今の保険を止めない保険見直しのコンサル(変換制度) | FPで保険屋のオッサンのブログ

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お金のはなし(特に不動産と保険)アレコレ。時々ぼやき。

保険見直しの時は、現在の保険をすべて止めて新しい保険に切り替えるものだと思っている方がほとんどです。

 

でも、待ってください。今の保険を活かしながら見直しする事が可能です。その1つが変換制度の活用です。

 

変換(コンバージョンとも言われる)とは、

①所定の要件を満たせば②健康状態にかかわらず、③現在の主契約・特約の全部または一部を所定の保険種類に変えられる制度です。

 

①所定の要件とは、

●契約から2年以上経過している事

●保険期間満了まで2年以上ある事

●被保険者が80歳以下である事

 

②健康状態にかかわらずとは、

病気入院中であったり服薬していてもOKだと言う事

 

③所定の保険種類に変えられるとは、

例えば、定期保険特約を無解約返戻金型の定期保険へ変えられると言う事です。

㊟変換後の保険は特約でなく主契約になる

㊟所定の保険種類は保険会社で設定される

 

では、変換後の無解約返戻金型の定期保険の保険金はどのように決められるのか、それは下の式で計算します。

 

(定期保険特約の保険金)-(変換時の定期保険特約の解約返戻金)=変換後の保険金の限度額

 

図にすれば、下のようになります。

 

※分かりやすく書いています。解約返戻金がゼロか、わずかしかない場合もあります。

 

このメリットは、

何といっても健康状態を告知しなくても良いと言う事です。40歳以上は何かしら病気になっている場合が多いのですが、変換なら健康状態に関係なく他の保険に変えられます。

 

これはすごいと思います。保険契約した者の権利です。

 

さらに、

終身保険などの現在の保険契約をそのまま継続できるので、新たに高い終身保険に加入しなくても良いと言う事です。

 

最後に、

保険の解約の場合は解約返戻金はもらえますが保険は無くなります。

 

しかし、変換の場合は、

解約返戻金をもらうとその分だけ保障は下がりますが、別の保険種類で保障を継続する事ができると言うことです。

 

特に、解約返戻金があれば、住宅ローンの繰上げ返済や大学の費用などの教育資金、介護の費用にこの解約返戻金を充ててもらうために変換を勧めるケースが多いです。法人の保険でも同じ事ができます。

 

デメリットとしては、変換後の保険種類によっては保険料が高くなってしまう場合があります。

 

例えば、定期保険特約を終身保険に変換した場合などです。

㊟この場合は特別で、解約返戻金は差し引かれませんので定期保険特約と同じ保険金になります。

 

では、なぜこの有利な変換が保険見直しで行われてないのでしょうか?対応した保険見直しの担当者は変換を知らないのでしょうか?いいえ、変換のアドバイスをすると保険の販売にならないからです。

 

私は、変換のアドバイスをしてコンサルタント料をいただいています。皆さんが契約時に手渡された「契約のしおり・約款」を持参していただいてどのような保険に変換が出来るか調べるのです。

 

皆さんは契約者の立場ですから、保険会社のカスタマーセンターで聞けば加入保険の担当営業より詳しく親切に教えてもらえるはずです。

 

会話が録音されていて後でお客様に対して正しい説明をしたかチエックされるからです。保険の担当営業よりも信頼できます。

 

保険の見直しを考え始めたら、保険ショップなどに行く前に変換ができないか検討されてはどうでしょうか。まずは現在の保険の有効活用を考えましょう。

 

でないと、保険見直しですべて新しい保険に切り替えを勧められてしまうかもしれません。

 

 

次回は、国内の生保会社が盛んに行っている保険見直しのやり方で転換(てんかん)について書きます。

 

栃木・宇都宮の

FP・保険コンサルタント

五十嵐太郎