サラリーマン、単身赴任で寺社めぐり。

単身赴任に彩りを。。
寺社に行き尽くして素敵な仏像たちと出会いつつ、食・酒を堪能する旅に出てみました。

【冬】 奈良・斑鳩 「小さな名刹を訪ねる」②完

2017年03月11日 | 
法輪寺をあとにして、東の方向に十分ほど歩く。
聖徳宗岡本山・法起(ほうき)寺に到着だ。

<山門>



聖徳太子が推古十四年(六〇六)に法華経を講じた場所(岡本宮)に、息子の山背大兄王が太子の遺言により寺院を建立した。当初は岡本寺と言われていたが、これが法起寺に改名されたという。
そして、この法起寺は、聖徳太子建立七寺
一.奈良・法起寺
一.奈良・法隆寺
一.奈良・中宮寺
一.奈良・橘寺
一.奈良・葛木寺
一.京都・広隆寺
一.大阪・四天王寺
のひとつとされ、また、世界遺産に登録されている
「凄い…」
寺なのである。
が、まったくのどかな風景の中、田んぼの一角に立つ小さなこの寺に、そのような圧力満載の空気は、いっさい漂ってこない。

小さな山門から境内に入ると、正面に高さ約二十四メートルの三重塔(飛鳥・国宝)だ。法隆寺の五重塔を参考にしながら建てられたということ、日本最古の三重塔である。

<三重塔>


塔について、たいした知見を持ち合わせているわけではないが、
「日本最古」
「世界遺産」
「国宝」
と聞けば、
(確かに素晴らしい…)
と思えてしまうのが正直なところ。
ただ、塔の立ち姿の凛々しさは大きく伝わってくるもので、さすがに、しばし立ち止まり、見入ってしまう。





次に講堂脇の収蔵庫のほうに向かう。

<講堂:この左奥に収蔵庫がある>


収蔵庫には、本尊の〔十一面観音菩薩立像〕(平安・重文)が安置されている。
高さ約三五〇センチ、堂々たる像ではあるが、残念ながら、前面ガラス張りの蔵であるため、反射して非常に見づらい…。
というか、ほとんど見えない…。
気持ちが盛り上がってきた中で、これか…。
なにか消化不良気味ではあるが、ここで「スッと」気持ちを入れ替える。
寺社を巡るにあたっては、思い通りにいかないことがあっても、それを素直に受け容れることがあたり前なのだ。
そんな中、フッと
(仕事もそんな精神でやっていくことができたら、ストレスもたまらないのに…)
などと、つまらないことを考えている自分がいて、その薄っぺらさを自戒する。
日々、修行である。

御朱印は〔十一面観音〕



ありがたく頂戴する。

ところで最後、触れておきたいのは、法起寺周りのこと。
この一帯、秋口(十月頃)にはコスモスの花が咲き乱れ、実に見事であるらしい。
奈良の「ウォーキング開催案内ポスター」などに、いつも使用されている風景である。
わたしがこの地を訪問したのは冬の時期だったため、「実物」を観ることは叶わなかったが、機会のある方は、ぜひその時期(秋口)に訪問することをお勧めしたい。


帰宅後の晩酌、本日は、おでんにした。
冷え切った身体を風呂で温め、ゆっくりとつつくおでんは最高だ。
つゆに関して。以前は市販の「おでんの素」を使用していたが、今は自分で作り込むことにしている。この試行錯誤も楽しい。
ただ、作り込むといっても、非常に単純で、スティック状のだしをブレンドして入れるだけのこと。
こちらも、以前は、かつおだし、昆布だしと醤油をベースに作っていたが、だんだん醤油の割合が少なくなり、その代わり、あごだしを加えるようにした。
現在形としては、水一リットルに対し、あごだし十六グラム(スティック二本)、昆布だしとかつおだし各々八グラム(スティック一本)と、これだけで抜群のおでんつゆが完成する。
具材は、まさにお好みで可。わたしの場合は、大根、ゆで卵、しらたき、木綿豆腐、平天、竹輪、ブタコマ肉、ウィンナー、手羽元、ブタひき肉の団子、トウモロコシ、えのき、がんも、厚揚げ、水菜、たこ、ジャガイモ、車麩(くるまふ)といったものの中から六~七品目をチョイス、投入して食している。




今宵も素敵な寺社との出会いを思い返しながら、晩酌を楽しむことにしたい。
乾杯!!

【冬】 奈良・斑鳩 「小さな名刹を訪ねる」②完





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