監督・脚本 ディーン・デヴリン
キャスト
ジェイク・ローソン - ジェラルド・バトラー
マックス・ローソン - ジム・スタージェス
サラ・ウィルソン - アビー・コーニッシュ
ウーテ・ファスベンダー - アレクサンドラ・マリア・ララ
チェン・ロン - ダニエル・ウー ダッチボーイ香港職員
アル・ヘルナンデス - エウヘニオ・デルベス
レイ・デュセット - アムール・ワケド ICSS職員
エニ・アディサ - アデペロ・オデュイエ
アンドリュー・パルマ - アンディ・ガルシア: アメリカ合衆国大統領。
レオナルド・デッコム - エド・ハリス: アメリカ合衆国国務長官。
ダンカン・テイラー - ロバート・シーハン:ICSSのシステム担当
トーマス・クロス - リチャード・シフ: バージニア州知事。
デイナ - ザジー・ビーツ:庁内のシステム担当
予告編
感想
映画館の予告編でけっこう流れていたもの。海岸で沖から凍結が始まり、女は逃げて男は凍る・・・・
全世界の気象コントロールが可能になった世界での綻び。
視点は良く、兄弟ネタというのも悪くないが、ちょっと料理の仕方を間違えたという印象。
例によってツッコミを・・・
何でもコンピューターウイルスと言っておけば説明がつくという、杜撰な感じ。再起動すればウイルス除去出来るって?。
そらーセキュリティのアップデートをした時には、再起動を要求されるけど、世の中そんなに甘くない(そういえば、再起動で治るって「バイオハザード」でもやってたような・・・)。
コンピューター技術者を抱き込めば何でもやれるという、シナリオ製作側の杜撰さも目立つ。
それにステーション、あそこまでブッ壊れてしまったら、制御どころではないだろう。何でも壊せばいいってもんじゃない。
脱出は、一体どれだけシャトル持ってるの?てなぐらいの違和感。スターウォーズのノリ。
言い出せばキリがないが、一番残念だったのは、ジェイクが宇宙に行く必然性がなかった事。ミッションの中でジェイクが、この危機を救うためのキーマンとなった場面がない。単にハラハラドキドキしただけ。
ジェイクしか知り得ない、起死回生の解決策とか、却ってそういうものをデッチ上げた方が、映画としての収まりは良かった。
そもそも論として、権力をつかむためには地球のダメージも辞さないという、狂気の発想にゲンナリ。
まあこの昨今、そんな気の狂った権力者が居ることも確かだが。
ただ、悪役ではあるがエド・ハリスを拝めたのは良かった。
「ライトスタッフ」 「アポロ13」等で宇宙関係の映画に存在感を出している、好きな役者。
アンディ・ガルシアも、パッセンジャーの時よりは出番が多くて、出演していたという実感があった。
あらすじ
2019年、大規模自然災害を制御する防衛システム「ダッチボーイ」が構築された(命名は、指で水洩れを止めてダム崩壊を防いだ、オランダの少年に由来するもの)。
国際気象宇宙ステーション(ICSS)を中心に、全世界に張り巡らせた人工衛星が協調して気候を制御するもの。現在はアメリカ主導で運用している。システム責任者はジェイク・ローソン。
ある日アメリカ上院の査問会に呼び出されるジェイク。
弟のマックスもこのシステムの責任者の一人。
政府要人の警護を担当するサラ・ウィルソンは、マックスの恋人でもあった。
日頃行っているジェイクの問題発言、命令違反等が問題とされ、関係者に対する暴力まで披露された。
マックスがメールで「自重しろ」と言っても聞かず、議長のトーマス・クロス バージニア州知事を罵倒するジェイク。
結局ジェイクは責任者を降ろされ、マックスが後任として起用された。
3年後、アフガニスタンで村が村人ごと凍り付くという事件が発生。調査チームでは原因特定出来ず。
ICSSでは、アフガニスタン上空の衛星を回収して調査したが、作業した技術者がデータを抜き取り、そのデバイスをロッカーに隠す。その後、誤作動によって彼は宇宙空間に放り出された。
気象コントロール衛星のトラブルが疑われたが、ダッチボーイは2週間後に国連へ管理を移す事になっており、それまでに解決せよと大統領が指示。
事態の公表を主張していたマックスの顔を立てて、ICSSには兄のジェイクを送り込む事を、国務長官のデッコムが推奨。
ジェイクにこの件を伝えに行くマックス。今まで、兄弟で多くの確執があった。ジェイクには離婚した妻との間に娘がおり、ジェイクと一緒に暮らしていた。最初は断るも、システムに対する愛着もあり、派遣に応じるジェイク。娘は母親のところに戻る。
その頃、香港で気温の異常上昇によりガス管の爆発事故が発生していた。ダッチボーイ管理の担当者チェンもそこにおり、危ないところを助かる。
ICSSに入ったジェイク。司令官のウーテ・ファスベンダーからスタッフに紹介される。3年のブランクでジェイクと面識があった者はウーテだけ。
香港での異常を受けて、そこを担当する衛星をチェックするが、故障のメッセージ。
香港でもチェンが「ダッチボーイ」を調べようとしたが、アクセス不能になっていた。
チェンはマックスにコンタクトし、アクセスできなくなったことを伝え、もし今後も故障による異常気象が続けば、世界規模の異常気象「ジオストーム」が起きる可能性があることを警告。
マックスも自身がアクセスができなくなっていることに気がつく。
不審者が訪れ、隠れるチェン。
翌日マックスは庁内のシステム担当のデイナに、自分の端末からアクセスができなくなった理由を探らせる。
異常は故意に操作されている事が判った。
