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ゲス不倫を報道するマスコミの矛盾

| 22.4.17

 今回の記事には一部に性的な表現やいわゆる放送禁止用語などを含みますので、ご了承頂けた方のみ続きをお読み下さい。

 さて、去年の流行語にも選ばれたゲス不倫ですが、不倫報道自体は年を明けても収まらず、今も様々な芸能人が標的になり世間を賑やかしているようです。

 ただこのゲス不倫という言葉はなんか納得がいかないんですよね。

 そもそもゲス不倫という言葉が、通常の不倫を更に超えてひどいという意味なのか、それともゲスの極み乙女の人が一連の不倫報道ブームのきっかけになったのか等、言葉の定義自体が曖昧なような感じがします。

 そしてもっと根本的なことをいうとゲスとカタカナで濁していますが、下衆というのは差別的な意味を含んだ言葉ではないかということです。

 個人的にはこういったマスコミの自己規制がもたらす言葉狩りというのは好きではありませんし、下衆という言葉を使うなというつもりもありません。

 しかし、色んな言葉を規制しているマスコミが下衆という言葉を使うのは矛盾だと思っています。

 カタカナだと意味合いがわからなくなりますが、漢字では下衆というのは民衆の中の下層の人たちを表している感じがありますので、やはり差別的ですし、本来はテレビで言ってはいけない言葉だと思います。

 元々あらためて下衆という言葉が使われ始めたのは若手のお笑いコンビの漫才からだと思いますが、それは大丈夫な範囲だと思います。

 なぜなら「下衆の極み」というのは(おまえは下衆ではないけれど)下衆が極まったようなやつだ、と取れますし、「下衆の所業」といっても(おまえは下衆ではないけれど)それは下衆がやるようなことだよ、というニュアンスが含まれているからです。

 この辺りの微妙なニュアンスは名誉毀損になる表現とそうならない表現に似ているところがあるかもしれません。

 ところがゲス不倫となった時には(おまえは下衆ではないけれど)下衆がするような不倫だよ、という受け取り方には無理があります。

 下衆がするような不倫をしている人は下衆だからです。

 ということはマスコミは芸能人におまえは下衆だと言っているのです。

 民衆の中でも一芸に秀でてそれで飯を食えている人に対して、下層で品性の伴わない人間だと報道しているのです。

 下衆という言葉は単純にいえば気違いと変わりません。

 カタカナで濁して、キチガイ不倫と報道したら、それはその芸能人は気違いと言ってるのと同じだということです。

 もっといえばマスコミは視聴者や読者を下衆だと思っている可能性もあります。

 そういうつもりがなかったとしても、一般の人にはできないレベルの不倫を下衆と言っているのですから、一般の人のする不倫は下衆にも満たないレベルの不倫だ、と暗示していることになるからです。

 それに不倫報道で視聴者や雑誌の発行部数を稼ぐこと自体が、これまでの意味でいうところの下衆に該当するため、ゲスマスコミと言われても仕方ないかもしれないのです。

 そして皮肉なのは下衆をカタカナのゲスに変換した、ゲスの極み乙女でしょうか。

 下衆の極み乙女だったらゲス不倫という言葉は生まれなかったかもしれません。

 いずれにしても情報を発信する側のマスコミが既に下衆であるため、下衆の情報に対してはゲス不倫と同様の扱いで構わないと思います。

 最後に不倫自体に関することについて賛否はあると思いますが書いてみようと思います。

 不倫報道は記録に残るものです。

 その芸能人の子どもが大きくなった時にそのことを知ってショックを受けることはあると思いますし、それは一般の子どもでも親が過去にそうだったことを知れば同じことだと思います。

 でもそこまで悲観することでしょうか、と思うのです。

 テレビ等での性表現も規制がすさまじいです。

 どういう訳か性表現は過激になる一方で、一般大衆の面前では隠すものになっていっています。

 だんだん逆行していき、昔の人の価値観に近くなっている傾向のように見て取れます。

 わざわざ言う必要もないですが、兄弟がいるということは、まだ幼い長男か長女がいる一方で、性行為をしていたからですよね。

 それ自体は全く悪いことではないのですがあらためてよくよく考えてみて下さい。

 性は隠すものだ、不倫はいけないものなんだ、と言っている割には、幼い子どもが寝ている間にこっそり隠れて性行為をしている訳です。

 それはその子どもが大人になるにつれて、暗にそのことも確実にわかってきます。

 そしたら子ども目線からしたら、不倫がショックだったのとそこまで変わらない気もするのですが。

 性に関する事柄についても現代でも結構矛盾があるような気がします。

 ある種の性教育が必要なのは大人の方かもしれません。

 現状では現代人の姿をした原始人みたいな感じがあり、どこか加速する情報化社会と逆行する性に関する過剰な規制との矛盾もあり、それこそ下衆の所業ではないでしょうか。

 無理やり上手いこと言おうとして失敗した感じもありますが、今回はこの辺で終わりにしようと思います。

 最後までお読み頂きありがとうございます。



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