今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。
「もしもタイムマシンがあったなら行ってみたい演奏会」のシリーズ。
フルトヴェングラーのベートーヴェン交響曲第5、9、3、7番、「フィデリオ」ときたので、次は第九と並ぶベートーヴェン晩年の傑作、ミサ・ソレムニスにしたい。
これまで同様、フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィルの演奏による、ベルリンでの演奏会で、かつ1929~1934年頃に行われたもの(できれば1929年のもの)から探してみたいと思う(その理由はこちら)。
探してみると、1929年の演奏会はなかったが、1930年の演奏会があった。
1930年3月2、3日、6月2日、ベルリン
指揮:フルトヴェングラー
管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
プログラム
Beethoven: Missa solemnis
(Mia Peltenburg, Rosette Anday, Karl Erb, Fred Drissen and Bruno Kittel choir)
おそらく、フルトヴェングラーらしい、壮絶な名演だったのではないだろうか(特に、グローリアやアニュス・デイ)。
フルトヴェングラーは、この演奏会の後、残りの生涯において、ミサ・ソレムニスを一度も演奏していない。
そのため、フルトヴェングラーによるこの曲の録音は、一種類たりとも残されていない。
残念無念である。
彼は、この曲の演奏がどうしてもうまくいかない、と述べたという話がある。
しかし、演奏者自身がそう言ってはいても、私たち聴衆が聴くと超名演というのはよくあること、とは以前にも書いた通り(そのときの記事はこちら)。
一種類でもいいので録音が残っていてくれたらと思うが、致し方ない。
というわけで、上記演奏会の代わりに聴くべき録音もない。
ただただ、素晴らしかったであろう演奏に思いを馳せ、妄想することができるのみである。
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