お元気ですか?
ハワイに住むマコトは元同僚で、思い起こせばすでに30年近い付き合いです。
よく「あいつはいいヤツだ」と言いますが、マコトの「いいヤツ」度ははっきり言ってチャートを超えてます。
私なんかだと、どんなにいい人になろうとしても「そこまでようせんわ」の境界線がしっかりあるけど、マコトの境界線は消えるマーカーで引いたもの。
マコトの話しを聞いていると、
「そんな赤の他人にまで、アンタどんだけエエ人?」
なお話しがわんさか。困っている人を見ると、どうしても見て見ぬ振りができないタチらしい。
長男が4歳、次男が2歳の時、私も「困っている人」でした。幼い子を連れて離婚したのです。
離婚するか悩んでいた時から、離婚後も親子で本当にお世話になりました。親が離婚したせいで、子供たちに淋しい思いをさせたくないと思っていた私は、何かにつけマコトが誘い出してくれるのが本当に有り難かった。
男と女のロマンチックな関係はまったくなくて、だからこんなに長い間友人でいられるのだと思います。
マコトもバツ1なんです。
私がロサンゼルスに引越して主人と出会ってから、年に1、2度バケーションでハワイに行っていましたが、マウイ島であろうとハワイ島であろうとマコトは会いに来てくれて、私たちの部屋で泊まりました。
朝はたいてい主人とゴルフに行って、帰って来たらビーチでのんびりし、ディナーに行くのがパターン。
ラスベガスに越してからも、一番に遊びに来てくれたのがマコトでした。
大のギャンブル好き、というのもあります。
昨年はノリちゃんと合わせて来てくれました。
なのでマコトも主人とは、年に1度とはいえ10年以上の付き合いになります。
最初にマコトに「主人が脳腫瘍で手術する」と伝えた時、「お大事に。無理しないで頑張って」程度の簡単な返事だったので、男の人はマコトでもあっさりしてるんだ、と思っていたのです。
でもちゃんと手術の日を覚えてくれていて、手術当日には連絡をくれました。
グリオブラストーマだったと伝えた日は、号泣するステッカーが返信で来て、でも文面は「いろいろ大変だけど、頑張ってください」。
他人事のようで「フ〜〜ン」と思っていたら、2日ほどしてこんなLINEが。
「あまりのショックで、昨日1日何も手につかなかった…」
それで、あの季節のご挨拶のような味気ない返事は、動揺し過ぎて何と書いていいのかわからなかったんだと気づきました。
2日前に「8月末にベガスに行こうかと思っている」と連絡がありました。
8月末といったら抗ガン治療も4週間目に入って、とてもじゃないけど我が家には泊まって貰えないし、私もきっとそうそうお付き合いできない。
「じゃあ、今週末とかに行ったらびっくりする?」
それに実は他にも理由が…。
「ロサンゼルスに行った時に本当に親しい人には会ったけど、ここにはまだ実の子でさえ来させてないんだよね。皆んな来たいって言ったんだけど、主人がダメだって。だからせっかく来てくれても、きっと会わないと思うよ」
「そうか…」と残念がっていましたが、その話しを主人にすると…。
「その件、考えたんだけど、体調が良かったら挨拶くらいしに行くよ」
と意外な返事。
それで慌ててマコトに電話しました。すると嬉々として、
「じゃあやっぱり今週末に行くよ。治療が始まる前の方がいいモンね。僕のことは気にしないで。ホテル取って勝手に遊んでるから」
翌日の夕方には「フライト取った。明日出発」。
2日前の夜中に「今週末行くよ」と聞いて電話を切って、右向いて左向いたら、もうマコトが来ていました。
なんで我が子でも断固として来させないのに、マコトには会ってもいいと言ったのか。
それは…。
私のためだったんです。
自分の世話に追われるだけで、遊びにも連れて行ってやれないヨメが不憫だったんですね。だからマコトが来てくれて、少しでもヨメが気分転換できれば、と思ったわけです。
多分…。
その話しをマコトにすると、
「僕もそう思った。だってランチ終わって別れる時に『頼むよ』って何回も言われたから」
主人はストリップまで行くのは嫌だったので、私がマコトを迎えに行って、主人とはレストランで落ち合ったのでした。
その別れ際に、主人がマコトに私のことを頼んだのです。
んもう人に何と言われようが、おのろけバクハツさせてもらいます。
どんだけ愛されてる?
これって究極の愛ちゃいますやろか…。
病んでなおヤッてくれます、うちの主人。
では、お元気で。
Have a nice day!
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