お雪がこの女囚島に流されて一ヶ月が経とうとしていた。島での暮らしはお雪に取って耐え難い日々であった。この島では罪の償いをするというよりは、ただ単に男達の慰め者になる事が要求され、その為の調教が日々行われていたのである。しかもその調教はお雪の想像を超える恥ずかしく嫌らしい調教をお雪は受け入れなければ成らなかった。この一ヶ月に本土から数回、幕府の要職の男達が女囚達を責め苛む為にやって来ていた。抵抗は許されず、少しでも躊躇したり抗えばより過酷な調教をその身に受けなければ成らなかった。そして、その抵抗が名主の高橋の気に沿わなければ、あのお靜の様に無惨に処刑される事もあり得た。お靜の島抜けの罪は、その後に女達から聞かされたのであるが、それは全くのでっち上げで、お靜は無実の罪で、男達の愉しみの為に磔に架かり処刑されたのであった。お雪はこの島の恐ろしさに、従順に控え目に恥ずかしい調教に耐えていたのであった。

「お雪さんっ、お雪さんっお食事を持って来ましたっ、大丈夫ですかっしっかりしてください」

お雪の入れられている座敷牢に、女囚達の世話をする小夜がやって来た。お雪はこの島に流されて来てから、まだ座敷牢から解放されて居なかった。この日もお雪は厳しく恥ずかしい調教を受け、ぐったりと座敷牢の中で死んだように寝ていた。

「あっうっうううっ小夜ちゃん、いっいつもいつもありがとう」

お雪が苦しそうに小夜に答えた。

「お雪さんっ今日も辛い目に遭われたのねっ、許してください」

「小夜ちゃんが謝ることはっ無いわっ、これがわたしの運命なんだから」

「でもっ・・・・・本当にごめんなさいっ許して」

小夜は歯切れの悪い話し方で申し訳無さそうにしている。お雪を責め苛んでいる張本人の名主の高橋は小夜の実の父であった。それを小夜はお雪に話せないでいた。

お雪がグイッと起き上がり小夜の顔を見つめて

「ところでわたしはっいつ迄この牢に入れられるのかしらっ」

「もう少しの辛抱だとっ」

「牢に入れられずっ自由にしている方達もいるんでしょっ」

「ええっ、この島で呼ぶっ天女の身分の人と上女の身分の人達はっ、この島の掟を守っていれば、比較的自由に暮らしています」

「天女っ、上女っ」

「それからっ下女と呼ばれる身分の人達はっ、夜に限って牢に入れられますっ、畜女と呼ばれる身分の人達はっ、皆同じ牢にずっと入れられ暮らしています」

「下女っ、畜女っ」

「お雪さんはそろそろっ下女の身分になり夜は牢に入れられるけどっ昼の間は自由に動けますよっ、だから掟はしっかり守ってねっでないと畜女にされてしまうわ」

「畜女っ、何だか恐ろしそうな呼び方ねっ」

「ええっ、この小夜も畜女の人達にお食事を持っていく時はっ可哀想で辛いんですっそれに恥ずかしい世話もしなくてはならないしっ」


次の日の朝、褌男の一人辰吉がお雪の座敷牢にやって来た。

「お雪っお前はなかなか神妙で宜しいっ調教の反応もまあまあだっ、寄って、先ずは下女の身分になりこの島で暮らす事になるっ、その前に戒めの為っ畜女達をお前に見せておこうっ」

「はいっ、よろしくお願いいたしますっ、お雪は下女としてっこの島の掟を守りっ、末は上女っ天女へと成りたいと思います」

「うむっよい心掛けだなっ」

お雪は屋敷の奥その地下にある、畜女達が入れられている牢に連れて行かれた。

「これがっ畜女達の様子だっ良く見ておけっ」

「はっはいっ」

お雪は恐る恐る薄暗い牢を覗き込んだ。そして、蠢く白い物が女である事に気付きハッとした。

「ひっ酷いっ」

思わずお雪は声をあげてしまった。

その牢はむき出しの岩の壁が三方にあり窓と呼べる物は無かった。足下もでこぼこの土であった。その寒々とした中に、畜女と呼ばれる女達は布切れ一枚身に着ける事も無く、素っ裸で横たわっていた。

辰吉が牢の格子を「ダンダン」と叩くと、横たわっていた女達はサッと起き上がり、並んで正座しこちらに向いた。その素肌は汚れ、髪はボサボサであった。女は四人いた。しかし、畜女と呼ばれてはいるが四人とも可愛らしく、またその体も均整が取れており、女として魅力を充分に漂わせていた。

「糞尿はしたのかっ、それぞれの自分の桶を前に差し出せ」

お雪はこの男が何と恥ずかしい事を言うのだろうと思った。

女達は各々牢の隅に置いていた桶を掴むと、また正座しその桶を自分の前に置いた。

「はいっここにっ」

女達が一斉に声を発した。

「よしっでは格子の間より出してっ見せてみよっ」

ガタンガタンと四つの桶が牢の格子の前に並べられた。お雪はその桶の中を覗き込んで一瞬顔を歪めた。その桶の中にはどす黒い塊が山を作り、底にはたっぷりと黄色い液体が漂っていた。この女達は厠に行くことも許されず、牢の中でこの桶に跨り排泄していたのであろう。そして、毎回桶の中の排泄物をこうやって確認されるのである。それは、女として耐え難い屈辱の毎日であろうとお雪は思った。

「美代っこの新しい囚人にっ畜女とはどんなものかっ見せるっ、美代っいつもの調教部屋に行くんだ」

「ひっひぃーーっ、もうもうっお許しをっ調教はお許しをっ」

美代が震える声で叫んだ。

「また逆らうのかっ、これ以上逆らうとっお前もお靜の様になるぞっ、それでもいいのかっ美代っ」

「ああああっああーーっ」

美代は観念したように項垂れ、両手で乳房と股間を隠しながら牢からその裸身を震わせ出てきた。

美代はチラッと恥ずかしそうにお雪に視線を送った。お雪はその瞬間、引きつりながら軽く会釈をしていた。

「両手を後ろに回せっ」

「ああああっ、はいっ」

美代は恥ずかしい部分を隠していた手をゆっくりと後ろに回した。そして、背筋を伸びし真っ直ぐ前を見つめた。麻縄がキリリと美代の裸身に掛けられた。美代は後ろ手に縛られ、首に回した縄を胸元に回されグイッと絞られ、乳房が嫌らしく突き出す様に縛られてしまった。もう乳房も翳りの剃られた女陰もその手で隠すことが出来なくなってしまった。

「美代っ調教部屋まで歩けっ」

「はっはいっ、ああーーっ」

この日、老中の伊豆守と奉行の遠山が間も無く到着する事になっていた。老中達から今回は調教部屋で女を責め苛みたいとの御達しが来ていたのであった。以前から老中達は調教部屋で何人かの女を責め殺していた。美代は老中達の生贄にと選ばれたのであった。


続く



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