丁度、仕事が終わって、時間が間に合いそうだったので、池袋にて。普段、池袋の映画館には行かないんだけど…、職場が川越なので。
『100年生きれればいいの』に、と言って悔しそうに息子を抱きしめる母は不治の病で、もうそんなに長くはない。
病で死にゆく母が最愛の息子に遺したモノとは…?
死を前にして最愛の子供に何かを残そうっていうのは『愛と追憶の日々』を思い出す。母親との関係のシーンでも。全く違うんだけど…
主人公の少年は12歳。いじめられっ子で、いつも絵を描いて、空想に浸ってる。
現実逃避すればするほどフアンンタジーになり、どんどん閉じこもる。
ママが大好きで、からかわれるシーンもあり、ママはママ以上の存在なのだろう。友達だし、彼女なのだろう。
それはママが治らないことを知っていたから?ママとの時間が少ないことを知ってたから?でも早く終わらせたかった…?
現実は複雑で、善人だけではないし、正義だけでもない、そして矛盾だらけだし、決してハッピーエンドだけでもない。苦しみを伴う。真実とは残酷だ。
と言うのを3つの物語から教訓として説いている。どの物語も残酷だけど、人生とはそういうもんだよね、と解せるし、心揺さぶられる。
児童文学って、子供向けでしょ?って侮ることなかれ。
親子の絆、遺された息子に向けた人生訓など物語が素晴らしいのは当然として、本作は美術も素晴らしい。物語に挿入されるアニメーション、リーアム・ニーソンが声優を務める怪物のビジュアルに、家具や調度品など。もう、全てがわたし好みで素晴らしい。(←最終、好きか嫌いかってことなのよね)
主人公はトム・ハンクス似のルイス・マクドゥーガル。撮影当時、主人公と同じ年の12歳。オーデイションから1000人の中から選ばれたそうです。うん、納得。
その母親役は『博士と彼女のセオリー』や『アウトバーン』のフェリシティ・ジョーンズ。今回もまたまたイメージが違います。
そして祖母役はシガニー・ウィーバー。しばらく見ないうちに…
チョイ役で校長先生役にジェラルディン
・チャップリン。
監督は『永遠のこどもたち』のJ.A.バヨナ。
そして原作者は2人います。1人はガンで亡くなったシヴォーン・ダウドというイギリスの女流作家。その後を継いで遺稿を完成させたのがアメリカ人のパトリック・ネス。パトリック・ネスは脚本も担当(パンフレットから)
【72点】
2017.6.16 ヒューマックス池袋