グリムの昔話のご紹介。

日本では あまり知られていないのですが

映画のように 美しいい映像が目に浮かび

また筋の展開も大変 面白い。

誰か 映画化して!

 

 

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鷲鼻の、がに股の王様が

玉座に腰かけて だらしなく

ゴブレットから 葡萄酒を啜ってる。

 

「国へ帰るがよかろう。

お前はもう 用無しである。」

 

王様の御前に膝をつき頭を垂れているのが

今回の主人公の 年老いた兵隊です。

黒髪に白髪が交じって 鉄色になった頭。

革の胴着はあちこちすり減り 穴も開き。

腰に帯びた剣も、鞘はすっかり傷だらけです。

元は細工を施していたであろう柄の部分も

汚れや摩耗で古さばかりが目立っている。

膝がしらが 飛び出しているし 肩の当りは横から見ても

薄べったくて 随分と痩せていますね。

 

永年この王様に仕えてきたのに

王様の 冷たい仕打ちに 震えを隠すことが出来ないでいます。

兵隊は 多くの戦で受けた傷で すっかり弱っておりました。

戦争も終わりをつげた今、するべき仕事が 無くなって、

王の前で こう告げられるのです。

 

「お前に くれてやる金など無いぞ。

金は、働きに見合ったものを得られるのじゃ。

その体では、余に奉公などできまい。

よって、お前がするべき事は ただ、ここを去ること。

それだけじゃ。」

 

かげひなた無く、仕えてきたこれまでの日々に対して

あまりの仕打ちとは思ったものの、どうすることも出来ません。

無一文で 城を放り出された 老兵士。

うなだれ、とぼとぼと進みます。

いったいこの先 どうすればよいのか 見当もつきませんでした。

 

歩いて歩いて、歩き続けて

行く 道の先。

迫る夕闇より もっと濃く 薄暗がりが滞るどこやらの森の中へ。

歩いて歩いて、歩き続けて

先に ぽつりと 灯りが見えた。

そちらの方へ 進んでいくと

ねじくれた 大木に寄りかかるように

ぼろぼろの家が建っていて 灯りはそこの

窓から洩れているものでした。

 

扉を叩く兵隊。

 

「お願いだ。一晩泊めていただきたい。

森で日暮れて 難儀しております。

腹も空いて死にそうです。」

 

おはなし好きの皆さんの予想を裏切ることはありません。

家の中から出てきたのは もちろん、魔女。

それも心のねじくれた いやあなやつ。

 

「冗談じゃない。野良犬みたいなやつに施すものなんかありゃしないよ。」

 

 

 

 

すんません、ちょっと時間切れ。変なところでつづく!

 

絶対この後から面白くなるのでお楽しみに!