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日本の毒蛇の代名詞マムシの毒の強さと接触を防ぐ予防策をガッチリ解説!

こんにちは。えたばりゅです。

今回は日本の毒蛇は?と問われるとほとんどの方が、この名を挙げる、日本を代表する毒ヘビの一種、マムシをご紹介したいと思います。この「日本の危険生物」カテゴリの記事では、今回ご紹介するマムシをはじめ、日本の危険生物たちを紹介し、接触をできる限り避けるにはどのようにすれば良いのか、万一刺されたり咬まれたりしたときの対処法などをご紹介させていただきたいと思います。

中には、対処が遅れると命に危険が及ぶような、猛毒を持つ動物たちも日本には生息しております。このコーナーではそういった危険で警戒すべき動物たちにスポットを当ててご紹介させていただき、動物、人、お互いの安全のために極力遭遇を防ぐための方法などをご紹介したいと思います。

ではでは、今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。

マムシの毒の強さはどれくらい?万一咬まれたときの対処法は?

マムシは英名を「Mamushi 」、学名は「Gloydius blomhoffii 」という有隣目クサリヘビ科マムシ属に属するヘビの仲間で、日本にはニホンマムシとツシママムシの2種が生息しており、沖縄を除くほぼほぼの国内全域にマムシは生息しており、特に水田や小川など水が近くにある環境や湿った環境を好んで生活の場としています。

単にマムシというと、ニホンマムシのことを指すことがほとんどで、ツシママムシは対馬列島に生息しているニホンマムシの亜種なんです。体長は約50cmほどでいわずと知れた日本を代表する毒蛇の一種で、食性はもちろん肉食。カエルやネズミなどを主食としています。

その攻撃手段は、前回ご紹介したスズメバチイノシシのように複数持ち合わせているわけでなく、毒による咬みつき攻撃の一点のみになります。年間推定2500~3000人の方がマムシの咬傷事故にあっているといわれており、少ないですがマムシの毒が元となっての死亡例もあります。

毒の強さは日本の陸生のヘビの中ではNo.2

マムシといえば、やはりこの三角形の頭が有名ですよね。これはマムシが属するクサリヘビ科のヘビの特徴で、クサリヘビ科のヘビはあのガラガラヘビやパフアダーはじめ、強力な毒を有していることから三角形の頭は毒蛇の象徴ともされています。

ちなみに日本の毒蛇の代表的な存在として、マムシとその知名度を二分している、ハブもこのクサリヘビ科に属しています。

そんなマムシの毒なんですが、その毒性は強く、あのハブよりも毒性は強いといわれており、日本ではヤマカガシに次ぐ毒の強さを持っています。

ただ体格・体長に大きな差があるため、生成できる毒の分量はさほど多くありません。成分は出血毒や神経毒。時間と共に毒が全身に回り、腎機能が破壊され、急性腎不全に陥り、死亡するケースもあります。

余談ですが、ヤマカガシが有毒であることが確定したのは比較的最近のことで、それまではマムシの毒が日本の陸生の毒蛇の中では一番強いとされていたんですね。

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このように、日本に生息する陸生のヘビでは、かなりの毒を有するマムシ。やはり、出来る限り接触は避けていきたいところですよね。では、マムシに出会わないためにはどのようなことに気をつければいいのでしょうか。

マムシに出来る限り出会わないようにするために

森などマムシのいそうな場所に立ち入った時、マムシと出来る限り出会わないようにするためには

  • 不用意に岩陰などに手を入れない。
  • 倒木などに腰掛けない。
  • 軽装で山に入らない。
  • 山道を歩く際は長い棒などで茂みや地面をたたきながら進む など

上記のようなことが重要になってきます。マムシはハブなどと比べると、比較的大人しい臆病な性格をしており、人間を見ると飛び掛ってくるようなタイプではなく、その気配がすると基本的に逃げていきます。ですので、マムシたちにこちらの存在をアピールすることが出会わないための有効な手段といえます。

また、マムシは水辺の近くや湿った場所を好む性質があるので、田んぼのあぜ道や小川の近くなどを歩く際は細心の注意が必要といえます。

・・・もちろんそのような方はおられないと思いますが、山林に入るのにサンダル系の足が露出する履物を履いたり、ハーフパンツなどの軽装で山の中に入るようなことは絶対にしないようにしましょう。 そして、もし見かけても決して興味本位で近づいたり、ちょっかいをかけるようなことはしないほうがお互いの安全のためにも最良な方法とご理解いただけましたらと思います。

