5.PERが大きくても割安株はある
過去のPERに関する記事では、PERは株の割安さを表す指標であり、PERが低いほど割安株である可能性があるということを説明してきました。
【PERに関する過去記事】
1.「割安」ということについて考える【PERを学ぶ前の導入】
2.PERの計算式について考える
3.PERの妥当性を評価する
4.PERの計算は前期と当期予想どっちの純利益で考えるべきか?
しかし、PERが低くなくてはいけないということばかりを意識して株を探していると思わぬ優良株を逃してしまう可能性もあります。
PERが大きくても割安株はあるのです。
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PERは将来性も含んだ数値となっている
株価は将来性を含んでいるという言葉を聞いたことがありますか?将来大きな利益を生むような可能性のある企業というのは市場が敏感に反応し、実質的な利益を生んでいないのに株価が先行して上昇するのです。
そこで、今一度PERの式を確認してみましょう。
PERの式では株価が分子にきています。ということは株価が将来性を含んでいるのであれば、PERも将来性を含んでおり、将来性が高ければ高いほどPERは大きくなることになります。
ミドリムシ研究を行っているユーグレナなんて企業は実質的な利益があまりないのに、将来性がかなり期待されてしまっているので、PERは145程度あります。
なぜそんなに期待されているかは自分で調べてください(笑)
私としては競合他社もあるし、太陽エネルギーを別エネルギーに変換する研究というのは、それこそ様々な企業や大学が研究しています。ミドリムシ生産が工業ベースで採算が合うようになったとしても、もっと別の効率的な方法が編み出されている可能性があるので、あまり魅力は感じないんですけどね。
(とか書きながら、あまり調べもせずユーグレナに投資をした過去が筆者にはあります笑。調べれば調べるほどバカなことしたと思ってすぐに売りました)
ユーグレナはあまり良くない例を出しましたが、アマゾンだったらどうでしょう?
アマゾンはアメリカ株ですが現在PER=200を超えるような怪物株です。
ただ、これからアマゾンという企業が世界中でさらなる売上をあげる大企業に成長していくことは誰でも想像がつきますよね。
飛行船に在庫を抱え、ドローンで運ぶなんて構想も実現したらとんでもない効率化になりますし、既存の運送業者は太刀打ちできなくなりそういった売上も全部奪っていくことになるでしょう。
また、電気自動車といったものにも手を出しています。自動車産業の売上も奪っていくということになれば、もはや手のつけられない企業になっていくことでしょう。
こういった企業の場合はPERが高かったとしても将来を考えると割高ではないと考えることができます。
2.PERの計算式について考えるで説明した内容とかぶるのですが、現在は高PERだとしても将来的な利益を考えるとPERが低くなるから問題ないと考えることができるのです。
例えばアマゾンの2015年EPS(一株当たり純利益)は1.28ドルで2016年のEPSは5ドル、2017年のEPS(予想)は6.67ドルとなっています。こんなペースで上がっていったとしたら将来的なPERはどんどん小さくなっていくということが見込まれるわけですから、株価の上昇圧力は強くなります。
そういったアマゾンのような企業はPERが大きかったとしても割安である可能性が高いですよね(^o^)
初心者向きはやはり低PER株
ただし、初心者向きであるのはやはり低PER株であるということは伝えておきます。
私もなるべく低PER株を中心に買うようにしています。
なぜ低PER株が初心者向きであるのかというと、値下がりしにくく値上がりしやすいからです。
低PER株というのは投資心理的に考えると値下がり幅が小さいのです。
一般的な日本株ではPER=15というと割安であると考えられています。さらにPER=10というとかなりの割安株です。投資の神様ウォーレン・バフェットも優良株がPER=10以下になるとその株に興味を持ち、大量の資金を投入することがあります。
試しにあなたがPER=10という株を購入したとしましょう。
この株が金融危機により株価が半値まで落ちたとします。PERの式を思い浮かべて頂きたいのですが、株価が半値になるとPERも半分になります。ということはPER=5になるわけですね。
PER=5というとどの程度の低さなのでしょうか?
2017/06/05現在で調べてみると、5社しかありませんでした。3500社程度の上場企業がある中の5社ですから、0.14%程度ですね。それくらいPER=5というとかなりの低さなのです。
そんなPERの低い株は市場が放っておかないですから例え一度そこまで下がったとしても直後に上昇圧力がかかることが多いです。なので、値下がりは起こりにくいんですよね。
逆に上昇する場合も一気に上昇しやすいです。PER=10の株を購入して株価が2倍になったとしてもPER=20です。PER=20というと平均程度ですからさらなる上昇も期待できます。
ということは3倍4倍も夢ではないのです。
やはりPERが低い株というのは狙い目です。ただ、なぜPERが低いのかというと普通は成長の見込みが少ないからであることが多いので、強い上昇圧力がいつ来るのかは全く分かりません。長期戦を覚悟してください。
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