びわ湖ホール オペラへの招待 日本センチュリー交響楽団 園田隆一郎 サリヴァン 「ミカド」 | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

びわ湖ホール オペラへの招待 サリヴァン作曲 コミック・オペラ 『ミカド』 (全2幕)(日本語上演/日本語・英語字幕付)

 

【日時】

2017年8月5日(土) 開演 14:00 (開場 13:30) 

 

【会場】
びわ湖ホール 中ホール

 

【演奏、スタッフ】 

作曲:アーサー・サリヴァン(1842-1900)

台本:ウィリアム・S・ギルバート(1836-1911)

指揮:園田隆一郎

演出・訳詞・お話:中村敬一

管弦楽:日本センチュリー交響楽団

(コンサートマスター:松浦奈々)

美術:増田寿子

照明:山本英明

衣裳:下斗米雪子

振付:佐藤ミツル

音響:押谷征仁(びわ湖ホール)

舞台監督:牧野 優(びわ湖ホール)

出演:びわ湖ホール声楽アンサンブル

 ミカド     松森 治*

 ナンキプー   二塚直紀*

 ココ      迎 肇聡*

 プーバー    竹内直紀*

 ピシュタッシュ 五島真澄

 ヤムヤム    飯嶋幸子

 ピッティシング 山際きみ佳

 ピープボー   藤村江李奈

 カティーシャ  吉川秋穂

 貴族・市民・女学生たち

   ソプラノ 河出綾子#、奈良絵里加#、南 さゆり#

   アルト  糀谷栄里子#、益田早織、溝越美詩
   テノール 川野貴之、島影聖人、増田貴寛

   バス   内山建人、浦野裕毅#、宮城島 康


   *びわ湖ホール声楽アンサンブル・ソロ登録メンバー

   #客演

 

【プログラム】

サリヴァン:コミック・オペラ「ミカド」

 

 

 

 

 

びわ湖ホールのオペラを観に行った。

演目は、サリヴァン作曲「ミカド」。

このオペラは、存在くらいは知っていたものの、観たのは今回が初めて。

日本を題材にしたオペラとしては、プッチーニの「蝶々夫人」と並んで有名と言ってもいいかもしれない。

プログラムの記述によると、この曲は1885年3月14日にロンドンのサヴォイ劇場で初演され、大変な好評を博して、以後670回を超えるロング・ランを記録したとのこと。

「蝶々夫人」の初演(1904年)から約20年前のことである。

また、同じ1885年には、ロンドンで「日本村」と呼ばれる、日本文化や慣習を忠実に再現したテーマパークが誕生し、閉村までの18ヶ月間で100万を超える人々が来場する大変な日本ブームが巻き起こっていたとのこと。

遠い遠い東の国「日本」に魅せられ熱狂したヴィクトリア朝時代のイギリスの人々の様子が、目に見えるようである。

 

それにしてもこのオペラ、本当にしっちゃかめっちゃか、支離滅裂な筋である。

さすが、「オペラ」の前に「コミック」という言葉がつくだけのことはある。

そして、おそらく現代日本に即して歌詞も変えてあって、ところどころに小ネタがはさんである。

独特な演出や舞台衣装なども相まって、かなりシュールというか、イタいというか、ハチャメチャな演目に仕上がっていた。

中には、ドン引きしてしまう人もいるかもしれない。

シュールな笑いが好きな私は、大いに楽しんでしまった。

それに、私には、狡猾な悪役が一人も出てこないこうしたドタバタ喜劇を観ると、なぜかほろりとしてしまう習性がある。

何となく、理想郷でも見ているような感覚になるというか。

そんな私にとっては、この上ないひとときだった。

 

それにしても、歌手の皆さんの演技のうまいこと!

まるでミュージカルでも観ているような気分だった。

最近のオペラ歌手は、ただ歌がうまいだけではどうもやっていけなさそうである。

もちろん、歌のほうも素晴らしかった。

第2幕の「結婚のマドリガーレ」など、重唱による美しいアンサンブルが印象的だった。

 

ところで、この舞台、なんと今月26~27日に天下の新国立劇場で上演されるらしい。

お上品な新国立劇場でこの舞台が上演されたら、いったいどうなってしまうのだろうか。

想像するだに恐ろしいけれど、東京の皆さん、怖いもの見たさにぜひ出かけてみて下さい(笑)。

 

 


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