手ごわい強迫観念の撃退法!
OCDの悪循環を断つコツ
大阪堺カウンセリングルームのどか。
心理カウンセラーの武田です。
今回は「手ごわい強迫観念」を撃退するコツについて書きますね。
強迫観念という敵と戦って勝つには、敵の本当の正体を知り、敵の弱点をつくことが重要です。
ですので、
1.強迫観念の正体をあばく。
2.強迫観念の弱点をつく。
という流れで書いていきますね。
私自身もこのコツを使って強迫性障害を克服していったのです。
1.強迫観念の正体をあばく。
強迫観念は文字通り、とても手ごわいです。
次のような「悪魔のささやき」をあなたに送り込んできますよね。
「カギが開いていて泥棒が入るぞ」
「水が出っぱなしで部屋が水浸しになるぞ」
「電気がついたままで火事になるぞ」
「車で人を轢いたぞ。」
「きっと罰(バチ)が当たるぞ」
「大切な物をゴミと共に捨ててしまったぞ」
「おつりを間違えて渡してしまったぞ」
「まだ、ばい菌が残ってるぞ」
「病気になるぞ」
「もう一回、確認しろ!」
「もう一回、洗い直せ!」
「もう一回しないと大変なことになるぞ」
「もう一回したらスッキリするぞ」
この強迫観念の「命令」や「警報」は、すごい勢いであなたを支配しようとしますよね。
強迫観念の「命令」や「警報」は、あまりに強いので、それに従って「確認や手洗い」といった強迫行為をしてしまいがちだと思います。
ですが、強迫行為をしても安心は束の間なのですね。また、強迫観念が襲ってくるのです。
強迫観念→強迫行為→強迫観念→強迫行為→強迫観念→・・・・という悪循環から抜け出せなくなるのですね。
ところで、強迫観念の「命令」や「警報」の正体はいったい何なのでしょうか?
それは、脳の誤作動による「間違った信号」「間違ったメッセージ」なのです。
脳の眼窩皮質や帯状回などが、一時的に誤作動を起こしているだけなのです。
※脳機能は回復しますのでご安心くださいね。後半に詳しく書いています。
強迫性障害のひとの脳は本当は安全なのに「危険だ」と「間違った信号」を出すのです。
本当は何の問題もないのに、「やばいぞ」と「ニセモノの警報」を出すのです。
いいですか。
強迫観念は「間違った命令」「ニセモノの警報」であることを強く心に言い聞かせてくださいね。
全て「ホンモノ」ではありません。 全て「ニセモノ」です!
強迫性障害のひとは、それが「ニセモノ」の命令や警報だと知らずに反応してしまうのです。
「ホンモノの命令だ!やばいやばい」
「ホンモノの警報だ!早く確認せねば」
と、焦ってすぐに強迫行為をしてしまいがちですね。
私も克服する前はそうでしたので、焦る気持ちはよくわかります。
でも、これを読んだあなたは今日から変われます!!
もう一度いいますね。
「カギが開いていて泥棒が入るぞ」
「水が出っぱなしで部屋が水浸しになるぞ」
「電気がついたままで火事になるぞ」
「人を轢いたぞ。」
「まだ、ばい菌が残ってるぞ」
「病気になるぞ」
「もう一回、確認しろ!」
「もう一回、洗い直せ!」
「もう一回しないと大変なことになるぞ」
「もう一回したらスッキリするぞ」
これらは全部、「間違った命令」です!
「ニセモノの警報、つまり誤報」です!
これは間違った命令だ!従ってたまるか!
これはニセモノの警報だ!騙されてたまるか!
と強く自分に言い聞かせて断固、無視してほしいと思います。
「間違った命令」に従ってはいけません。「ニセモノの警報」は無視すべきです。
たとえ話ですが、台風警報が出るとみんな備えますよね。
ですが、あらかじめニセモノの警報が出されるとわかっていれば、そんな警報は無視しますよね。 それと同じです。
強迫性障害は、「間違った命令」「ニセモノの警報」が脳から出される障害なのです。
「偽りのメッセージ」なのです。それこそが強迫観念の正体なのです。
2.強迫観念の弱点をつく。
強迫観念(間違った命令・警報)の弱点は2つあります。
一つは、正体を暴かれると弱体化する点です。
強迫観念は「ニセモノの警報」であなたを支配しようとします。
ですが、今のあなたはもう騙されませんよね。
その警報が「ニセモノ」の最初からわかっているのですから。
最初からニセモノと正体を暴いてしまうと強迫観念の攻撃力はなくなってしまうのです。
もう一つの弱点は徹底的に無視すれば消えるという点です。
強迫観念は相手をすると、強くなってしまうのですが、徹底的に無視すると、どんどん弱体化して、最後には消えてしまいます。
無視する時間が長ければ長いほど弱体化していきます。
心配だったことが気にならなくなり、強迫行為をしなくても大丈夫という感覚が増していきます。
コツは、強迫観念に襲われたときに、
「こいつは間違った命令だ!」
「こいつは嘘をついて私を騙そうとしてるだけだ」
「脳が誤作動を起こしているだけだ」
「そんな命令には従わないぞ!」
「無視して、次の行動に移ろう!」
と自分に強く言い聞かせて、強迫観念を徹底的に無視することです。
強迫観念の言うことにすぐに反応して、強迫行為をしてしまっては相手の思うつぼです。
間違った命令に従ってしまうと、間違った命令を出す脳の神経回路が強化されてしまうのです。
そうするとますます、間違った命令が出されるようになるのです。
強迫観念に従うことは 強迫観念にエサを与えることになるのです。
ですが、強迫観念を無視すると、間違った命令を出す神経回路が弱くなり、脳の機能が正常化します。
だから、強い気持ちをもって、無視してくださいね。
最初はちょっと苦しい時があるかもしれません。
でも、少なくとも15分間だけでも無視してください。
「ニセモノの脅しには負けないぞ」と自分に言い聞かせて、無視して、次の行動に移ってください。
強迫観念は長く無視すればするほど、弱くなります。
とりあえず15分無視して、弱らせてから徹底的に無視すればいいのです。
慣れてくると15分、20分、30分、1時間と無視できる時間が増えていきます。
強迫観念に命令されたり、脅しをかけられても無視して、強迫行為をしないことをトレーニングしていくことで克服への道が開けていきます。
強迫観念と強迫行為の悪循環から抜け出せる可能性が高くなってくるのです。
余談ですが、今、他の機関で曝露反応妨害法をされている方であまりにも強迫観念が強くて、挫折しそうという方もいらっしゃると思います。
そういう方も今回の知恵を使って乗り切っていただければと応援しています。
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