去年の四月に書いた、生活に窮する高齢女性に手を差し伸べたら
に登場しているミ○リさん(8X歳)が、半年ぶりに当店に来られました。
いつもきつい香水を匂わせながら現れては、男女関係を結べそうな
男性を物色して、同伴でお帰りすることを生業になさっている人です。
私の自論で大別すると、飲み屋は三種類の経営に分かれるようです。
①普通のお客様が集まる店。お勘定は明朗会計。1人の利益は低い。
②出入り禁止になるお客様を集める店。利益は高い。閉店が遅くなる。
③ホステスを使ってお客様を集める店。お勘定は当然ぼったくりとなる。
母の経営する居酒屋は、以前は②に該当するお店のスタイルでして、
出入り禁止になるお客様というものは、大抵は大酒のみの人が多く、
それに加え、お酒をコントロールする能力に欠けたタイプが大半です。
なのでお金はたくさん落としてくださるので、経営も成り立つわけです。
そうしたお店に来店される女性も、当然と思われますがまともではなく、
多くの女性は、居合わせた男性に秋波を送られる人が殆どになります。
泥酔した男性を篭絡するのは容易いもので、いつまでも帰らずに困る
お客様を連れ出してくれる女性は、お店側にはパートナーの存在です。
他所で出入り禁止になる人が集まるおかげで、お客様は常に少数で、
利益を求めるためには、単体客により多く飲んでいただく必要上から、
毎晩で午前2時過ぎに閉店を迎える、体力勝負の面がございました。
よって母の高齢を考慮すると、②のスタイルを続けることは困難でした。
普通のお客様が来店されるときには、決まって団体のときのみでした。
母は喧嘩仲裁のできない人なので、自衛の手段のつもりなのでしょう。
母は人を楽しませる能力があるので、普通のお客様にもとても人気で、
単独で通えないことに苛立ちを感じたり、臍をかんでいたと思います。
私は元々②のスタイルには否定的で、母の体力上の問題も加味して、
私が母の居酒屋を手伝うようになった後は、①のスタイルになりました。
母は当初、売り上げの激減を気にしていましたが、私には勝算があり、
今では昼間も夜も、普通のお客様で埋め尽くされる日々を迎えています。
そうなると、ミ○リさんや、き○みさんや、ミ○コさんは無用の存在で、
彼女たちも察してか、次第に当店に寄り付かなくなっていったのです。
当店では今年から、以前は団体でしか来られなかった普通のお客様が、
単独や気の合ったお友達を連れて、来店する姿を見ることができます。