消費財と物価上昇率
日本銀行は1日の金融政策決定会合で、物価上昇率2%の
目標達成時期の見通しを「2017年度中」から
「18年度ごろ」に先送りした。
黒田東彦(はるひこ)総裁は13年4月に始めた大規模な金融緩和で、
2%の2年程度での達成を目指したが、18年4月までとなる
任期中の達成を事実上断念することになった。
物価目標の達成時期の先送りは今年3度目で、
大規模緩和開始からは5度目です。黒田総裁は
物価上昇率の目標を2%としていましたが、
目標は任期中には達成できない見込ですね。
一時期、上昇率が1.7%まで上がったのですが、
消費税増税で下がってしまいました。
総裁は消費税増税後に景気が悪くなったと釈明していますが、
誰がどう考えても消費税を増税したので、日本国内の景気が
低迷したのですね。政府は税収を増やすために消費税増税を強く望んで
いたし、次には消費税を10%にしようとしています。
それだけに黒田総裁としては、消費税を上げたから、景気が
悪くなり、結果として物価上昇率が低迷したと
言えないのでしょうね。
1980年代までの日本は貿易黒字が大きかったのですが、今は
貿易の黒字額が激減しています。だからこそ、国内の消費が
景気を支えています。
この当局の資料を見ると消費税率引き上げから、
個人消費が大きく落ち込んでいますよね。
そもそも物価上昇率が1%とか-1%だったのに消費税を上げれば
それだけ消費が落ち込むのかは予想できましたね。
消費税が上がる前に5%だった消費税率を8%に、
つまり3%上げるだけだから、影響は小さいという発言がありました。
実は私の友人も政府の諮問委員会に呼ばれました。そういう
委員会では消費税率を上げても景気は大丈夫という発言を
せざるを得ない環境に置かれてしまいます。
その計算は間違っていますよね。
元が5%だった税率を8%に上げると税率のアップ分は3%です。
3ポイントの引き上げです。
でも消費税そのものは5%であったものが、8%となりました。
ですから、引き上げ分は、5%のプラス3%なので、
6割増しですね。