【旗竿地のメリットとデメリット】断言します。旗竿地はお宝の土地に変わります!

不動産価値として低くみられる「旗竿地」ですが、筆者自身が旗竿地で家を建てることになり、実際に住んでみるとデメリットよりもメリットの方が多い事に気づいてきました。

旗竿地のメリットを知らないと必ず後悔します。予算が限られているなら尚更です。大切なことは、良い旗竿地と悪い旗竿地を見抜く力です。その見抜く方法もご紹介します。

断言します。旗竿地は選び方と建て方に注意すればお宝の土地に変わる可能性が高い土地です。

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旗竿地のメリット

旗竿地のメリットは大きく3つあります。

  • 土地の値段が安い
  • 防犯性とプライバシーが高い
  • 道路に面していないから静か

旗竿地は土地が安い

旗竿地最大のメリットは土地代の安さでしょう。

同じ金額を出せるなら一般的な土地よりも一回り大きな土地を購入することができます。

同じエリアでも旗竿地だと評価価格が若干低いため、同じ予算であれば大きな土地を購入できます。

おおよそ2割減くらいで購入することが可能です。土地にもよりますが、2割だと300万円~600万円くらいのコストカットが可能です。

防犯性とプライバシーが高い

意外かもしれませんが旗竿地は「防犯性が高い点」と、「プライバシーが確保されている」こと。

道路に面しているとどうしても外部の不特定多数からの視線が気になりますが、中に入り込んだ旗竿地ならそういった不特定多数の視線を気することもありません。

逆に土地が広くない角地は窓が道路に面する間取りが多いため、意外と視線を感じることが多いです。狭い角地の家では恐らく窓は締めっぱなしになるでしょう。

また、玄関までのアプローチ(竿部分の土地)は隣家の目があるため、侵入者を拒むことが期待できます。

防犯性を高めるには家を隠すように建てずに、アプローチから見えるように建てることが重要です。

道路に面していないから静か

旗竿地は道路から少し奥まるため、比較的静かに暮らすことができます。

筆者の家も旗竿地で目の前がバス通りになっていますが、正直うるさいと感じた事はほとんどありません。

夜中のバイクの反響音はさすがにうるさいと感じますが、大通り特有の騒音からはかなり守られるはずです。

旗竿地のデメリット

旗竿地のデメリットは大きく4つ

  • 解体費用が高くなる
  • 圧迫感を感じやすい
  • ライフラインの引き込み料が高くつく
  • 駐車しにくい

解体費用が高くなる

解体費用にお金が余分にかかる場合があります。

解体重機が入ることができれば問題ないのですが、入ることができなければ手作業での解体になるため、通常200万円が相場の解体費用が400万円~500万円になることもあります。

その境界線は、間口が2.7m以上あるかどうか。

小型の重機が入るギリギリの間口が2.7mになってくるからです。

売却も視野に入れて購入する場合は、土地の間口にも気をつけて購入しましょう。

隣家の圧迫感を感じやすい

旗竿地の特性として全方位が家に囲われているため、隣家が近いと圧迫感を感じやすいです。

よく旗竿地のデメリットに隣地と近く窓を開けて生活できないや、生活音が気になるとおっしゃる方もいますが、そんなことは一般的な土地でも一緒のことです。

隣地の家からどれくらい離れて家を建てられるかはどの土地もそう大して変わりません。(小さい旗竿地なら話は別ですが・・・)

ライフラインの引き込み料が高くつく

家を建てる際に余分に費用が掛かる事もあります。

例えば、ガス水道などのライフラインの引き込みは、家までの距離が長い分余分に費用が掛かってしまいます。

たとえば水道管は、水道量を測るメーターボックスから家の水回りまでの水道管引き込みが建設費用に含まれます。

工事費用の目安としては、1mの引き込みに1.5万円ほどかかると言われます。アプローチが長くなる分だけ、この費用がかさむというわけです。

また電線を敷地内に引き込むための費用もかかります。一本の長い電線を道路から建物まで引くことが出来なければ、途中に引込柱を設置しなければなりません。原則として最長40mと決まっているので、もしアプローチがそれ以上の長さであれば柱が必要になるでしょう。

