今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。
「もしもタイムマシンがあったなら行ってみたい演奏会」のシリーズ。
フルトヴェングラーのベートーヴェン交響曲第5、9番ときたので、次は第3番「英雄」にしたい。
これまで同様、フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィルの演奏による、ベルリンでの演奏会で、かつ1929~1934年頃に行われたもの(できれば1929年のもの)から探してみたいと思う(その理由はこちら)。
探してみると、1929年の演奏会があった。
1929年3月24、25日、ベルリン
指揮:フルトヴェングラー
管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
プログラム
Beethoven: Fantasy for piano and choir (Fréderic Lamond & Bruno Kittel choir)
Beethoven: Symphony No. 3
Günther Raphael: Thema, Variationen und Rondo
前回・前々回で取り上げた交響曲第5、9番の演奏会は、いずれも1929年のベルリン芸術祭でのコンサートだったが、この第3番はその少し前のコンサートである。
フルトヴェングラーは43歳、脂の乗り切った壮年期で、ベルリン・フィルの常任になってから7年が経過しており、ゴールドベルクやピアティゴルスキーといった最高のメンバーをリクルートして取り揃えていた時期。
きっと、最高の名演が聴けたことだろう。
ただ、まだタイムマシンはないし、この演奏会のライヴ録音も残されていないので、代わりに下記の録音を聴いた。
●ベートーヴェン 交響曲第3番 フルトヴェングラー/ベルリン・フィル 1950年6月20日ベルリンライヴ盤(NML (Disc 7) /Apple Music (後半のトラック1~4) )
(なお、ベートーヴェンの合唱幻想曲、およびギュンター・ラファエルの曲は、おそらく録音が残っていないため割愛)
上記の演奏会から約21年後のライヴ録音。
長い年月が経過しているが、同じベルリン・フィルである。
それも、ベルリンでの演奏会(旧フィルハーモニーは焼失しており、ティタニア・パラストという別の会場だけれど)。
演奏様式としてもまだ完全に晩年のそれにはなっておらず、気力は充実して凄まじいまでの迫力が感じられる。
十分に往時をしのぶことのできる録音だと思う。
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