万が一咬まれてしまったら・・・

一番大切なのは、まず何よりも落ち着つくこと。

パニックになると心臓の動悸も早まり、結果的に毒が全身に回るのを促進してしまいます。そして、救急車を呼べる環境であればすぐに救急車の手配をしましょう。

また、よく咬まれた毒を口で吸引して吸い出す方がおられますが、もし口腔内に傷があったときはその傷から毒が入り込むリスクもあります。

ですので、口などで吸引しないよう、万が一の時のために山林など、マムシのいそうな環境に入る場合は、毒を吸い出す吸引器を忘れずに携帯するようにしましょう。

そして出来るだけ早く病院でマムシ用の血清を打ってもらうようにしてください。

マムシに咬まれても毒を注入されない時もある

マムシの毒は強い毒性をもつ反面、それと同時に、その毒は彼らの切り札の武器でもあります。その切り札はやはり出来るだけ温存しておきたいのは、マムシも同じ。もちろんマムシ相手に毒を注入した瞬間から、毒が体内で再生成されるのではなく、毒を使い果たしてしまったら新たな毒を作るのにはある程度の時間が必要なんですね。

ですので、噛み付きのみでその場を収めようとすることもあり、咬まれても患部の腫れなどが起こらない場合は、毒を注入されていない可能性もあります。ただし、これは可能性であって、必ずしもそうではないということですので、咬まれた際はやはり出来る限り早く、病院に行くようにしてください。

また、咬まれた毒蛇の種類によってもその打つべき血清は異なってきます。山林に入る際はその地域にどのような毒蛇が生息しているか、必ず確認してから入るようにしましょう。

ちなみに日本に生息していて人との接触事故が起きやすい毒蛇は、マムシ・ヤマカガシ・ハブの3種になります。生息地は

  • マ ム シ:沖縄を除く日本のほぼ全域
  • ヤマカガシ:南西諸島・小笠原諸島・北海道を除く日本各地
  • ハ   ブ:奄美諸島、沖縄本島周辺

となります。容姿や体の特徴もあわせて覚えておくようにしていただけましたらと思います。ただ、沖縄・南西諸島などには、他の毒蛇も生息していますので、赴く際にはご注意いただければと思います。

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ペットがマムシに咬まれてしまった時

街中ではあまり犬や猫といった、ペットたちがマムシに咬まれるといった状況は起こりにくい思いますが、少し郊外の住宅地であったり、近所に山林や林、田んぼなどがある環境では茂みに入るとマムシがいる可能性があり、咬まれるということも起こりえます。特に犬は普段から散歩に出るということもあり、河川敷などを散歩していたり、運動している際に、稀にマムシに咬まれるといった事故は起こっています。

もし、犬や猫などのペットがマムシにかまれてしまった場合はすぐに動物病院で獣医師の診察を受けるようにしてください。犬はマムシの毒への耐性があるという情報もありますが、その真相は定かではなく、やはり人と同じく、急性腎不全を発症し、死に至ったケースもあります。

また、小型犬や猫は人間よりも体格も小さく、咬まれてしまった時は、その注入された毒量によっては、かなり危険な場合もあります。もし咬まれた時、咬んだ相手は健康な成人も死に至らしめる毒を有しているということを念頭に置いていただき、出来る限りすばやい対応をお願いする次第でございます。

最後に

いかがだったでしょう。マムシは日本に生息する代表的な毒蛇。それなのに毒性の強さに反し、死亡例があまり見られないのは、決して時間と共に毒が中和されるのではなく、日本という土地柄、比較的病院が近くにあり、血清を打つまでの期間が比較的短時間で行われていることに他なりません。その毒を甘く見て放っておくと命の危険にさらされることもあるので、咬まれた際は絶対に病院で血清を打ってもらうようにしてくださいね。

山間部は街中に比べ、涼しく、普段触れることの出来ないような自然にも触れられ、なにより街中では決して味わうことができない、開放感を満喫することが出来ますよね。ですが、山間部はもちろん野生動物たちが暮らすエリアでもあり、そういった生き物達の生息地に足を踏み入れることにもなります。お互いの安全のために野生動物たちを見かけても決して相手にはせず距離を持つようにしていただけましたらと思います。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

下記にこれまでご紹介させていただいた危険動物達の記事リンクも掲載しておりますので、良ければご参考いただけましたらと思います。

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