駐車しにくい

後述しますが、旗竿地での駐車は横幅が狭い分やはり駐車しにくいです。

駐車場が縦列駐車になるため、出し入れがかなり面倒くさいです。

旗竿地の駐車場

旗竿地に駐車場を設ける場合大きく分けて2つ。

土地が大きいのであれば車を敷地奥まで乗り入れて駐車する方法が一つ。

敷地内でゆっくり駐車できるので、運転が苦手な人にも安心のプランニングです。

ですが、そんな大きな土地は滅多にお目にかかれませんし、そんな大きな土地を買えるなら旗竿地以外も買えることでしょう。

そこで主要になるのが、旗竿地の「竿」の部分を駐車場にする方法。

中の土地が最大限利用できるので、間取りのプランニングも大きく広がります。

そこで重要になってくるのが間口の大きさ。

つまり、竿部分の幅のことです。

竿部分に駐車場を設けるなら最低でも2.6mは必要になります。

軽自動車やコンパクトカーであれば2.6mでもなんとかなりますが、将来を考え少し大きめの車を買う予定があるのなら2.9mは確実にいります。

コンパクトカーでも全面道路が狭いようなら(例えば前面道路5mなら)間口は3mくらいあると駐車しやすくなります。

ちなみに私の家は間口2.9mで前面道路がかなり広いですが、前面道路の往来がそこそこあるので、駐車の際は少し気を使います。

2階リビングと相性が良い

2階リビングは歳を取ると階段の昇降が大変なことや1階の防犯性といった課題があるものの、開放感や明るさ、冬の暖かさといったメリットの多さで人気があります。

そしてこの2階リビングは、実は旗竿地との相性が良いというメリットがあります。

道路に面していないので静かですし、通行人の視線も気になりません。玄関まではアプローチがあるので、不審者の侵入も隣家などの視線があるので回避できる可能性が高いと言えます。

隣家との距離が近い面では高窓(ハイサイドライト)を設計することで、視線を遮るとともに光も確保できます。

また玄関に吹き抜けを作ることで、開放感をさらに増すことになります。

旗竿地の隣の整形地の家の方が気を使う

旗竿地に関するメリットとデメリットはよく話題になりますが、その隣の整形地の方でも注意すべき点がいろいろとあります。

つまり旗竿地だからといって、整形地よりもデメリットが多いというわけではないということです。

たとえば視線に関しては、旗竿地と同様に隣の整形地側でも気になるものです。お互いに視線が合わないように注意が必要になります。

また旗竿地の「竿の部分」には、カーポートを設置するケースが多くなります。もちろんこのような設計をすること自体には何の問題もありません。土地の有効活用という意味では、当然の配置となるでしょう。

しかし、隣の整形地側からすると、このカーポートを設置することで採光が遮られるケースもあります。

このような点から、旗竿地だけが不利になるわけではないことがわかります。それでも土地を安く購入できるというのは、大きなメリットと言えるでしょう。

玄関アプローチは気を付けないとダサくなる。お洒落に見せるポイント

旗竿地は玄関までのアプローチが長いので、ここをいかにお洒落に見せるかがポイントになります。

石畳とドアの雰囲気がレトロな感じで、お洒落にまとめています。通路の両側の植木も季節を感じさせるもので、風情があります。

玄関、通路、植栽の組み合わせでいろんなテイストを生み出すことが可能です。このようなアプローチが作れるのは、旗竿地ならではの特権と言えるでしょう。

アイアンの門がヨーロピアンテイストで趣があります。戸建住宅では門を設置することが少なくなりましたが、旗竿地は玄関までのアプローチがあるので、迎門を設置することができます。

