「ブラック・リベンジ」第1回感想 | 感想亭備忘録

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木村多江さんの薄幸パワーが炸裂するドラマです。もう眩しいぐらいに薄幸が発光してます。

基本的にはタイトル通り夫(とお腹の子供)を殺された女性の復讐の物語。偽のスキャンダル報道によって不幸のどん底に落とされた主人公がスキャンダルで復讐していくお話です。

情報源である夫のかつての秘書、主人公のカウンセリングを行うカウンセラー、夫のスキャンダルをかつて記事にしたらしい同僚、その同僚の情報屋と怪しい人物満載でこれからどう展開させていくのか脚本家の腕の見せ所ですね。

 

標的をスキャンダルで倒す一話完結の単純な復讐モノと、全編通して描かれる謎の人物達との関係の二つのストーリーラインを絡めて進行していくようです。復讐が復讐される側の物語とすれば、謎の人物たちとの関わりは、主人公の物語と言えると思います。単純な復讐についてはできるだけスカッと溜飲の下がる描写があればいいのです。このドラマの成否の鍵は、主人公の物語をどれだけ魅力的に、かつミステリアスに描けるかにあると思います。平山浩行さんやDAIGOさん、鈴木砂羽さんなどヒトクセある人物を配置してキャスティングは万全です。あとはストーリー次第。期待します。

 

気になった点は愛人発覚の仕掛けにかなり無理があること。プロの愛人にしては引っかかり過ぎだし、キャットファイトはチープだし。ちょっと残念でした。(愛人と妻の対決シーンで、愛人が妻を認識した時に「妻!?」ってのもおかしいです。「奥さん!?」とかじゃないですかね。)

あと、岡野真也さんのキャラクターがコメディーリリーフとしての役割を果たしきれていない気がします。ダークなドラマの中で笑いや和みを提供するキャラクターのはずが、テンポを阻害するイラッとさせられるキャラクターになってしまっています。

 

最後に木村多江さんは流石でした。標的を追い詰めて証拠を突きつける時の姿、最後の血を吐くような号泣、ともに凄絶な魅力を放っていました。彼女の演技だけでも一見の価値はあると思います。

 

あ、あと佐藤二朗さんも変にこねくり回したキャラクターより、このドラマの「ザ・おっさん」のキャラのほうが面白い気がします。

 

満点ではないにしても次回以降楽しみにできるドラマだったと思います。