ICSSでは香港担当の衛星を回収し、調査を開始しようとしていたが、衛星を掴んでいたクレーンアームが暴走し、衛星を破壊。ハードドライブも解読不能。
その後、先の事故で技術者が宇宙に放出された際に、誤作動で開放されたドアの一つが、ステーションのアンテナに引っかかっていることが判明する。
ジェイクとウーテは、そのドアのハードドライブを回収するため、ステーションの外へ出る。
無事にドアを回収したものの、ジェイクの姿勢制御装置が暴走を始める。その衝撃でドアは飛散。
ステーションの端を掴むことで遭難を免れるジェイク。
ステーション内に戻ったウーテは嘆くが、ジェイクはドアを放す前にハードドライブを抜き取っていた。
他のクルーには失敗だと告げる。
監視のないところでハードドライブを調べた結果、故障による誤作動ではなく、プログラムされた作動だったことが判明。先の技術者を殺した同じ人物がジェイクも殺そうとした。
何が起こっているか全てを解明したチェンは、アメリカに来てマックスに話そうとしていた。
待ち合わせの場所でサラと一緒に待つマックスだが、目の前でチェンは交通事故に遭う。
チェンは「ゼウス」とだけ言って死ぬ。
ジェイクはマックスにTV会議で、少年時代のエピソードを話し謝罪する。だが兄弟で釣りなどした事はない。話は暗号で、一連の災害が故意によるもの、そして政府関係者にその犯人がいる、とのメッセージ。
政府のシステムにログインが必要だが、マックスの権限では入れない。サラに頼み込み、断られるが、結局協力するサラ。
その結果、「ゼウス」プロジェクトとは、世界中で異常気象を起こさせて、遂には「ジオストーム」を発生させる計画。
ジェイクとウーテは、先の技術者が、死ぬ前にアフガニスタンの気象衛星からログデータを抜き取っていたことを発見する。チーム員のデュセットの協力でそのファイルを見つけ出し、一連のトラブルはコンューターウィルスによって起きている事が判明。
マックスとジェイクは、デイナによって繋げられた通信会話で、それぞれが掴んだ情報を交換。
ジェイクは、大統領が裏にいるのでは、という可能性を話す。
2週間後に控えた「ダッチボーイ」システムの受け渡しに際し、異常が多発することで国連側が受取りを拒否すれば、アメリカが今後も維持管理の主導権を握れる。
ウィルスの除去にはシステムの再起動が必要で、そのためのリセットコードは大統領が持っている。
ジェイクの仮説を信じないマックスは、フロリダ州のオーランドで開催される、民主党全国大会に参加する大統領に無理やり同行する。
サラの協力もあり、オーランドまで同行出来たマックスは、大統領に接触を試みるがうまく行かない。
そんなとき、日本の東京、ブラジルのリオデジャネイロで異常気象が発生し、大きな被害が出ているニュースが入る。しかも次の異常気象地の予想はオーランド。
デッコムがマックスの様子に気が付き、問いただす。
マックスはデッコムに状況を説明し、大統領の持つリセットコードが必要だと言ったが、リセットコードは大統領の指紋と虹彩を使用、つまり大統領自身がコード。
協力を約束したデッコムだが、突然、マックスを殺そうと発砲。
デッコムこそが黒幕だったことに気付くマックス。
それをサラに伝え、異常気象が迫っていることも教える。
サラは大統領を誘拐する覚悟を決め、マックスに車を用意するように言う。
会場で銃を発砲。無線で「銃を持った不審者が大統領を狙っている」とでっち上げて他のSPを誘導し、大統領をマックスの用意した車(タクシー)に乗せて脱出。
その直後、デッコムの手先が追跡して来るが、異常気象が始まり、落雷がそこかしこに起こる。その一つが大会が行われていたスタジアムに落ち、大爆発を起こす。
待ち伏せしているデッコムたち。大統領を乗せた車をバズーカ砲で爆破。だがそれはオトリだった。
デッコムは身柄を拘束されるが、偉大なアメリカを取り戻すためにやった事だとうそぶく。
デッコムの計画は、副大統領の担ぎ上げだった。
ICSSではウィルスによって暴走が始まる。ジオストームまであと1時間半。モスクワは熱波、インド・ムンバイでは4つの大竜巻、ドバイでは津波が街を襲う。
また、ウィルスはICSSの自爆装置も作動させていた。ジェイクはウーテに指示し、全乗組員の退去を命じる。
ジェイクは、ソフトウェア技術者のダンカンが怪しいと最初からにらんでおり、締め上げる。
銃で反撃され、なんとか隣の部屋に逃げるジェイク。ダンカンは銃弾でヒビの入った窓が割れて宇宙空間に放出される。
最後のシャトルの前でウーテはジェイクを待っていた。
現れたジェイクは、一人残ると言う。リセットコードを受けて再起動させる者が必要。
ウーテが、本来は私の仕事だと主張するが、脱出を促すジェイク。
大統領がNASAのケネディスペースセンターに到着し、リセットコードを発動させる。
だがリセットコードは、ジオストームの発生を止めることはできてもICSSの自爆装置を止めることが出来ない。悔しさを滲ませるマックス。
ジェイクは、入力装置への部屋に入るために扉の暗証キーを押すが開かない。
そこにウーテが現れる。扉を間違えており、ジェイクを正しい扉に導く。
そして二人でリセットコードを入力し、ジオストームの発生は止められた。
ICSSの破壊は進み、壊滅的な状況。そんな中でジェイクは予備の衛星を見つける。
衛星にたどり着き、ICSSから脱出するジェイクとウーテ。退避していたシャトルが衛星を回収して二人が救助された。
6ヶ月後、ジェイクは新しい衛星システム対応のため、再びカムバック。