ここで施主の趣味を反映させた、門扉や門柱などのお洒落なエクステリアを選ぶという楽しさもあります。

重厚感を感じさせる門構えです。門を開けると、その奥にどんな邸宅が佇んでいるのかと想像させるのではないでしょうか。

アジアンテイストを感じさせる門扉と門柱を使うことで、まるでリゾート地の高級住宅を想像させることができます。

このように門扉と門柱だけで高級感を演出できるのも、旗竿地のメリットと言えます。

こちらもまるでリゾート地の高級住宅を思わせるような門構えです。住む人のセンスの良さを感じさせるエクステリアとなっています。

素材は決して高級なものを使用しているわけではないので、費用もさほどかからないでしょう。

内装にお金をかけられる

旗竿地は土地代が整形地と比べると安いので、節約した費用を内装に回すことができます。

アプローチや門をお洒落にすることで、高級感を演出できますし、建物の外壁もそれに見合うものにできるでしょう。

あるいは逆に人目に触れない外壁のデザインにお金をかけずに、内装にお金をかけることもできます。間取りやインテリアなど、趣味に合うものに妥協することなく凝ることもできるでしょう。

このように満足度の高い設計ができるようになるのも、旗竿地のメリットとなります。

旗竿地の評価や価値

旗竿地の場合、間口が狭い分、一般的な土地と比べるとおおよそ2割減ほどの価値相場になるといわれています。

その理由は、竿部分の土地にはほとんど評価価値がないため、土地全体で見ると評価価値が下がるためです。

旗部分の土地も接道面が狭いと評価が若干下がる傾向があります。

トータルすると土地全体で2割減ほどの価格で土地を購入することができます。

また、評価価格が安い分、土地に対する固定資産税も同じエリアのご近所さんよりもお安くなります。

旗竿地の間取り

広い土地が手に入りやすい分、比較的できる間取りが増えてきます。

もちろん周囲の家とのバランスが非常に重要になってきますが、

窓の取り付け位置を限定することや、一方の方角には窓を付けないなどの工夫をすることで、それほど旗竿地の囲われた感はなくなってきます。

そのため、目線が気になる方角に階段や廊下、クローゼットを配置することで、周囲との距離感を作ることができます。

そういったベースを作ってしまえば、後は好きなレイアウトにしていくことが可能になります。

旗竿地で後悔することは

正直なところ、旗竿地に家を建てたことに大きな後悔はありませんが、強いて言うなら駐車ですね。我が家は接道面2.9mですが、横幅1830mmの車が限界かなと感じます。我が家はお隣さんとの間にフェンスが付いているので駐車する際の圧迫感もあります。カーポートをつけると更に駐車しにくいと思います。また、縦列駐車になるので車を複数台必要になった時に困りそうです。

私が後悔したのは駐車に関してだけでしたが、それは選ぶ時のポイントを押さえていたからです。下記に選ぶときのポイントをまとめます。

旗竿地で後悔しない為の選び方

正直旗竿地はポイントさえ押さえればとてもいい土地です。

個人的には下の項目の内2つでも当てはまれば購入を検討しても良いと感じます。

3つ当てはまれば旗竿地としては優秀だと思います。

  • 間口が3m以上
  • 主要採光面が南
  • 主要採光面側の隣家と3m以上離れている
  • 隣家が離れている(セットバックが1m以上ある)
  • 風が抜けやすい

間口(接道面)が3m以上あれば駐車にしても、通行にしても大きな不便は感じないと思います。交通量が少なければ駐車もかなり容易に行えるはずです。

北入りでも東入りでもどの方角からの入りでも良いのですが、主要採光面が南であれば東西北の窓を最小限にしプライバシーを確保することができます。

その際に大切になってくるのが、隣家との距離。隣家の家の高さにもよりますが、主要採光面側の隣家と3m以上離れていれば採光をある程度確保することができます。

隣家のセットバックが50cmの場合、確かに圧迫感があったり、精神的な近さを感じてしまいますが、1m以上のセットバックがあれば奥まった土地でも詰まった気持ちにはなりません。

家が密集したエリアの旗竿地では四方を壁に囲われてしまうこともあります。

風の通り道になっている旗竿地かを確認しましょう。

旗竿地のまとめ

一般的に嫌われがちな旗竿地ですが、見方を変えればメリットが多いことに気づきます。

また、工夫次第でデメリットをメリットにすることもできます。

もちろんお金があれば広い大きなな土地を買え、すべて解決することもありますが、

自分が出せる予算でいかにいい土地を買うか、偏見で土地の種類を選ぶよりも、しっかりとメリットをデメリットを考えれば旗竿地は非常に住みやすい、お宝な土地であると思います。

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家の事

Posted by koh