短い 真夏の夜の夢は
消えゆき
夢から覚めた 君は
戸惑いながら
現実の世界に 順応しようと
心を開き
苦しみを受け入れるだろう
何も変わりない
暑い日常と
草がはびこった庭
そして
少しの後悔と
目を閉じれば 浮かぶ
非現実の世界の中の
無意味な羽ばたき
凝りもせず 繰り返す
自分との闘い
どこかで
見つけるかもしれない
形の知らない 宝箱を
伸ばした手で まさぐりながら
あきらめという言葉を
つかむ日まで
庭の草の間に 伸びた
植えてもいない 白いユリに似て
抜き捨てることがない
ささやかな 君の夢は
場所を変えて
くりかえすのだろう
そして
やはり ここに
戻ってきた。