(ソヌ・イェゴンのクライバーンコンクール優勝時のライヴ録音) | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

今回は演奏会の感想ではなく、他の話題を。

今年開催された、第15回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールの優勝者、ソヌ・イェゴン(Yekwon Sunwoo)の予選ライヴ録音が、今月発売される(CDNMLApple Music)。

詳細については、下記を参照されたい(HMVのサイトより引用)。

 

 

 

 

 

近年熱い注目を集めるクライバーン・コンクール
2017年の覇者はソヌ・イェゴン!


2009年に辻井伸行氏の優勝で熱い注目を浴びたクライバーン・コンクールが今年も米テキサスで5/25から6/10にかけて行われ、韓国のソヌ・イェゴン(28歳)が見事な演奏で優勝を勝ち取りました。デッカ・ゴールドはこの模様を収録し、優勝者ソヌ・イェゴンの録音を6月23日にまずはデジタル(配信)でラッシュ・リリース。CDは8/18発売予定です。
 ソヌ・イェゴンは2013年の仙台国際音楽コンクールの優勝者でもあります。2位のアメリカのケネス・ブロバーグ(Kenneth Broberg US、23歳)、3位のダニエル・シュー(Daniel Hsu US、19歳)の録音はデジタル(配信)のみで8/18リリースとなります。(輸入元情報)

【収録情報】
● ラヴェル:ラ・ヴァルス M.72
● R.シュトラウス/グレインジャー編:『ばらの騎士』から最後の愛の二重唱によるランブル
● アムラン:トッカータ『武装した人』
● ハイドン:ピアノ・ソナタ ハ長調 Hob.XVI:48
● シューベルト/リスト編:連祷 S.562(歌曲『万霊節のための連祷』 D.343)
● ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調 op.36


 ソヌ・イェゴン(ピアノ)

 録音時期:2017年6月
 録音場所:テキサス州、ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクール
 録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)

 

 

 

 

 

以上、HMVのサイトより引用した。

Apple Musicではもう聴けるのだが、やはりうまく、優勝という結果にも納得のいくレベルの演奏である。

技術的に大変安定しているし、音楽性も十分にあって、彼ならではの表現を持っている。

特に、「ばらの騎士からのランブル」や「連祷」の雰囲気の良さが印象的。

 

ただ、相当贅沢なことを言っていいならば、少しだけ勢い任せな部分も聴かれなくはない。

特に、「ラ・ヴァルス」において、そういった要素を感じる。

例えば、クライマックスのグリッサンド部分や、最後のコーダなど。

この曲は、ドミトリー・マイボロダやティファニー・プーン(動画はこちら)の精緻な名演があるだけに、私には特に気になってしまうものと思われる。

ただ、ソヌ・イェゴンのやり方も、ヴィルトゥオーゾ風で活気があり、これはこれで一つの方法だろうし、技巧的な安定性も上記2人に優るとも劣らないし、彼のほうを好む人も少なくないだろう。

 

また、全体的にフォルテ(強音)部分で、やや硬めの音質に聴こえることがある。

耳障りというほどでは決してないのだが、深々とした音というのとも少し違う気がする。

ただ、これについては、録音の問題かもしれず、確かなことは言いがたい。

 

彼が優勝にふさわしくないとは、決して思わない。

結果に不満が残ることの多いピアノコンクールの中でも、彼の優勝は納得のいくほうだったと思う。

けれど、もし私が一人審査員だったとしたら、優勝はダニエル・シュー(Daniel Hsu)かレイチェル・チャン(Rachel Cheung)にしたかな、とは思う。

まぁ、このあたりのレベルになると、もう好みの問題といっていいだろう。

せっかくのハイレベルな演奏である。

優勝したからどう、ということはあまり気にせずに、楽しみたい。

なお、クライバーンコンクールのネット配信を聴いての個人的な感想記事はこちら

 

それにしてもクライバーンコンクール、どうかソロだけでなく協奏曲や室内楽の演奏も販売してくれないものだろうか(権利関係の問題で難しい?)。

 

 


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