かなりヘビーでした。最近、この手の作品って増えてますよね。高齢化社会…、尊厳死…
自分なら?って重ねながら観ちやいますよね〜
この92歳のパリジェンヌは、人生をかなり謳歌して生きてきた。(でも、それは家族に少なからず迷惑を掛けていた。)そして、ハタと、もう自分で出来ることが少なくなっている、と気づく。そして惨めな気持ちになる。で、自分で幕を下ろそうとするのだ。
って、だけ見ると、かなり自分勝手な親のようにも見えるが…、
でもそれをつらぬき通し、最後の最期まで自分勝手に自由に生きたこのパリジェンヌに拍手喝采👏
これを美徳ととるか、エゴととるか、賛否両論わかれると思うが、自分の人生です。
てか、高齢者は、ホントに、そこまで延命して、自分で何も出来なくなっても生きたいものなだろうか?うちの父親を見てると、そう思う時がある。でも母親は元々、ひとりではなにも出来ない人で、人のせいにばかりして、当たり散らす人なので、人に迷惑を掛けてでも、1秒でも長生きしたいと思っている。ま、高齢者と一括りにしては、高齢者に失礼か。
家族それぞれの葛藤、苦悩が描かれた、死生観を考えさせられる、これから迎えくる更なる高齢化社会への問題提起でもあると同時に美しい家族のものがたりでもある。
自分が高齢者の親を持つ立場になって、色々思うことろがあります。後期高齢者という名の元に安い費用で最先端医療を受けさせて、長生きさせる意味ってあるの?とも思うし…。だってそのお金ってわたしらの税金でしょ?って自分の親だけど、そこまでして生かしておく意味って?自然に死を迎えるので良いのでは?と…
本作は実話を元にした作品です。
ジュリエッタ
3作の短編をまとめて一本の作品にしたアルモドバルの新作。
ペドロ・アルモドバルっぽいちゃ、ぽい。
女性賛歌三部作の『オール・アバウト・マイ・マザー』『ボルベール(帰郷)』のような親子のものがたりだけど、なにか違う。
子供を守ろうとしていた前作とは違い、守らない。守らないってのは言い過ぎか…?なんだろ?自分勝手なのだ。
愛と憎しみとは表裏一体なのだろう。
娘に捨てられた母親と、母親を捨てた娘。一緒にいたら、悪いことは起こっても、多分、いいことなんかなかったはず。
多分、娘にとっては…
わたしが親ぢゃないからなのか?この母親には感情移入ができません。娘にはできます。娘の気持ちは分かります。でも娘も結婚して、子供が生まれ、その子供を亡くしてはじめてわかったといことなのだろうが…
なにを?
なにをわかったのだろうか…?
わたしには分からなかった。
娘の心情はなにひとつ…
エモーショナルな部分がありそうで、全くなく、伏線もありそうで、回収がなく…
全部、投げかけておいて、お終い?
主演の姉を演じるのはジェラルディン・チャップリンはチャーリー・チャップリンの娘。最近では『僕とカミンスキーの旅』にも出てましたね。
この姉と盲目の弟の兄弟愛を軸に、戦争の悲劇を描いている。
最初、親子に見えました。なに?最近、多いネグレストの母親?って思ってたら、姉でした。だったら仕方ないか…。若い少女、青春の甘美な日々があったってバチは当たらないだろう。そんな甘い日々は一瞬…
舞台は第二次世界大戦中のユーゴスラビア。ナチによるユダヤ迫害で、どんどん追い詰められていく姉弟…
そしてラストの電車でのシーンは切ないです。
だって、その電車は収容所に向かうのだから…
『どこに行くの?』と言う弟に『目の手術をしに行くんだよ。そしたらなんでも見えるようになるよ』みたいな会話。
うーん…、切ない。
この目の不自由な弟役のフェデリコ・イヴァンの健気さがたまりません。やはり子供と動物には勝てないのだ。