一株当たり純利益(EPS)の計算が合わない?
ROEは非常に重要な指標です。投資の神様ウォーレンバフェットもROEをPERとともにかなり重視しています。
そんなROEの計算には一株当たり純利益(EPS)を使用します。
普通であれば四季報といったものでEPSを確認すれば問題ありません。
しかし、自分でこのEPSを計算しようとするとちょっと躓きます。
今回はDeNAの2015年度決算(16.3)を用いて実際にEPSを自分で算出してみましょう。
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自分でEPSを計算すると四季報の値より小さくなっていしまう?
DeNAの2015年度決算(16.3)の基本情報は以下のようになっています。
EPSの計算に必要な純利益は11,325百万円です。
また、DeNAの発行済株式数を見てみると150.79百万株となっています。
この情報からEPSを計算してみると以下のようになるように思われます。
11,325百万円÷150.79百万(株)=75.1円
しかし、もう一度上のDeNAの基本情報を見て頂くと分かるように実際のEPS(1株益)は78.8円です。
自分で計算すると実際の1株益よりも小さくなってしまっています!!
なぜこんなずれが起きてしまうのでしょう?
EPS計算では自己株式(金庫株)を含めない
ずれが起きてしまう理由としては、自己株式を含めてしまっているからです。
EPSの計算を行う際、自己株式(いわゆる金庫株)は除いて考えなければなりません。会社の自己株式によって生まれる利益はイコール株主の利益になりますから、除いて考えた方が1株益の本質を表しています。
正しい数字を見るにはEDINETからDeNAの有価証券報告書を検索してみましょう。
「第一部(企業情報)→第4(提出会社状況)→(8)議決権の状況→①発行済株式」で見ることができます。
(関連記事:詳しく企業を知りたいなら有価証券報告書を見よう)
有価証券報告書によると、自己株式は5.79百万株でその他の発行済株式総数は145.0百万株です。
EPS計算に有効な株式数というのは150.79百万株の内、この145百万株です。
実際にこの数値を用いて計算してみましょう。
11,325百万円÷145.0百万(株)=78.1円
まだ四季報の1株益78.8円からはずれてしまっていますが、だいぶ近づきました。
このずれは、EPS計算に有効な株式数に変化があったことを示してます。
株式を処分した場合に有効な株式数は変化します。
(関連記事:自社株買いの株価が上がる仕組みとその罠)
変化がある場合はその期中平均をとる必要があるため、若干ずれてしまうのです。
このずれが大きい場合は、株式の希薄化が起きているので注意が必要です。
自社株買いは良く注目されますが、株式の処分にはあまり注目されませんからね。
さいごに
以上、EPSの計算についてです。
EPSはROEといった重要な指標に関係する重要な数値なので是非とも理解したいものです。
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