昨日の事。
施工会社の要望で残業を余儀なくされた、とある建築現場。
すぐ目の前にはコインパーキングがあり、とても便利。
材料を忘れた/取りに行く…などといったことが楽な所だ。
午後6時近くになってやっと作業のめどが立ち、作業道具を片付けつつ駐車場に持っていく。
一通り車に積み込んでから駐車料金を精算をしようとする運転手。
「あ」
「どしたの?」
「千円札が無い、たっさん、両替できる?」
財布を覗くと5千円札しかない。
「ないわ」
「じゃ、しゃあないからコンビニ行って両替してきます。ついでにタバコ買ってきます。しばしお待ちを」
「おう」
てなわけで、午後6時15分を回ったあたりで、コンビニに向かう従業員。
私はヒマになったので、iPhoneのMusicでPlanet Smashersをダラダラと流していた。

停まっている車はウチのを入れて3台ほど。
朝は満杯になっていたのに。
因みに20台ほど駐車できる、かなり大きなコインパーキング。
すると、No.1に泊まっている車のドライバーがこちらに向かってくる。
「すいません、すいません」
何やらものすごく慌てている。
「スイマセン」
ん?と思って見る。
年齢は40歳代後半から50歳代前半。つまり私と似たようなお年。
「あのー」
はい?
「間違ってココの番号で精算してしまったんです」
は?
「ああ、どうしよう」
今運転手いないんですが。どうしたもんだべ。
「このフラップ板、3分経ったら上がってしまうんです」
「で、どうしたらいいんでしょうか?今、運転手が生産するために両替しにコンビニ行ってしまったんで、クルマ、動かせないんですが」
「えー、そうなんですか。困ったなぁ」
困ったのはこっちだって。
いきなり来て「そこの番号で精算しちゃったんで何とかしてくれ」と言われても。
「車、動かないですか?」
「車のカギは運転手が持って行ってしまってるんで、動きませんよ」
すると後ろに行き、クルマを押し始めたオジサン。
「ああ、動かない。どうしよう」
いやいや、一体何を一人でパニックになっているんだか。

同情しますけどね。
1回の駐車料金は頭打ちで2800円ほど。
これでフラップ板が上がってしまったら、追加料金で400円ほどかかる。
見ればこの近くの工事現場に作業しにやってきた職人さんだという事もわかる。
駐車場代、バカにならないんですよね。
毎日2800円かかっていたら、1週間で18000円弱。
それを「ちょっと間違ってお金入れちゃった」で済む金額じゃないでしょうね。
なもんでオジサン、ほぼ半狂乱状態。
「車、動かないでしょうか」
運転席に座ってあちこちいじるも無念のダンマリ。
もう一度車の後ろに行って、何とか駐車エリアから外に出すために車を押しているオジサン。
最後にはフラップ板に乗っかって、「まだ来ない、まだ来ない。ああ、もう3分経ってしまう」と泣きの一言を繰り返す。

そうこうするうちに、のんびりとウチの運転手登場。
「あ、来たわ」
ムチャクチャ安堵するオジサン。
ま、とりあえず車を移動。
そしてまた「いや、ちょっと間違ってそちらの駐車番号を押して精算しちゃったんです」
等々。
こちらが快くお金を払うと
「迷惑かけてスンマセン。ありがとうございます」
安心しきってしまったのか、チャックの開いた財布から小銭がばらばらと駐車場に舞い落ちる。
「あ、大丈夫ですか」
「はい。どうもスイマセン。助かりました」
そうやってコインパーキングの精算は終了いたしました。

しかし。
「どうやったら『1番』と『10番』を間違って精算するんだろう」
ウチの車が10番。オジサンの車が1番に駐車していたんですが。
間違いようがない、よなぁ…