの為に真剣に考えているとは、今

信じ難い。

 

 

 

 


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