強烈なフィルターとなり意識に固定されると書きましたが、
フィルターというのは、私たちの意識の状態を
説明するときに、分かりやすいように比喩として
使っている言葉です。
私たちがマインドを通して世界を見るときに
意識にはフィルターがかかるのです。
さらにたとえると、それは、無自覚に装備している
眼鏡のレンズに幾層にも貼りついた様々な色の
セロファンみたいなものです。
この世界で身につけた(同化した)様々な価値観、
定義、概念、観念、信念、思い込みが
様々な色のセロファン(フィルター)みたいなもので
マインドを通した眼鏡のレンズ(意識)には、
そのセロファン(世界観)が重なり合って
複合的な色合いの世界を作り出しています。
その眼鏡を通して世界を見ると、
複雑化した色眼鏡の世界が展開します。
普通、眼鏡は取り外し自由ですが、
それをがっちり固定して生きているのが人間です。
その色眼鏡=フィルターを通して見える世界を
私たちは真実だと思って生きています。
その眼鏡が多層化し複雑化すればするほど
世界は歪んで見えたり淀んで見えたりします。
その歪んだ曇った状態が真実になって見えるのです。
そうなると様々なものへの同化が強化されます。
また色眼鏡から投影した偏った捉え方、
被害者意識、被害妄想、優越感、劣等感、
罪悪感、過剰なポジティブシンキング、レベル意識
権力欲、達成思考、タイムイズマネー思考、依存
自立(実はこれも厳密に捉えるとそうです)など、
(上記は一部でまだまだ書けますが割愛します)
その色眼鏡を通して見える世界が
その人にとっての真実になってしまいます。
よく本当の自分になるための○○
と謳っているものを見かけますが、
本当の・・・といっても特定の世界観からのものなので
その世界観のフィルターを通せば本当の自分が見えるよ。
それをあなたの眼鏡に貼り付けなさい(同化しなさい)
といったものだったりします。
マインドはそういった意味付けが大好きなので、
自分の眼鏡に新たなフィルターを簡単に貼り付けます。
そうやって自分の中に新たな世界観、自分像、アイデンティティ
が生まれるのです。
そこに見える世界に違和感を感じても、
それを都合良く解釈して意味付けしてしまうことは
その複雑な色眼鏡の歪みを更に強化し固定することになります。
何かで違和感を感じたときには、
少し距離感を持った意識で自分の状態を俯瞰してみる
それを続けていくと、色眼鏡の状態に気付ける瞬間が
起こるかもしれません(その状態は人によりますが、
そこに意味付けなどはしないでください)
この世界で生きている限りマインドは消えません。
マインドがある限り、フィルター(眼鏡)が完全に
クリアになることはありません。
、
マインドの状態をつまびらかに受け止めながら
複雑な色眼鏡の仕組みを見極め、
同時にその眼鏡を外した状態に在ることができる。
それはただ観照や俯瞰した状態で物事を見ているというより、
どんな瞬間も本質に目覚めてそう在り続ける状態。
それが本質的に生きるという状態なのです。